EPOCALC's GARAGE

本州一下らない音楽レビューブログ

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さよなら!Recofan渋谷

なくならないで!

さよなら!街の恋人たち

さよなら!街の恋人たち

 

 

 今年6月に走った衝撃。RECOfan渋谷Beams店の閉店の報だ。

 

 そう、あのレコファンだ。期間限定セールを年中やっているあのレコファンだ。

五枚買うと1000円くらい安くなるクーポンをたまに配っていたあのレコファンだ。

 閉店セールも年中やってもらって延々と続けてほしいところである。

 

皆さんもそうだろうが、渋谷のレコファンにはかなり思い出があり、

高校時代にも東京に行ったら必ず行ってそこで買い物をしていたし、

ここ最近もよくレコードやよくわからんCDを探しに来ていた。

 

いや~~~、にしてもこの閉店は痛い。

レコファンHMVルノアールタワレコ→えちごやミュージック 

の順に回ることで渋谷散策ロイヤルストレートフラッシュが完成するのは周知の事実だが、

このうちの一番大事なカード・レコファンが無くなるともう渋谷に行く気が起きない。

 もう我々にはHMVタワレコ→白山眼鏡店渋谷小三元しか残っていないのか・・・

 コロナヴァイラス許すまじ。

猶予はもう一か月ほどらしい。みんな急げ!

 

 

 

 今回はレコファン渋谷哀悼編・ここで買った思い出に残っているアルバム特集です。

 

 

Prego!'99 Camp-Master

PREGO!’99 CAMP [12 inch Analog]

PREGO!’99 CAMP [12 inch Analog]

 

 トラットリアのコンピ。

これは本当に内容が良く、万人に勧めたいアルバムで今も先輩に貸している。

これと僕との邂逅はレコファン新着邦楽CD棚。

行った人しか分からないと思うが、あの棚は手前にCDをパタパタしやすくなっていて

行くたびに家に一つ欲しいと思っていた代物だ。*1

当時渋谷系をリサーチしていた僕がその棚をパタパタパタパタしていると

コレを発見し、citrusNova Musichaなんかと一緒にレジに持っていたんだと思う。

ピッツ・アー・ザ・ピッツ(25 ゴールド=レア=デブリス 1992-2000)

ピッツ・アー・ザ・ピッツ(25 ゴールド=レア=デブリス 1992-2000)

  • アーティスト:citrus
  • 発売日: 2009/01/21
  • メディア: CD
 

 

内容としてはFantasma~Pointの間にかけての渋谷系作品集。

渋谷系最初期並の激動の時代だったはずだ。

内容もポップスからオルタナ、前衛風の曲まで様々。

ギターポップから始まった渋谷系がここまで多様化したんだという感慨と

それでもなおこのコンピ内で統一された空気感があり、

それが渋谷系」の共通項なんだなあと思える一枚。

 

 ID/Equipe84

ID(紙ジャケット仕様)

ID(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:エキペ84
  • 発売日: 2007/08/08
  • メディア: CD
 

 地方にはプログレなどというマイナーなジャンルのCDは中古屋には滅多に置いておらず、

ましてイタリアのものなんか新品でさえ売ってない有様。

...のはずなのだがその手のマニアがうっぱらったのか、

何故かbookoffにイタリアンロックが数枚転がっており

そこからイタリアのプログレは良い!ということを知った。

 

しかしそこで売っているのも限られた僅かなもので

他を買うには割高なインターネットショッピングくらいしか手立てがなかった。

*2 

 

で、東京旅行中に発見したのがコレ。

まだプログレがイタリアで成立する前のアルバムで内容的にはサイケに近いのだが、

その後のバンドとの関係性でプログレ枠に収まっている人たちである。

これはもうね、当時どこにも売ってないものの一つであったから

見つけたときは下手な怪談話よりビックリした。

 

Free/Free

Free

Free

  • アーティスト:Free
  • 発売日: 2005/07/12
  • メディア: CD
 

 

