EPOCALC's GARAGE

本州一下らない音楽レビューブログ

コンピ盤のコンピ記事

良曲集合体

 

コンピレーションアルバム。特定のテーマや一定のコンセプトに基づいて集められた楽曲によって構成された音楽アルバムのこと*1

もともとはレコード会社のベスト盤から始まった文化らしいが、DJ、音楽家、ディガー、評論家などが己の趣味を全開にしてセレクトした通なアルバムもある。それを紹介しようと言うのがこの記事の目的です。

 

ただこう思う人もいるかもしれない。Spotifyで気軽にプレイリストを作って公開できる昨今意味あるの?、と。

実は最近でも環境音楽とかのLight in the Atticが作っているような辺境音楽コンピが大人気。コンピ自体の人気はまだまだ衰えてない。*2

とはいえ、色々雑多な曲を集めている都合上音楽家の一つの確固たる信念が貫かれたオリジナルアルバムよりチョイ下くらいでみられがち。

が、先述した音楽通たちが身の粉にして作ったであろう名盤も数多存在する。特に邦楽。

そういうわけで今回は有名無名問わず個人的におススメしたいコンピ盤を紹介する記事です。例によって邦楽多めでお送りします。

 

Nuggets

ああ、またこれかと思ったアナタは音楽好き。コンピを語るときにまず出てくるのがこのアルバム。山下達郎がサンソンで流したことでも有名。

Patti Smith Groupのメンバー、Lenny Kayeが編集したアメリカのガレージサイケを有名無名問わずひたすら集めたアルバム。発売された72年時点では既に忘れられた存在になっていたガレージロックだったが、このアルバムでの選曲のハイセンスさは再度光を当てる決起になった。

このアルバムの影響力はすさまじく、パンクムーブメントにはもちろんBlack Sabbathにまで影響したと言われる。そしてこのアルバムに収録された当時マニアックとされた曲たちはガレージロックの入門曲になってしまった。

また60年代のガレージをまとめるコンセプトもコンピ界のスタンダードになることに。New England Teen SceneBack From The GraveといったコンピはNuggetsフォロワーの代表格。どちらも非常に完成度が高いのでNuggets好きにはおススメです。

Back From the Grave 1

Back From the Grave 1

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こうして音楽家にもコンピにも影響を与えたNuggetsはコンピレーションアルバムの代名詞的存在となり、Nuggetsの名を冠したアルバムはLenny Kaye本人によるものは勿論パロディとしても数多存在する。最近だとシンガポール・ナゲッツとかあったっけ。そういうのを集めてみるのも楽しいかもしれない。

Nuggets収録曲では個人的には13th Floor ElevatorsやCount Fiveが好きかな。60年代アメリカにしか存在しえないガレージロックを楽しもう。


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Pillows&Prayers

あとコンピの名盤ということでこれも取り上げておきたいところ。コンピといえばNuggetsとPillows&Prayersである。異論は認める。*3

こちらはCherry Redという80年前後のネオアコ系レーベルのコンピ。爽やかながらもどこか不穏な雰囲気が漂う、ニューウェーブ期の不安定インディーポップが収録されている。メンバーもBen WattやTracy Thornなど、この後非常に名の知れることになる人々ばかり。Nuggetsは音楽評論家などがコンピを作る際の指標になったのだが、こっちはレーベルがコンピを作る基本形になった。

この通り海外産のアルバムなのだが日本での人気が異様に高かったらしく、続編は日本限定で発売されている。そっちも必聴。ちなみにその続編には怖いCMでお馴染みのクリネックスティッシュCMのBGMが収録されている。


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都市通信

80年代の日本にも東京ロッカーズや関西ノーウェーブ近辺をまとめた名コンピがいくつも存在する。その中でも内容は勿論のこと、その逸話でもよく知られているのがコレ。

逸話というのは、こういうことである。

野本氏(引用者註:都市通信の責任者)の家業が不渡りを出してしまい、その資金繰りにあてるために、少数ながら流通したアルバムの収益や通信販売分として届いた代金を着服してしまい、注文した人々の多くに作品が届かなかったという事件です。

それから40年、野本氏は還暦を迎え、そうした人々に作品を無償で届けるとともに、売り上げを参加バンドにすべて返すためにこのプロジェクトを実現しました。

VA ~ 都市通信 | あれも聴きたいこれも聴きたい (ameblo.jp)

そういうわけで40年間幻と言われわ高値で取引され続けた都市通信だったのだが、近年奇跡的な再発がかかり我々は気軽に聴くことができるようになった。

内容も非常に優れている。特にこの後一般的にも知名度を上げていくNon BandのHomeは東京ロッカーズでも指折りの名曲。一緒についてくる冊子も80年代サブカル臭がして素晴らしくよい。


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Soft Selection 84'

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非東京ロッカーズのコンピで80年代ものというとこれをオススメしたい。何せレーベル名がソフトレコードである。柔らかふわふわニューウェーブなのだ。

なにやら中華風味&チープなテクノポップがめじろ押し。ノンスタンダードがさらに地下にもぐったような都市通信とはまた違ったアングラ感を楽しめる。後々ナゴムに入ることになるPICKY PICNICがいるのでプレナゴムレコードと捉えるのもアリかも。ポップと地下精神のバランスが絶妙な点からもナゴム的な空気を感じるね。

個人的にはLa Sellrose Can Canがおススメ。YMO的な歌ものを目指そうとチープな機材でやれることをやった結果、YMOと別軸でさらに先まで行っている感がある。

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Sixties Japanese Garage-Psych Sampler

海外産GSのコンピ盤。どうやら海外で初めてGSを取り上げたものらしく、GSコンピのパイオニア的存在。*4

GSでしょーと思って聴くと中々に衝撃を受ける。海外産ガレージと遜色のない曲ばかりが揃っているのだ。

またモップスやダイナマイツのようなマニアックなモノばかりではなく、ゴールデンカップスやスパイダースなどの売れた人々もちゃんと入れているところが好印象。

それでいて前述のとおり海外ガレージのように聞こえるのであるから、相当ディグったものと思われる。GSの新たな魅力に気づけること間違いなし!

ちなみに海外だとFlower Travellin' Band、Les Rallizes DenudesやFoodbrainのメンバー参加!!と言って売り出しているらしい。物は言いよう

RSDで再発がかかっているため、サブスクでも聴ける。是非聴いてみよう。


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Back To The Lab

www.jetsetrecords.net

昔「コンピ 名盤」で検索して見つけたもの。さっき検索したときも上の方に出てきた。実際名盤なミドルスクール・ヒップホップのコンピレーション。DJ KOCOにも同名アルバムがあるが、それの元ネタである。

これを知って以降このDef Rhythm Productionsが何者なのか、収録されている人たちが何者なのか調べているのだが現時点では分かりませんでした!という最早最近見なくなったタイプのアフィリエイトサイトのような結論にしか達しなかった。詳しい人教えてください。

ただ内容は本当によく、特にI'm Groovinのカッティングギターの上でべらべらラップしていくさまはあまりラップに詳しくない人でも楽しめるのじゃないだろうか。ミドルスクールのヒップホップの良さに気づくことになった一枚。

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Prego!'99

大分時代が飛ぶ。この間にもいくつか良いコンピはあるのだが、Pillows&Prayers風のレーベル編纂ものが沢山ありすぎて省略した。

かく言うこのアルバムも渋谷系レーベル・トラットリアのレーベル紹介アルバムなのだが、一風変わっている。コンピなのに曲ごとが繋がっているのである。

また内容も最早皆が想像するところの「渋谷系」ではない。テクノがあったと思ったらクラウトロックがやってきて、その後現代シャンソンが流れ...というようなFANTASMAを彷彿とさせるごった煮感。音作りも00年代的なプラスチックな音像。何もかもが新しいチャレンジで構成されている。

このコンピ以降明らかに日本の先鋭的なコンピ盤の質感が変わっており、コンピの概念を変えた名盤と言ってしてまってよい。


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Contemode

Prego'99の作風をポスト渋谷系にまで高めたのが中田ヤスタカcontemode

イントロ曲から始まり時にキュート、時に凶暴な00年代的佳曲が並べられていくのは見事。可愛さと先鋭的な音楽とを違和感なく混在させる手法は、この後発生するアキシブ系への直接的な影響を感じさせるものになっている。

そしてやはりプラスチックな空気感。00年代以降のポップスを定義するあの音像が既に2003年時点で完成されて切っているのは中田ヤスタカの手腕に依るところに大きい。

ちなみにアキシブ系にはAKSBというコンピもある。これも併せてに聴いておきたいところ。*5

ContemodeでのオススメはHazel Nuts Chocolate。かわいらしさと不穏さが一緒くたになっている。こういうの好き。


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O Brother, Where Art Thou? O.S.T.

こちらは一見映画のサントラのように見える。が、ほとんどブルーグラスのコンピと友人から教えてもらった。

どれどれと調べてみるとこのアルバム、全米にブルーグラス旋風を巻き起こしU2やDylan差し置いてグラミー最優秀アルバム賞をかっさらったそうである。

そういうわけでこれは誰が言おうが何を言おうがブルーグラスのコンピなのだ。これの素晴らしい点は音源が新録である点。

優しげな演奏も素晴らしく(ネット上のカントリー知識人たち曰く)選曲も大変良いため入門盤にうってつけ。これを聴いているとどこか遠くに旅をしたくなるね。

カントリーって古臭いんでしょ?というイメージを払拭してくれること請け合い。サブスクではアルバムのうち数曲聴けないので、中古で買うのが◎。同様に日本の戦前歌謡曲に対して新録をやっている大土蔵録音2020もおススメ。

大土蔵録音2020

大土蔵録音2020

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Ethiopiques

Ethiopiques Volume 1

辺境コンピの元祖というべき存在がEthiopiquesでしょう!かのBob Dylanも感銘を受けたとか。

その名の通りエチオピアの多種多様な音楽を収めたコンピシリーズ。未発表音源も惜しげもなく使い、レアグルーヴありSSWありで現在Vol.30まで出ているそうだ。よくエチオピアだけでそこまで続いたな...

元祖なだけあって選盤の腕も確か。レーベルやアーティストなど各Volごとでテーマも違うのだが、どれも高水準にまとまっているのは凄まじいの一言。

個人的に好きなのはVol.10のエチオピアブルース集。確か件のBob Dylanが感銘を受けたやつもこれだったはず。

人気作だからかサブスクにあるのも嬉しい。是非聴こう。


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Amiga A Go Go

以前共産圏オススメガイドでも紹介した、東独のコンピ。国営レーベルAmigaに残された膨大な音源の内、今の耳でレアグルーヴとして聴けるものを集めたコンピになっている。

聞くところによれば東独をはじめとした共産圏はどうやらロックを禁止しおり、ロックバンド群は教会で「ミサ」という名目でライブをやっていたらしい。

一方でジャズやファンクはOKだったらしく、政府も力を入れていたのか共産圏のそれらは異様にレベルが高い

内容も共産音楽入門にうってつけ。今でもドイツで国民的に人気のあるManfred KrugUschi Burningベルリンの壁崩壊前から国際的に評価されていたModern Soul Bandなど。ドライブで流したら爽快なこと間違いなし。

この中のいくつかはサンプリングもされているらしく、そのネタとしてもおススメ。Red Grooveの波が来ている昨今、これを聴いて勉強するしかない!!


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Childish Music

その名の通り、子供が遊びで作ったような無垢な印象を与える曲を集めたもの。日本やヨーロッパのフォークトロニカを中心に組まれている。

子供の無垢さには時にして恐ろしさがあるもの。ポップゆえの怖さが内包されている作品が揃っている。例としてはOren AmbarchiWorld Standard竹村延和など。もうちょっと後の時代に発売されていたらトクマルシューゴとかも入ってきそうな人選。

音楽的な技術力を備えた人たちが辿り着いたのが最終的に子供っぽい音楽だった、というのはキュビズムの絵に似ている。そしてこの着眼点でこのアルバムをまとめようと思ったキュレーターに賛辞を贈りたい。

脱構築ポップスが好きならきっと好きなはず。Pitchfolkが下げめのレビューをしているが気にするな!


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東京ボサノヴァ・ラウンジ

2000年代初頭、ボサノヴァがちょっとしたブームになっていた。

それ故現代ではボサノヴァの印象はすこぶる悪いのだが、ブラジルのそれと引けを取らないほど高度なことを志向した音楽家も沢山日本にいた。それを集めたのがこのアルバム。

日本のボサノヴァ=ジャパノヴァの指標として今でも参考にされているこのコンピ盤。現在でもBook Offディガーを中心に歌謡曲ボッサを探す人がいるがその発端がここである。

内容も浅丘ルリ子の「シャムネコを抱いて」のような有名曲は勿論、音楽ファンに人気の笠井紀美子寺尾聡、そしてハプニングス・フォーかまやつひろしといったGS人脈、さらに大橋巨泉まで、あらゆる昭和ボッサを一つにコンパイルしている。そしてどれも大変高度。今の耳で聞いても古臭くないどころか新しいまであるほどである。

ジャパノヴァの名盤としてはもちろんのこと、昭和歌謡曲入門にも役立つのではなかろうか。歌謡曲を時代遅れと切り捨てるのは早計であると感じさせてくれる。


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パリの地下鉄

大丈夫。走行音ではない。パリの地下鉄で演奏する音楽家たちの演奏をまとめたもの。無印良品が出していたらしい。

それ故ある人はピアノ、ある人はギター、ある人はバンドネオンと最小限の楽器と各々のスタイルがバラバラ。しかしながらアルバム全体としては何かの統一感があるが不思議。

パリの地下鉄で演奏するのは実は限られた人物だけ。地下鉄会社のオーディションがあり、それに受からないといけない。この不思議な統一感はこのオーディションによるものなのかもしれない。

個人的によく聴くのはEdith Piafのカバーで有名なPadam Padam。古いシャンソンアコーディオンと歌だけで魅せるカバーはこのアルバムの魅力の一つ。

 

[音源等無し]

塊魂トリビュートOST

こちらもゲームサントラながらコンピとして乗せたいもの。何せ使っている音楽家が凄い。

キリンジスキマスイッチ*6のような00年代のソフィスケイトポップとして今でも著名な人物から、GUIROBuffalo Daughterのようなゲームサントラにはあまり召集されないコアなメンツまでがそろい踏み。彼らが塊魂の曲を思い思いカバーしており、ゲーム名通り一種のトリビュートアルバムとしての性質が強いのである。

やはり白眉はGUIRO。よくこの人たちをゲームのサントラに呼び出したなあと思ってしまうが、彼らもノリノリだったのかGUIRO節全開の浮遊感たっぷりなカバーをしている。

 

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8bit Music Power

これは非常に有名ですね。FCカセットの新作として幾度となく大きな話題になった代物。その中身はコンピになっているのです。ちゃんと聴いたことあります?