僕は大抵ジャンルとかレーベルとか見て買っているが、

たまには完全なるジャケ買いも良いものである。

そう、これはレコファンジャケ買いしたものの内の一つ。

このハードル走する星座みたいなジャケットがカッコよいので

気になって買ってみたのである。

このフリーというバンドはイギリスでは伝説的なバンドで

ハードロック好きには超がつくほど有名らしいが、僕はその界隈ではないので知らない。 

やはり有名なだけあってかなり良い内容でとても好き。

ちなみに後期には日本人がいたらしい。ダモ鈴木みたい。

 

 

さあ、皆も足しげく通ったであろうレコファンあと一か月足らずで店じまい。

閉まる前に一回行っておかなくちゃね。

他にもライブハウスなんかもバタバタ閉店していると聞く。

一度も行ったことないのに!行ったことない完全なる部外者ながら悲しくなる。

いずれ平和になったら復活してほしいものである。

 

*1:二列同時にやるのがコツ

*2:注意、地元にディスクユニオンはない。念のため。

VITAMIN EPO/EPO【1983】

No CALC, Yes EPO

ビタミンE・P・O

ビタミンE・P・O

  • アーティスト:EPO
  • メディア: CD
 

まずおしらせ。このブログ、もうすぐ一周年です。やったね! 

 

ただ、計算すると一週間に一回以上のペースで更新してきているので

さすがにこのブログのネタが切れて来た。

どうしようかなー方向性変えてボードゲームMtG*1のブログにすっかーなんて思っていたこの頃、

思いがけないニュースが飛び込んできた。

J-POPの祖とも称されるあのEPOの初期作が配信解禁になったそうだ。

www.phileweb.com

 

これはめでたい。

そして僕のHN・EPOCALCの直接の元ネタは大昔の表計算ソフトの名前なのだが、

この方EPOをイメージして付けた部分もかなり大きい。

これはレビューしない手はない。

 

 

EPOというと、古い歌謡曲を小学生の時分から好んで聴いてきた僕にとっては超超どメジャーな歌手なのだが、

最近だと比較的シティポップ等に精通している友人さえもあんまり知らない。

ちょっと悲しい。

 

EPOこと栄子*2さんは高校時代に組んだバンドがあるコンテストで優勝したところから音楽の道に進んだらしい。

ちなみに初期は大滝詠一作のCM曲を歌ったりしている。

大きいのが好き(with EPO)

大きいのが好き(with EPO)

  • ラッツ & スター WITH EPO
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 上のクレジットにもあるけど、コーラスがまだ有名じゃない頃のラッツ&スター

大滝詠一のA&R能力値はカンストしていると言われている。

 

で出した1stシングルはシュガーベイブの名曲Down Townのカバー。

DOWN TOWN

DOWN TOWN

  • EPO
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

良い曲なので然るべきプロモーションをすればヒットしない訳がありませんね。

このカバーは「オレたちひょうきん族」のテーマソングになったらしく、

僕の両親はEPOといえばひょうきん族というイメージがあるらしい。

そしてあまり音楽詳しくない人にはDown TownはEPOの曲と認知されるほどだったそうな。

 

この曲もなかなかのヒットだったが、それを凌ぐ特大ヒットをぶちかますことになる。

それが、VITAMIN EPO収録の「う、ふ、ふ、ふ、」。

 

う、ふ、ふ、ふ、

う、ふ、ふ、ふ、

  • EPO
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

みんなしっているね。

 資生堂のキャンペーンソングとして作られたもの。

当時の化粧品会社のCMソングは必ず流行ったというが、それを考えてもかなりのヒットを記録したらしい。

太刀打ちできたのは一風堂くらいか。

すみれ September Love

すみれ September Love

  • provided courtesy of iTunes

 

しかし恐るべきポップスセンスであり、古びてない。あと電波ソングっぽい。

今でもよくCMソングに使われるほど。

この二曲でEPO竹内まりや大貫妙子に並び称される存在になる。

 