参加しているのはサカモト教授Saiotneなどといったチップチューンでお馴染みの音楽家たちと往年のゲーム音楽家たち。ゲームのサントラやアルバムだと機械そのものの音ではないが、カセットにすれば実機で鳴らせるという寸法である。

彼らの曲は普通にインストポップスとして楽しく聴けるものばかりで非常に高度。演奏するのはもちろんよく聴くファミコンのピコピコ音なのだが、それでこんなことできるの!?みたいな音も頻出する。

人気作品であり続編もいくつも出ている。サブスクでも聴けるが、続編含め安いものだとまだ3000円程度で買えるので実機で楽しんでみるのも一興。


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Eiichi Ohtaki's Jukebox

大滝詠一の持っていたジュークボックスの中身が聴けるという、なんともありがたいコンピ盤。レコード会社別で三枚出ている。

よく知られているオールディーズからの選曲も多いが、ここは大滝詠一の選盤、なかなか他ではお目に掛かれない隠れ名曲も入っている。この三枚はオールディーズ入門にもうってつけ。

他にも大滝詠一関連のコンピは沢山ある。元ネタを集めまくったナイアガラの奥の細道は言わずと知れた定番になりつつあるし、GO! GO! NIAGARAで流れた音源をまとめたGO! GO! RADIO DAYSも頻繁にタワレコで見かける。よく売っているので余裕あるときに買ってみよう。


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Thai Shoegaze Compilation

Thai Shoegaze Compilation, Vol.1

Thai Shoegaze Compilation, Vol.1

  • Thai Shoegaze Compilation
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シューゲイザー関連には不思議なコンピレーションが沢山あるが、最近のもので面白く話題になっていたのはこちら。タイ産シューゲイザーである。

実はタイではDesktop Errorという偉大なるバンドのおかげでシューゲイザーが人気。それ故現在のタイのシーンでは下手なイギリスのシューゲイザーバンドより質の高いバンドを拝むことができるのだ。その中で良いバンドをえりすぐった今作は折り紙付き。

ともすればマイブラの二番煎じの印象が出てしまうシューゲイザーだが、ここに収録されている音楽家たちはそんなことを思わせず己の靴見道を突き進んでいる。面白かったのはKrtkkkh.*7。まるでドゥームメタルのようなリフや空気感の曲を紛れもないシューゲイザーで見せている。これは非常に新しい!

ちなみにVol.2も出ている模様。こちらは加えてシューゲイザー関連の別ジャンルも入れてあるのでさらに彩り豊かになっている。

シューゲイザー関連のコンピだと日本から出ていたYellow Lovelessも面白い。少年ナイフBorisCoaltar of the Deepersなど日本人音楽家Lovelessの各曲をカバーしたもの。また韓国人音楽家によるBlue Lovelessもある。こちらも併せてどうぞ。

YELLOW LOVELESS -JAPAN-

YELLOW LOVELESS -JAPAN-

  • アーティスト:V.A.
  • High Fader Records
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Heisei No Oto

Heisei No Oto

Heisei No Oto

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この記事最後に紹介するのは昨今人気のディグレーベルMusic From Memoryのコンピ。

この手のコンピはLP時代の音楽をコンパイルしてることが多かったのだが、今作では平成の音ということでCDフォーマットで日本で発売されたものに限定しコンパイルしているのが大きな特徴。日本だとそうでもないが、海外のディガーはあまりCDに注目してこなかったようでその点で大きな意義がある。

収録されている人もDream DolphinePOiSON GiRL FRiEND*8といった(このアルバム発売前までは)よくBook Offでたたき売りされていたような人たち。またこのアルバム発売直後、収録されている井上陽水のPi Po Paが音楽ファン界隈で流行するという謎の現象を生み出したのも記憶に新しい。

こういうコンピはこれ以降増え始め、音の和というものもあった。そちらもCD時代に寄せている。

現代のみならず当時から俗物として敬遠されていた音楽が復古し始めている。これからの音楽、次なる指標はこのアルバムになることは間違いない。


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その他にもクリスマスアルバムには良いコンピがいくつも存在するね。シーズンになったらぜひ買っておきたいところです。

良いコンピの旅を。

 

*1:Wikipediaよりまるごと引用

*2:bandcampのレーベルに多いよね。Mississippi Recordsとか

*3:先生!トロピカリアはコンピに入りますか!?!?

*4:60's Japanese Garage Psych Sampler - Jahkingのエサ箱猟盤日記 (goo.ne.jp)

*5:ただしやや古いアルバムであるためかアキシブ系の代表格たる恋愛サーキュレーションが入っていない。現代版として再度作り直す必要があると思う。

*6:今作では大橋氏のみ

*7:なんて読むのこれ

*8:某漫才師はここから名前を取ったのだろうか。

さ・え・ら ジャポン/Pizzicato Five【2001】

年の初めの試しとて

 

謹賀新年。2022年はこちらのアルバムのレビューからスタートさせていただきます。

 

Pizzicato FiveはFlipper's Guitarと双璧をなす渋谷系の名門バンドとして知られている。フレンチやモンドリアンを取り入れたファッションやデザインは今見ても十二分に新鮮。90年代以降の日本のデザインに多分に影響を与えているよね。


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それため彼らには90年代のイメージが強いが、見直してみると彼らの諸作中で名盤と言われるものは意外と80年代のプレ渋谷系期のアルバムに集中している。のちのオリジナルラブこと田島さんがボーカルだった頃だね。bellissima!とか女王陛下とか。


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90年代中はシングルでは名曲を連発するもののアルバムの方はレーベル名よろしく「レディーメイド」ということなのか過去のアルバムの再生産的なものが多く、ちゃんと今でも聴かれているのは女性上位時代くらいな気がする。出せばなんでも売れるという状況だったため、一種のおふざけとしてそういうことをしていたのかもしれない。

 

そして時は流れ20世紀末。椎名林檎くるりなどのポスト渋谷系と評される音楽家たちが増え渋谷系の終焉が見えていた。渋谷系と呼ばれていた音楽家たちに変革が求められたのだ。