しかしながら、当時のEPOは周囲から期待されるポップスシンガー像を重荷に思っていたそうで、

VITAMIN EPOにはそれへの反発が確かによく見てとれる。

 

まず表題作のVITAMIN EPOから結構やっちゃっている。


EPO VITAMIN E・P・O

まあ普通の80年代ポップスだなーとか思っていると、サビがスキャットで不意打ちを食らう。

当時はサビが今よりさらに重きを置かれていただろうに、

サビ部分に歌詞を当てはめないというのはかなり斬新なことだっただろう。

 

次の土曜の夜はパラダイスも同時代のポップスの語法を使いながらも小ネタが光る。

www.youtube.com

間奏時に一瞬スキャットが入るのだが、

そこで四小節×2の8拍を5-1.5-1.5で割るという変態じみたことをしている。

似たことを大滝詠一もやっているが、それはまだ3-3-2と3-2-3の組み合わせなのでまだ穏やか。

ムーチュ

ムーチュ

  • 大滝 詠一
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 半拍で割る譜割は当時としては異端だったに違いない。今でも結構変である。

こういう発想を当時最大のヒット曲の一つと同じアルバムで出すのだから、

なんだか変な人だなあ、と昔の僕は思って名前を拝借したわけです。

 

その後のEPOはロンドンへ移り住み、そこでブラジル音楽に傾倒。

カッコいい曲も残している。

www.youtube.com

 

もちろん、80年代全盛期の作風も健在で

あの土岐麻子Gift 〜あなたはマドンナ〜EPOの曲だったりする。

www.youtube.com

でも80年代に比べるとちょっとブラジル音楽とかシャンソンの風味が入っているね。

ただの名曲だけど。

 

ちなみにEPOライブも結構変らしく、

胎教*3したり自作の童話を読み上げたりするらしい。

なんだか素直そうに見えてやっかいな優等生という感じである。

そういうタイプの生徒、絶対教えたくない。

 

*1:元祖トレカ、マジック・ザ・ギャザリングのこと。最近ハマっている。

*2:この名前をもじって、子供のころからエポちゃんと呼ばれていたらしい。

*3:妊婦の精神を安定させて赤子に良い影響を与えることだそうだ。ちなみにWikiで調べたら要出典の嵐。

この前選んだ邦楽30選小レビュー

趣味趣味音楽30枚 

 先週末、Twitter上でちょっとした旋風を巻き起こしていた催しがあった。

 

 

 JMX氏主宰のみんなで邦楽Top100をきめるというイベントである。

このブログでも名盤ランキングをやったが、

バーコードバトラーで決めるというアホな決め方をしたので

ちゃんとしたランキングをこの際作っておこうかな、と思って参加させてもらっていた。

で、そこから数日の間に伏見瞬をはじめとして結構有名人まで参加するかなり巨大なイベントに化す。

この人出てきたときはビックリした。

結局計180人分ほどのデータになったそうだ。

180×30で総数5400の集計データである。

これだけの膨大なデータを一人で集計するため、

100選を出すにはまだ時間がかかるそう。

さらにこのブログのネタも切れ気味になっていたので

僕が30選に選んだアルバム群をこの記事では紹介させてもらおう!

 

 

30位 ぱんださんようちえん-再生ハイパーべるーヴ

booth.pm

おい初手からヤバいのぶっこんできたなとお思いでしょうが、

これは前に電波ソングbot氏から教えていただいたもの。

その通り、頭から終わりまで電波ソングまみれの一枚なのだが、

自由奔放さは他の追随を許さない。まだ電気グルーヴの方が大人しいまである。

いまでもその手の名盤として認識されているらしく、

同人アルバムには珍しく再発までされているのだが

なかなか中古で安く転がっていない。

個人的には21世紀日本版Trout Mask Relicaだと思っている。

 

29位 溶けだしたガラス箱-吐痙唾舐汰伽藍沙箱

 

五つの赤い風船×ジャックス×URCが中心となり、

バックには加藤和彦細野晴臣竹田和夫までいるという

70年代音楽界役満みたいな人選で作られたアシッドフォークの名盤。

五つの赤い風船はなんだか売れ線フォークだったイメージがあるかもしれないが

巫olk脱出計画というまことにサイケなアルバムも出しており

かなりアングラ色も濃かった模様。というかバンド名が普通に狂っている

そこでの経験をさらに昇華したのがこのアルバムのようだ。バンド名さらに狂った

五つの(ryのサイケ感やコーラスワークはもちろんのこと、ジャックスの脆さ、

さらにはバックメンバーのおかげでクルセダーズやはっぴいえんど、クリエイションのロック感まで一緒くたになっており

70年代初頭時点での邦楽ポップスの総括的な盤でもある。

 

 

28位 東北新幹線-東北新幹線

THRU TRAFFIC

THRU TRAFFIC

 

 再評価著しく、最近サブスク解禁までされたシティポップ影の名盤。

シティポップはなんだか元気なイメージがあるがこちらは比較的ダウナー

以前レビューしたので詳しくはそちらをどうぞ。

僕は東北人でもあるので妙な愛着がある。

epocalcgarage.hatenablog.com

 

27位 銀河鉄道-銀河鉄道

銀河鉄道

銀河鉄道

  • アーティスト:銀河鉄道
  • 発売日: 2002/01/23
  • メディア: CD
 

 70年代の高校生バンドの唯一作。*1

これの凄いところは作風がほぼ完全に初期サニーデイ・サービスなのである。

当時としてはかなり先進的なことをやっていた人々に違いない。

また、サニーデイ・サービス自身もほとんど70年代に近づくことができていたこともこれで示される。

彼らがそのまま続投して音楽界に本格的に乗り込んでいれば

日本の音楽的水準はとんでもないことになっていただろう。

 

26位 平成-折坂悠太

平成

平成

  • アーティスト:折坂悠太
  • 発売日: 2018/10/03
  • メディア: CD
 

昨年のCDショップ大賞受賞作。

最近のフォークだと、前衛音楽や打ち込みなど新しいものを取り入れる感じがするのだが

この盤ではもちろんそれは取り入れたうえであくまで演歌や民謡をベースにしており、

しかも散らからずにきちんと全部まとまっている。

大滝詠一の発言に「もう演歌はポップスとしてお払い箱なんだよ」と言うものがあるが、

 このアルバムのせいで息を吹き返してしまった。

大滝詠一でさえ読み切れなかった名盤である。

ちなみに折坂氏のフェイバリット・ソングはズンドコ節だそうだ。予想通り過ぎる。

 

25位 新月-新月

新月

新月

  • アーティスト:新●月
  • 発売日: 2016/03/25
  • メディア: CD
 

 ジャパニーズ・プログレの名盤。

プログレはその土地その土地の民謡を参照することがまあまあ多いのだが、

それを日本でやると前述の折坂悠太になってしまうので

あんまり日本のプログレでは引用せず、海外クラシックを参考にしている感がある。

そのなかで新月のこのアルバムだけは妙に和風なのである。

一曲目の鬼なんて完全に日本の冬の情景が目に浮かぶし、

インスト曲もヨナ抜きじゃないのにどこか和風なのである。

良く分からない技法によって成立している、謎の名盤だ。

 

24位 The Timers-The Timers

ザ・タイマーズ

ザ・タイマーズ

  • アーティスト:THE TIMERS
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: CD
 

 キヨシローの覆面バンドの1st。

ここまで反骨精神むき出しのアルバムはそうそう日本でみれたもんではない。

詳しくは下の記事をどうぞ。

epocalcgarage.hatenablog.com

 

 

23位 エアにに-長谷川白紙

エアにに

エアにに

  • アーティスト:長谷川白紙
  • 発売日: 2019/11/13
  • メディア: CD
 

 去年出たばかりの作品。

だけれど結構な人数これを30選に選んでいるのを見るに、ランキングに入ること間違いなしであろう。

例によって音楽理論ゴリゴリなのだが、比較的ポップにまとめられている印象。

そのバランスが良いので皆選びたがるのかもしれない。

あと、個人的に長谷川氏の知り合いが周りに割といるので

いつか出くわすんじゃないかと心配している。

だって、彼は絶対物腰柔らかそうに見えて裏で何考えているか分からないタイプの怖い人じゃないですか!