フリッパーズ側からの回答としては過剰なパロディ満載のFANTASMA、一転自然音や間をフィーチャリングしたアンビエントPoint毎日の環境学

これらによって単なるサブカルポップスに過ぎなかった渋谷系が、前衛音楽のよき理解者へと変容することになる。オルタナバンド主体だったポスト渋谷系へのさらなるアンチとして機能し、これは後の非バンド音楽に通じていく。


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そしてPizzicato側からの返答だな、と思えるのがさ・え・ら ジャポン渋谷系を外部から相対化させてみせたポスト渋谷系のように、海外から見た日本文化というテーマに基づき豪華客演を交えて繰り広げられる不可思議なコンセプトアルバム。

 

現代において伝統的な日本文化といえば正月ということなのだろうか、アルバム冒頭は一月一日から始まる。年の初めの試しとて♪というやつである。正月に聴きたくなる理由の七割はコレのせい。
そして二曲目にPizzicato Fiveらしさ全開のNonstop to Tokyo。アルバムだと松崎しげるとやっている。

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東京出身の方には分からないかもしれないですが、東京旅行にはこういう感じの近未来感やワクワク感があるんですよ。地方出身の小西さんだからこそ分かる、非東京出身者の思う東京観が反映されている。

この後、カバーバージョンはこれと忌野清志郎くらいしか知らない君が代、戦前ジャズ歌謡のようなさくらさくら(童謡ではない)、「国民番号制度にはやっぱり大反対ですけど」のパンチラインで知られる現代人、奇怪な外国人が日本文化をむやみやたらと褒め称えるFashion Peopleなど、密度濃度ともにドロドロに濃い曲が目白押し。

 

特にこのアルバム中でにやけさせるのは、戦時中と労働環境が何ら変わっていないじゃないかと批判する1964年の音楽「アメリカでは」のカバー

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からの「ポケモン言えるかな?」。このアルバム中最も感動した構成である。

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戦争や直後の過酷さを忘れてしまった現代の気楽さのズレ敗戦国ながらアメリカどころか世界に伝播した日本文化の奇妙さを際立たせている。曲の個性が非常に強いため「ポケモン言えるかな?」はアルバム内でどうしても浮いてしまうが、それを逆手に取った現代日本批判。

全くクリスマス関連のワードが出てこない日本流クリスマスソング12月24日、別に坂本九は関係ないスキヤキ・ソングと来てPV含めて名曲の東京の合唱、そしてはっぴいえんど愛飢をのカバーをボッサバージョンでやり、幕を閉じる。

 


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この最後の愛飢を。一種のネタバラシとして機能しているのではないだろうか。

愛飢をは大滝詠一作曲。そしてこのアルバムは一月一日で始まってさくらさくらを経由し、12月24日、東京の年末の象徴たるスキヤキに向かう。そう、大滝詠一のナイアガラカレンダーを意識している構成になっていると思いませんか?

epocalcgarage.hatenablog.com

 

以前、このブログでナイアガラカレンダー収録の「クリスマス音頭」は音頭という日本文化礼賛のように見えて、実は日本文化批判であるという話をした。

epocalcgarage.hatenablog.com

 

それをアルバム単位で実行したのがこのさ・え・ら ジャポンなのではないだろうか。本作を単に日本文化礼賛と受けとるのは「自衛隊に入ろう」をそのままの意味で受けたるようなものである。あらゆる角度の日本文化を切り取り*1、対象化し横一列に並べ日本の奇怪さ奇妙さを言い表したのだ。

ここら辺の手法をさらに発展させたのが東京事変、そして椎名林檎だと思う。椎名林檎は問題行動も含め一見右翼的に見えてしまうが、そうではない。日本文化*2を切り取って持ってくることによって日本の問題点や奇妙さを我々に投げかけているのだ。


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*1:切り取り=サンプリングは渋谷系の得意技だ

*2:ないしは右翼的思想

優しい時間の中で/田中友紀子【1993】

𝓑𝓪𝓵𝓮𝓪𝓻𝓲𝓬 𝓒𝓱𝓻𝓲𝓼𝓽𝓶𝓪𝓼...

クリスマスソング何にするかの不毛な議論が白熱しつつあります今日この頃。Wham!山下達郎が2021年にもなって毎冬しのぎを削っているとは80年代の人が想像できたでしょうか。JR東海おそるべし。

というわけで、クリスマスソングレビューを久しぶりにいたします...といってもクリスマスソングかスコブル怪しいですが...

 

この作品の入っているアルバム・1/2ダースの想い出のプロデュースは村田和人おどろく方も多いかもしれない。

村田和人といえば山下達郎の愛弟子で、師匠を裏切り今年サブスク解禁されたのが記憶に新しい。


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この通り山下達郎み全開*1であり、山下達郎関連のレコードが高騰する昨今ジェネリックタツローとして彼のレコードも人気がある。

またその手*2の人たちには90年代のガールズポップの諸作でなじみ深い名前のはず。

80年代はムーンレコードから何作かソロを出していたのだが、90年代は打ち込みに苦戦したりソロでパッとした売り上げを出すことができなかったりという状況で、裏方稼業で食い扶持をつないでいたらしい。

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その為、Book Offに漂着した残骸の中に村田和人裏方期の作品が転がっていることがあるのだ。

中でも村田和人ファンの間で有名なものが田中友紀子の「君たちのくれた夏」と「1/2ダースの想い出」。二枚で一セットになっている。*3

 

君のくれた夏はその名の通り夏をイメージしたアルバム。

直球の村田和人節が聴ける、非常にハイセンスな内容になっている。

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特に本作収録のSummer Vacationは本人も相当気に入っていたらしく、のちに竹内まりやと一緒にセルフカバーしたバージョンも残っている。

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こちらはなんかロンバケが凄いアレンジ。

 

夏があれば冬があるわけですが、その冬サイドが1/2ダースの想い出

一応前作の続きということで一曲目は「出会ったあの夏」というワードから始まる。

収録曲はやはりハイセンスなモノに満ち満ちておりどれも一線級のクリスマスソングとして扱えるようなものが揃っているが、個人的には優しい時間の中でを推したい。

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正確無比なコーラス。一人コーラスは山下達郎インスパイアドな人はよくやる芸当だけれど、村田和人が頭一つ抜きんでているのに異論はないはず。

そして曲。完膚なきまでにオールディーズですね。特に最後のベースコーラス。

この手の打ち込み×オールディーズでパッと思い浮かぶのは山下達郎Girl In White*4だけれど、それにSeasons Greetingのエッセンスをまぶしたような雰囲気があって良良良。成功が約束された組み合わせと言ってよいでしょう。

 

また、昨今のリヴァイバル的には所謂「バレアリック」的な解釈も可能なのが高ポイント。*5ティーブ・ハイエットみを感じる瞬間もちょくちょくあるよね。

勿論田中友紀子自身の歌唱力もなかなかのもの。田中友紀子自身による甘々コッテリな歌詞なのだが、さらっと聴かせてしまうのは彼女の声質と歌に依るところが大きいね。

シティポップにおいてはコーラスワークが効いている曲は夏が似合う曲でしょ!なイメージがあるけど、ビーチボーイズやスペクターなんかの古い例を持ち出すまでもなくこの曲を聴くといや本当にコーラスが輝くのは冬の情景を表した曲なんじゃないかと思えてしまう。

 

さて、このアルバムには他にも冬の佳曲が盛りだくさん。届かないX'masなる曲もあるんですが、YouTubeになかったので割愛。やいサブスク解禁しろ!