 

22位 My Lost City-cero

My Lost City

My Lost City

  • アーティスト:cero
  • 発売日: 2012/10/24
  • メディア: CD
 

 Ceroの名作と言われているのは断然3rdの方だけれど、

僕はこっちの方がお気に入り。

他のCeroの曲とは毛色の違う、元気な曲が多いのが特徴。

でもその中に見え隠れする東日本大震災を彷彿とさせる歌詞明るいのだけれど不穏で狂った雰囲気が大好き。

先述の通り、東北人なので先の震災にも巻き込まれているのだが、

当時の町の様子はこのアルバムのような、妙な陽気さに包まれていたことを覚えている。

暗いシーンで明るい音楽を流す、という手垢のついた映像の手法があるが

あの震災の記憶ほどこのアルバムが似合うシーンはなかなかない。

 

21位 ライブ-村八分

ライブ

ライブ

  • アーティスト:村八分
  • 発売日: 2014/10/15
  • メディア: CD
 

 伝説の京都のバンド唯一の公式アルバム。

バンド名が村八分だし、メクラなど普通に差別用語を用いていくなど、

今やったらバッシングがやまないであろうバンドである。

パンク・ロックを世界でも最も早く実現したバンドとしても知られ、

Charがセックス・ピストルズを聴いて「村八分と同じじゃん」と言ったことも有名。

あと、これは僕の偏見だが、はっぴいえんど好きはひい、ふう、みい、よ

頭脳警察好きは謎の宣言村八分好きは客の罵倒から演奏を始める。これは間違いない。

 

20位 海風-風

海風(紙ジャケット仕様)

海風(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 発売日: 2013/05/08
  • メディア: CD
 

 かぐや姫の元メンバーがやっていたバンド。

なのだが、フォークだと思った?残念シティポップでした!!!

しかもシティポップといってもかなりR&B的なものでカッコイイ。

母親の友人が昔このバンドのコピーバンドをやっていたらしく、

それ故小さいころからこれをよく聴いていた。

再評価してほしいバンドの一つ。

 

19位 一触即発-四人囃子

 日本のプログレはここから始まった!伝説の四人囃子1stアルバム!

...あ、上は今妄想で作ったアルバム帯です。

内容も当時の海外レコード会社に胸を張って提出できるレベルで

海外の潮流をよくここまで短期間でかみ砕いて自分のものにできたなあ、とこれを聴くたびに思う。

よく聴くとプログレ以外のリファレンスもちょこちょこ混じっているので、耳を澄まして聴くこと推奨。

 

 18位 MAP-group_inou

MAP

MAP

  • アーティスト:group_inou
  • 発売日: 2015/07/01
  • メディア: CD
 

 妙なラップと妙なトラックのユニットの最終作。

このユニットを偶然知った時はまだほとんど最近の*2日本の音楽を聴いておらず、

それ故とんでもなく衝撃的だったように覚えている。

結局知った直後にこれを出してじきに解散してしまうのだが、

最終作のこれが一番きれいにまとまっているような気がする。

名盤と言われるのは初期作なことが多いが、

最終作まで進化しつづけることできたのは稀有だと思う。

 

17位 Splash-Citrus

スプラッシュ

スプラッシュ

  • アーティスト:シトラス
  • 発売日: 1999/02/01
  • メディア: CD
 

EPとシングルしか出さない宅録バンドで最長収録時間のEP。といっても15分だけど。

収録されている曲はcitrusのキャリア中でも名曲といえるものがそろっており

短さも相まって気付いたら終わってしまっているのが悲しい。

また途中で挟まる謎の語りが滅茶滅茶に面白く、

初めて聴いたとき、電車の中で笑い転げそうになった。

 

16位 All Vacation Long-Pictured Resort

ALL VACATION LONG

ALL VACATION LONG

  • アーティスト:PICTURED RESORT
  • 発売日: 2016/08/10
  • メディア: CD
 

 今回の30選の中で一番趣味趣味で選んだもの。

大阪のシンセ・ポップバンドの1st。

シンセポップと言っても、その実ジャケの通りのシティポップであり、

しかも全曲大名曲という奇跡的な一枚。

現在もシティポップ最高峰バンドとしてファンも多いが、最近の作品から思うに

渋谷系から変容したフィッシュマンズの如く彼らも別の何かに変化していくんじゃないかと感じている。

 

15位 Susuto-菊地雅章

ススト(期間生産限定盤)

ススト(期間生産限定盤)

  • アーティスト:菊地 雅章
  • 発売日: 2016/04/27
  • メディア: CD
 

和製エレクトリックジャズの大名盤。

マイルスに「俺以上に俺のことを分かっている」と相棒か恋人にしか言わないセリフを言わせた人物の真骨頂。

ミニマム的な音楽なのだが結構激しく頻繁に拍子やテンポが変わる、楽しいアルバム。

プログレとかニューウェーブとか出て来たけど、ジャズ息してる...?

という時代に出てきたジャズの高らかな勝利宣言である。

正直もっと順位上な気もしてきたが、後の祭りってやつです。

 

14位 シフォン主義-相対性理論

シフォン主義

シフォン主義

  • アーティスト:相対性理論
  • 発売日: 2008/05/08
  • メディア: CD
 

 所謂「サブカル」の道をきれいに舗装したのはこのバンドであろう。

言葉遊びを重視したナンセンスな歌詞やる気なさげなボーカルが強力にクロスしており、

以降この組み合わせで音楽をやっている人を大量に見ることになる。

また、歌詞やボーカルに目が行きがちだがベースラインもすさまじく、

緩いメロに対比される形で変態的なベースが鳴り響くのも面白い。

というかどう演奏してるのこれ。

 

13 喜納昌吉 & チャンプルーズ-喜納昌吉 & チャンプルーズ

喜納昌吉&チャンプルーズ+2

喜納昌吉&チャンプルーズ+2

  • 発売日: 2017/08/09
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 ハイサイおじさんは民謡ではなく、このアルバムが初出です。

で、そういうアルバム。ニューミュージック系のロックに沖縄民謡を合わせたもの。

忘れがちだがこのアルバムはライブ編集盤であるので、かなりノリノリの演奏が楽しめる。

これの偉大な点は日本にもロック的な音楽に応用できる民謡があるという発見をもたらしたことである。

細野晴臣なんかはもろこれの影響下にあると言っても過言ではないだろう。

ところで折坂氏の「平成」はこれを演歌の域まで持っていったもののように感じているが、

果たしてこれと同レベルの影響を与えられるだろうか。

 

12位 FAB FOX-フジファブリック

FAB FOX

FAB FOX

 

現在、2000年代は邦楽の闇のように扱われており、

実際僕が子供の頃は当時の流行曲に良いと思ったものが一切なく*3

加えて邦ロックも全く好みではなかった。

今でもバンプをはじめとしてロキノン系の邦ロックは苦手だが、

ほとんど唯一聴けるのがフジファブリックである。で、一番気に入っているのがコレ。

ポップ系プログレ的な作風で、アルバム自体もコンセプトアルバムになっており

「アルバムとして」万人にお勧めできるアルバムに仕上がっている。

実は当時全く反応がなかったそう。何故。

 