 

ちなみにファンからそもそも人気があったのに加えてBOOKOFFディガーの魔の手に落ちる例も増えており、ほとんど売りに出されていないのが現状。フィジカルを見かけたらすかさず買ってしまうのが良いかもしれない。

ちなみに僕は某ディガーさんに売ってもらった。ラッキー。

 

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*1:若い頃日本の音楽で聴いていたのは山下達郎だけだったらしい。

*2:主に異常Book Offディガー

*3:五つの赤い風船のNew Sky/Flightのような分割商法

*4:山下達郎で一番攻めてる曲だと思う

*5:二百マイナポイント相当

2021年の新譜で良かったものを16枚並べる記事

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並べます。

年末年始と言えば、帰省、紅白、初詣、そして今年の年間ベストというのは江戸時代からの常識、知らない人はいないでしょう。

そういうわけで今回の記事は今年の洋邦混在年間ベスト15のご紹介です。これは国民の義務であり、最近ボドゲアリーナとToeicの勉強しかしてない僕も書くのです。ええ。

 

※一枚だけ、どうしても入れなくてはということでこの記事公開後に追加した作品があります。

 

16位 Back In Mono-The Courettes

Back in Mono [Analog]

Back in Mono [Analog]

  • アーティスト:Courettes
  • Cargo Duitsland
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まずジャケが最高。思いっきり某ロネッツの某名盤のパロディ。また、アルバム名も弾丸を気軽にぶっ放すことで有名なフィルスペクターの名言"Back to Mono"のもじりだね。

内容もオールディーズチックでウォールオブサウンド。あまりにも50年代の空気感が忠実に再現されており、本当に今年の新譜なのか???と疑問に思ってしまうほど高レベルに仕上がっている。

今年は結構オールディーズ的なニュアンスがある洋楽曲がちょこちょこあったのだけれど、今作はアルバム一枚に渡ってオールディーズに向き合った点で頭一つ抜けている。これから来る(かもしれない)50年代リバイバルへの一つの道しるべを立てたような気がする。


今年の新曲でオールディーズ調なものの例

また、単なる再現にとどまらないところがこのアルバムの偉大なところ。程よく歪ませたギターなどのガレージロック的要素もガールズポップに入れているのである。

僕の先輩のラモーンズ好き曰く「ラモーンズは50年代ガールズポップの影響がある」とのことだが、このアルバムはまさにラモーンズ+ロネッツみたいなことをやっているのではなかろうか。

 

15位 Sphere-Salamanda

Sphere

Sphere

  • Small Méasures / Métron Records
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韓国の二人組ユニット。でっかいトマトを持ち帰る健康的な宇宙人が描かれているジャケが印象的。

このSFチックなジャケなのでサイケデリックorアシッドな音世界が広がっているのかとおもいきや、意外や意外純粋なミニマルミュージックでなんなら自然派と言っても差し支えないような音作りの楽曲たちが揃っている。

本人たち曰く、スティーライヒに影響を受けたとのこと。でもライヒにはない、Mkwajuとかを彷彿とさせる土着的・民俗的な香りが随所から漂ってくる。もしかすると、ジャケに描かれているのは宇宙人ではなく天使かそれに準ずる使者なのかもしれない。


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また単なるミニマルというわけでもなく、音が急に変調したりノイズが挟まれたりと現代的なIDM風解釈もちょこちょこ挟まれているので新鮮に聴けるのも良良良。

 

14位 大土蔵録音2020 - 山田参助とG.C.R.管絃楽団

大土蔵録音2020

大土蔵録音2020

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VIDEOTAPEMUSICのアルバム内での客演でも知られる、山田参助による戦前歌謡のカバーアルバム。♪海はコバルト♪の歌詞で有名な「夏の行進曲」から全く無名な曲まで収録されている。

これの凄いところは戦前の機材を戦前の録音方法で、そしてアルバム名通り戦前に作られた土蔵で録音すると徹底してオリジナルのレコードと同じ録音を目指して作られている点。似たコンセプトの民謡クルセイダーズが全く新しいアレンジで見せているのとは対照的だね。

こう聞くと当時のものそのままだと古臭くなっちゃうんじゃ?と思ってしまうが、今までの録音ではありえない高音質で聴かされると下手な最近の音楽よりも新鮮に聴こえるので不思議。現代のリスナーが無視しがちな戦前歌謡の先進性にスポットライトを当てた点で唯一無二。

問題はサブスクにないこと。今年のアルバムでサブスクにない良作が結構あるのだが、一種の抵抗なのだろうか。

 

13位 The Heart Pumps Kool-Aid - Seth Graham & More Eaze


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こう見えてちょっと斜に構えたクラシカルな歌ものアンビエントアルバム。これほど外見と中身が違う物体に出会ったのは久々である。

Corneliusと青葉市子の「外は戦場だよ」という曲があるが、基本路線としては大体あんな感じ。音は基本的に最小限度にとどめられ「間」を主体としたドローンを主軸にしている。教会音楽っぽい空気感を感じる節々もあり、細かく調べれば宗教音楽由来の要素もいくつかありそうだ。

 

ただこのジャケを採用する人がそれで終わるわけがなく。突然チェロ等のインプロの断片や謎のデスボイスが挟まるなど、ただのアンビエントにとどまらない狂気も忘れていない。アンビエントはある程度の条件を満たせばなんでも許容できる懐の広さが魅力だが、そんなアンビエントの枠組みの広大さを思う存分に使いまくっている印象がある。

また個人的にはシームレスにつながっている箇所がちょくちょくあるという、曲再生が基本の現代としては時代錯誤な構成もイチオシ。しかもそれでいてちゃんとシャッフル再生で聴いても違和感が無いように作られているのは見事としか言いようがない。

 

12位 A Good Fool - Michael Seyer

A Good Fool

A Good Fool

  • Michael Seyer
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LA在住のSSW。Men I Trustのツアーサポートもしているらしい。

フィリピン出身だからか、東南アジアや台湾のインディーっぽいニュアンスを感じる空気感とシンセ使い。しかもそれがアメリカ的な音で鳴っているので、イワユル普通のベッドルームポップとは一線を画すものになっている。落日飛車とか好きな人にはおススメ。

 

また、昨今の三大流行・R&BAORアンビエントを巧みに組み合わせた、なかなかにハイセンスなことをしているのも特徴。ここら辺を取り入れている人もよくいたけれど、どの観点から切り取っても高水準にまとまっているのは流石。そもそも曲自体のレベルも高く、音楽に特段興味のない友人にも気兼ねなく勧められそうだ。

僕はSteive HiettのNever Find The Girlを思い出した。それの現代版と云うのが一番自然かな。


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11位 Close Your Eyes and Sing Me My Dreams - Henry Solomon


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こちらもLA出身、若手サックスプレイヤーらしい。今年は元Vampire WeekendのROSTAMの新譜に参加していたことでも彼の名前が挙げられていた。


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このように他人の曲でもお構いなしにお洒落なサックスを自由奔放に演奏していたが、ソロではそれがさらにさらに楽しめる。

今作は長谷川白紙のような、手数の異様の多い打ち込みドラムが鳴り響くベッドルームジャズともいうべき作品。PV等でVaporwave的意匠を引用しているところからも、そこらへんの影響も抜きにして語れないハズ。

特筆すべきは、手数の多さ故ハイパーポップじみているのだがミックスの妙なのかハイパーポップにありがちなノイジーな取っつきにくさは全くと言っていいほどなくされている点。ハイパーポップの一番おいしいところだけを丁寧に掬いとって提示しており、大変にリスナー思い。ここまで優しい音楽家はなかなかいない。友達になって

これからハイパーポップ入門としてこれを勧める機会が多くなりそうである。それほど良くできている。

 

10位 月の兎はヴァーチュアルの夢をみる - 月ノ美兎


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はい、ご存知VTuber界に多大なる影響を与えたこの方のアルバム。僕は(今や伝説になっている)この人の初回配信を生で見たことがあるので、ここまで来たか...と一種感慨深い気持ちになった。

ASA-CHANG&巡礼、長谷川白紙等々、作家陣が凄いのは言わずもがな。キャラものに豪華作家陣がついたという類似性から00年代初頭のNew Chappieと比較されている文章を何回か見かけたけれど、20年代初頭の文化を示す未来への資料と言っても良い気がするね。


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また凄いのはこれだけてんでバラバラな偉大なる作家陣を一つのアルバムとして提示できてしまう月ノ美兎のキャラ強度である。New ChappieはChappie自体の無個性によって音楽人たちに統一感を持たせていたが、今作は月ノ美兎のパワープレイにより偉大なる音楽家たちがまとめ上げられていると云う彼女以外にまねできない芸当で一作品に仕上がっている。しばらくこれ以上のキャラソンアルバムは出てこなさそうだ。

 

9位 第一集 - わがつま

第1集 [Analog]

第1集 [Analog]

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新進気鋭のSSWの新譜。前からサンクラで話題だったらしい。

飾りなし、純粋なる曲の良さだけで今年のベストに入れたアルバム。これほど曲が良いからこそ、ピアノで弾き語っているだけで成立するのである。ピアノ弾き語りはギター弾き語り以上に曲の良さが必要になるからね。

カネコアヤノや柴田聡子なんかと比べられることが多いような気がしたけれど、彼等より断然ポップサイドなのも特徴。またカネコアヤノが非常にシリアスに歌うのに対し、わがつまは肩の力を抜き、ある種牧歌的ともいえるようなボーカルとメロであるので今までの現行フォークとは全く傾向の違うものとして捉えた方がよさげ。

どちらかというと初期の折坂悠太の空気感の方が近いのかなという気もする。ただやはり折坂悠太ともまた別軸であるので、わがつまは一つの発明をしたと言っても良いかもしれない。


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8位 アトリエの小謡 - 鈴木雄大

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はい。この記事が16枚という半端な数値になったのはコレを追記でねじ込んだためです。この記事投稿直後に聴いたのだけれど、これはどうしても今年のベストに入れるべきと思った。

秋田のトランぺッター・鈴木雄大氏が自身の活動するアトリエ"studio"内で収録したアンビエント&ポストロックなアルバム。アンビエントよろしくそのアトリエの空気感がパッケージングされており、ヘッドホンよりもステレオで聴きたい。

「アトリエ」というだけあって音楽以外の芸術家も多くいらっしゃるようで、楽音以外に後ろで彫刻を削っている音やろくろの回転する音等の非楽音も入っている。そういった非楽音を含めたアルバムということで、どこか石原洋のformulaを彷彿とさせる作風。


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しかしながらformulaが都会の喧噪を主題としたのに対して、田舎の静けさ異種芸術の交差に焦点が当たっているのが特徴的。またこれを紹介してくださったレコ屋の店主さん曰く日によって聴こえ方が変わるとのことで、よりナマモノに近いものである気がする。

販売方法も独特。通販・店頭販売のみなのにCDはなく、各曲をイメージした紙にサンクラのダウンロードコードのみがついているという仕様。いかにもCDが入ってそうなパッケージにただ絵しか入っていないのは斬新すぎる。

7位 Sturle Dagsland - Sturle Dagsland


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今年のどうせみんな入れるやつ枠。他にはbetocover!!、そしてPrannoul。これ読んでる君もどうせどれか入れているんでしょ。

この記事でもたびたび言っていたかもしれないけれど、民族音楽的な要素をどのように入れるかという昨今の命題に一つの答えを出したのがコレ。この作風で真っ先に思い浮かぶのはArcaだけれど、ある種未来感のあるArcaに比べてこちらは土着の民間信仰の儀式のような土臭さがプンプンする。

もちろんArca的な未来感もあるので内容と楽音にズレができ、不可思議なニュアンスになっているような感じ。こういう点は大滝詠一的なノヴェルティ論が使えそうだ。宇宙人の実験材料にされて異形化したレッツオンドアゲイン見たいな風もする。これを聴いて難しく思った方はノヴェルティソングとして捉えると分かりやすいかもしれない。

あとこれ30分ないんですね。昔King Gnu初めて聴いた時も思ったけれど、最近の音楽は密度が高い。

 

6位 Pájara - Clara Presta

Pájara (RCIP-0324)

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アルゼンチンのSSWの新譜。去年アルバムが話題になっていたRodrigo Carazoも協力しているらしい。今作も、前にこのブログでも紹介したCarlos Aguirre Gruppoのようなフォルクローレ

大きな特徴として、多種多様なフォルクローレを取り入れている点がある。フォルクローレと一口に言ってもアルゼンチンは勿論、ブラジルのミナス派の人がやるのようなものから「コンドルは飛んでいく」のようなアンデス系まで様々。それをこのアルバムでは客演等を駆使して一つのアルバムに落とし込んでいる。意外と今までありそうでなかったコンセプト。

また、ただの良いフォークに終始しないのもアルゼンチンらしい。つづれ折るように同じフレーズが輪唱していくのはポストロック的な感性も感じさせ、アルゼンチン音響派にも多大なる影響を受けているのもよみとれる。現代フォルクローレの新スタンダードを示す意図があったのかもしれないね。

 

5位《水を掬えば月は手に在り》《FOUJITA》 - 佐藤聰明


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日本を代表する現代音楽家、佐藤聰明が近年携わった映画音楽二つをまとめたサントラ。前半の「水を掬えば月は手に在り」は中国のドキュメンタリー映画、後半の「FOUJITA」は日本の小栗康平の映画かららしい。

佐藤聰明といえば名盤と言われるのは太陽讃歌。これはピアノによる短いフレーズをディレイしていくミニマムミュージック。


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今作のジャケも太陽讃歌に似ているが、中身は全くミニマムではなくむしろ東アジアの音楽をどのようにして自然なオーケストラにするかという題目で作られている。

「水を掬えば月は手に在り」は監督の意向により杜甫の詩を参考にして作曲しているらしいのだが、中国のみならず和な邦楽要素もたっぷり。佐藤聰明は邦楽器を使って作曲するのに長けており、今作でもその邦楽器遣いを堪能できる。中国映画なのに...

FOUJITAは日本映画なのに逆に邦楽器は使わずオーケストラだけで勝負。おい、と誰しも思ってしまうが、こちらでは佐藤聰明の売りの一つ「無音を聴かせる」オーケストレーションを堪能できる。

昨今のサントラ盤でもかなり良い出来のもののはず。個人的には地元の仙台フィルを使っているのが嬉しい。

 

4位 Silence/Motion-Blackwater Holylight


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今回のベスト唯一のハードロックかつメタル。活動歴は長いらしく、今作は4thになる。

サウンド的にはサイケデリックドゥームメタルであるのだが、女性ボーカルの方の力が抜けきっておりまるでシューゲイザーのようなことになっている。しかもそのボーカルと一緒に時折デスボイスも炸裂するので、一体これは何なのだ・・・?という気分になること請け合い。

ドゥームメタルシューゲイザーの親和性についてよく議論がなされてきたが、ちゃんと実践し、ここまで高水準でまとめ上げたものは聴いたことがない。メタルというと他と比べて硬直したジャンルの印象があったのだが、これはあまりにも新鮮。考えを改めねばならない。今後この手のメタルバンドが増えることを願ってこの順位。

SleepとPixiesが一緒くたになった不可思議音楽を是非聴いてみよう。

 

3位 Doll's Love Songs - Boys Age

 


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Bandcampには去年の暮れに来ていたのだが、配信開始は今年なので今年のベストに入れた。著名な宅録作家のフルアルバム。

NieRシリーズのような退廃SFチックな世界観をローファイなシティポップ要素を用いてコンセプトアルバムで表現したアルバム。普通に曲のレベルが高いのはもちろんのこと、今の時代にコンセプトアルバムを出す意義、かすれた合成音声を使う必然性を持たせるコンセプトなど様々な点で画期的な作品。

長谷川白紙等の前衛を攻める宅録作家が多い中、あからさまに前衛狙いではない宅録ポップスがどうあるべきか答えを出した貴重な作品

ブログ記事にもしてあります。

epocalcgarage.hatenablog.com

 

2位 Searching for the Disappeared Hour - Sylvie Courvoisier & Mary Halvorson

Searching For The Disappeared Hour

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ギターとピアノによるアヴァンジャズ。恐らく即興演奏。

両者特殊奏法は当たり前。水に潜った時のような音を出すギターやミニマムなピアノフレーズが頻出し、洋館の廊下の不気味な深夜が想起させられる。ベートーヴェン「月光」の露骨な引用もあるしね。*1

ギターもピアノも一定のリズムを曲の最初から最後まで保つことはなく、互いに最も遠い位置を目指して演奏しているような印象さえ思えるほどズレにズレまくっている。が、決してバラバラではないのが不思議。なんなら夜のBGMとして実家で流してもあまり問題ないほどに聴きやすい。

とあるレビューでガラスの破片のようなアルバムと表現していたが、まさにそんな感じ。トゲトゲしさと美しさの共存が、このアルバムには内包されている。

またこの手の前衛ジャズアルバムは概して聴きにくかったり非音楽ファンには勧めづらい節があるのだが、これはその点もちゃんとクリアしてくれている。そんなアルバム滅多にないので高順位。

 

1位 心眼銀河 - 志人

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はい、今年のベストはこちら。志人の心眼銀河。日本語ラップの名MCの新譜。今年は絶対的名盤と言えるものが少なかったように思えたけれど、今作については頭一つ抜けていたように思う。

とりあえず以前記事にしたのはこちら。

epocalcgarage.hatenablog.com

この後これを聴いているうちに、これは一種のModern Timesへの返答なのじゃないだろうかと思ってきた。Modern Timesは2017年のPUNPEEの1stアルバムで、既に日本語ラップの名盤と言われている代物。


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これが出たときの評は次のようなものであった。

・様々なサブカルからのサンプリングを一つのテーマで回収した統一感

・隠しトラックなどのフィジカル面の仕掛け

・新しいヒップホップの立ち位置を確立した意義

心眼銀河は、Modern Timesに似た構造をしている。

例えば、心眼銀河はサブスクで配信されていない。一見不便だが、これはには大きな理由がある。それは届くときに分かるのだが、ネタバレになってしまうのでここでは伏せておこう。フィジカル要素が届くとき(=聴取直前)に分かるのは、Modern Times隠しトラックや小ネタが聞いた後の体験になるのと対になる。また、アルバムに関連する詩集などの作品もあり「フィジカルで出す意義」を意識しているのが伝わってくる。

また内容も古典文学から引用する彼の得意技は勿論、ラップの仕方も声明のようなものから文化系ラップのようなものまで、トラックもYAMAHAの機材を用いたパソコン音楽クラブ的アプローチをしている等々、様々な新旧日本文化を模したものになっている。それらを「心眼銀河」なる一つの哲学でまとめ上げているのじゃなかろうか。

さらに京都の山奥で木こりをしながら感じたであろう物事を記述していくスタイルは、享楽的な未来像への警鐘をならしたModern Timesとは別ながら似たストイックさがあるね。ヒップホップのみならず、文化のオルタナとして機能しているように思う。今までの志人の活動の集大成ともいえるかもしれない。

心眼銀河はModern Timesを真摯に受け取りつつ、それとは違う未来観を提示しているように思う。本当に輝ける未来とは、遠い田舎のような懐かしいものなのだ。その未来への澪標が心眼銀河に示されている。

 

 

今年は総じていかにして既存のジャンルから脱出するかというテーマがあった気がする。そろそろVaporwaveに次ぐ新しいジャンルの発見が必要になってきたころかもしれないね。

ここに入らなかった良いアルバムも多々あったので、是非こちらも参照してみてください。

epocalcgarage.hatenablog.com

*1:𝙱𝙸𝙾𝙷𝙰𝚉𝙰𝚁𝙳

2021年年間ベストに入れたかったアルバム

f:id:EPOCALC:20211128200224p:plain

供養、供養♪

そろそろ各音楽アカウントから今年のベストが出始める季節。

僕も今年の一月一日に「2021Best」のプレイリストを作り、一年間にわたってそこに聴いた音楽を適宜ぶち込んだりぶち抜いたりして計15枚選んでいます。

が、15枚のみに絞るという条件でやっているので泣く泣く2021ベストから抜いたアルバムも数多あるわけです。

ベストに入らなかったからと言って言及せずにいるのも勿体ない...!

...というわけで、今回は2021ベストに入らなかったけど良かった新譜の供養になります。

 

tamayura - 玉響

tamayura

tamayura

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ラウンジジャズ。Amazonのオススメ機能で妙に推されたので買ってみたら、異様にレベルが高かった。

基本的にはTake Fiveといったスタンダードのカバーで構成されているのだが、正直ある程度聴かないとカバー曲と気づかないほどにまで過剰に編曲されている。編曲の方向性も昨今再評価が進む日本のアンビエントジャズを彷彿とさせ、五臓六腑に染みわたる。

数曲入っているオリジナルもそれらのカバー曲と遜色ない出来。可能であれば岐阜とか長野あたりの森の中で聴きながらキャンプしたい。参加者募集中。

問題はサブスクにない上、Youtube等でも試聴できないこと。

その為かこれについて言及している人は殆どいなかったように思う。これが忘れられてしまうのは勿体ないよ~

 

Good Timing - Adeline Hotel

Good Timing

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ほぼアコースティックギターアルペジオのみによるインスト作品。

そう聞くとアンビエントとかポストロックとかなのかな~と思ってしまうが、確かにその二つのような場面も多いもののそのどちらでもない。どこかで聞いたことあるような気がするのにジャンル不定という奇天烈な音楽性である。*1

これを聴いているとロマネスクみたいなフラクタル模様が頭に浮かぶ。これらのアルペジオは即興演奏らしいのだが、似たフレーズが手を変え品を変え次々に立ち現れる様は数学的な美的センスを感じる。風に吹かれているようなちょっとした爽やかさもあるね。

空を舞う新聞のようなジャケも印象的。知的かつ開放的な音楽性をよく表しているように思う。

 

ギタリシア - 浅井直樹

浅井さん!すみません!ベストに入れてないです!ごめんなさい!

このブログに多大なる貢献をしていただいた浅井直樹さんの新譜。

再評価著しい一作目のアバ・ハイジが30年ほど前であったため、奇跡の2ndといわれた。発売時にはちょっとした話題になっていた。

アバハイジのサイケ感は保ちつつも、よりクラシカル&オーセンティックな音楽性の楽曲が多いね。あと自主制作だった一作目と比すると、編曲に相当力が入れてあるのが嬉しい。

ちなみに今年一番聴いた曲はこのアルバムの(Let's sing a) Singer-Songwriter's Songです。全ての音楽好きに刺さる内容。皆聴いてみよう。

 

From Me To You - Quadeca

弱冠20歳・期待のラッパーのメジャーデビュー作。ラップ以外にもコントや実況動画をネットに投稿している、一種のYoutuber的な人物であるようだ。

僕とも年齢が近く*2、同様にナーディーな人物であるためか個人的に受け入れやすい音楽性。ジャケは白黒だが、色彩豊かな楽曲群が揃っている。

またトラックも凝っているのが高評価。割とラップの迫力で押し通しがちなヒップホップにおいて、トラックだけでも十分凝っているものの上でそれと同レベルのラップを繰り出されるとひれ伏すしかなくなる。トラックとラップのバランス感覚も絶妙。

個人的には海外ヒップホップの中ではこの数年の中でも良かったものの一つ。本当にベストギリギリで落としてしまった。恐らく他の方の年間ベストでも相当見かけることになるハズ。

 

Ophilia - Psychic Mirrors

psychicmirrors.bandcamp.com

新人ファンクバンドのデビュー作。

Zappを彷彿とさせる80年代風のファンキーさや打ち込みといった昨今のブームに呼応しつつも、50-60年代オールディーズの要素を要所要所に取り入れているのが画期的。壮大なオールディーズ調の曲から静かなベッドルームポップにしれっと移行していくのはちょっとした感動を覚えてしまった。これからどう向かうか考えあぐねている音楽界にオールディーズという新提案をしている新譜がいくつかあったが、その中でも良い出来の一つ。

ただ、ちょっと長くてまとまりがなかったのが難点。その為将来コンパクトなアルバムを発表した際は話題になるはず。注目しておこう。

 

beautiful days - Belinda May

beautiful days

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  • Belinda May
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名古屋のインディーポップバンドのEP。ジャンル的にはドリームポップになるんですかね。

ただただ曲の良さ一本で勝負をかけるパワータイプのバンド。そしてこれも曲の良さだけで今年のベストに入れたくなる魔力を放つ。

何より一曲目のeveryday in loveが馬鹿みたいに良い曲。何を食べたらこんな曲を作れるようになるのか教えてほしい。

全体通してもかなり良かったのだが、一応シングル扱いなのでベスト「アルバム」からは外しました。年間ベストトラックを作るなら上位にくる。

 

City Slicker - Ginger Root

City Slicker

City Slicker

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これもかなり話題になっていたよね。アメリカ発シティポップ。

二曲目のLorettaがキラーチューンであり、竹内まりやがラジオで流すなど日本国内での反響も大きかった。将来的にも現在のシティポップブームを象徴する曲として認識されそうである。


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ただ、EP全体として見るとやや迫力不足だったかもしれない。こちらも年間ベストトラックを作るならかなり上位にくる。

 

Destiny Waiving - Ulrich Schnauss & Mark Peters

ギター主体のアンビエント

ギターでアンビエントというと比較的自然派なものが多いように思うが、このアルバムは珍しくクラブ向きの作風。ちゃんとドラムも入ってくるし、ベースラインもうねうねしている。

現代風にチューンアップされたアシュラテンペルという感じの趣。都会派な雰囲気の中にクラウトな部分が見え隠れする。La Dusseldorfとか好きな人とかにはオススメ。

アルバムジャケットのように、夜の高速道路をかっ飛ばして聴いたら気分爽快なことうけあい。ベストには入らなかったけど、今後も何度か聴き返すことになりそうなアルバムだ。

 

Crying Silence - Yandere

Yandereの死ぬほど良すぎて眠れないEP。

Yandereは京都にいると自称する謎のトラックメイカーで、ポストインターネット的作風が持ち味。メロはインディー風*3なものの、たまに入る手数の多いビートなどにナードコア文脈を感じさせる。ジャケもどこかから拝借したのか自分で描いたのか、アニメ絵ばかり。

先日発表されたこのEPは彼女(?)の一種の到達点と言っても良いような内容。イントロ然としたアンビエントから始まり、その後の歌ものをじっくり聞かせる構成になっている。

多分にVapor的な感覚があるものの、2000年代のプラスティックな空気感を熟成し、20年後の今に配送してきたのかと思うほどに2000年代風。近いうちに巻き起こるであろう00年代リヴァイバルの予感を感じさせる作風になっている。

またEPの構成も三曲のみながら過不足の無い完璧な構成になっており◎。今後に期待大。

 

 

今回Apple Musicのライブラリを見直してみたのだけれど、新譜を思ったほど聴いていないらしい。

結構頑張って聴いたように思うのだけれどまだまだの模様。精進します。

*1:名前はジムオルークのGood Timesのパロディなので、ポストロックを意識している部分は多いかもしれない。

*2:一つ年下

*3:空気感含めちょっとGuitarっぽい

ⒸEPOCALC