11位 東京-サニーデイ・サービス

東京

東京

 

 相対性理論サブカル道の舗装役ならば、

サニーデイ・サービス道を切り開いた者であろう。

これについての記事があるので詳しくはそちらを。

epocalcgarage.hatenablog.com

 

10位 僕の中の少年-山下達郎

僕の中の少年

僕の中の少年

  • アーティスト:山下達郎
  • 発売日: 1999/06/02
  • メディア: CD
 

 皆さん、ヤマタツのどれ選ぶかは大体相場が決まっているが

僕は皆が選ばないこれ。多分一番多く聴いたヤマタツアルバムのはず。

 当時、タツローは打ち込みとの付き合い方に悩んでいるころだったらしく、

このアルバムでも結構打ち込み系の音が聞こえてくる。

というかがっつりニューウェーブを意識していることが分かる。

このころのタツローは最早シティポップとは別物のように思えてくるので

何か新しい名称が必要かもしれない。

 

9位 Mint Jams-CASIOPEA

MINT JAMS

MINT JAMS

  • アーティスト:カシオペア
  • 発売日: 2002/02/14
  • メディア: CD
 

 日本を代表するフュージョンバンドの名ライブ盤。

そう、ライブ盤なのだがミックスの妙で観客の声はほとんど聞こえない

その為スタジオアルバムとライブ盤のいいとこどり的な、最高の形態の一枚である。

収録されている曲もCASIOPEAが一番脂がのっている時期の曲なので

フュージョン初心者の人に何か渡すならこのアルバムを。

 

8位 super ae-boredoms

Super Are

Super Are

  • アーティスト:BOREDOMS
  • 発売日: 1998/05/25
  • メディア: CD
 

最高のノイズバンドの傑作。

boredomsはこれかVISION CREATION NEWSUNで割れるが、僕はこっち派。

日蓮宗光明真言というのがあるのだが、あれを彷彿とさせるボーカルに

めっちゃ重いギターがのってきて楽しい。

また、そういうヘヴィな方向にばかり寄るのではなく

ミニマムミュージックに傾倒した軽めの箇所も用意されていて一枚の充実度が高い。

 ところでこれどう表記すべきなんだろうね。aeかareか。

æと書けば良いけどどう変換すればよいかわからんし…

 

7位 空洞です-ゆらゆら帝国

空洞です

空洞です

 

 みんな挙げてるシリーズ其の一。

ゆら帝のラストアルバム。

激しめの曲やサイケを売りにしてきたゆら帝がここまで変わったのだから、

当時のリスナーは仰天したことであろう。

でもなんだか聴くと涙が出そうになる儚さが良いね。

ちなみに僕のお気に入り曲はひとりぼっちの人工衛星です。

 

6位 月の光-冨田勲

 あなたのテクノはどこから?私は冨田勲から!

ということでこれを外すわけにはいかない。

あと主にサカナクションからとYMOからがいるが、

いかんせんポップスやロックのファンからの集計なので冨田派は数少なく、ちょっと寂しい。

これの記事もあるのでそれもどうぞ。

epocalcgarage.hatenablog.com

 

 

5位 awakening-佐藤博

アウェイクニング

アウェイクニング

  • アーティスト:佐藤博
  • 発売日: 2005/09/21
  • メディア: CD
 

 ちょっと前まで影も形もなかったのに

最近これの話ばかりよく聞く、シティポップの名盤。

やっていることがテクノ×シティポップという

最近の人がやりがちなことに手を出しているからだと思われる。

これまた記事があるので詳細はそちらへ。

 

epocalcgarage.hatenablog.com

 

 

4位 FANTASMA-Cornelius

Fantasma by Cornelius

Fantasma by Cornelius

  • アーティスト:Cornelius
  • メディア: CD
 

 みんな挙げてるシリーズ其の二。

でもまあ、後述の一位を除けば確実に一番聴いているものなのは確か。

今の人でこれに影響されていない人っているの?レベルの名盤だね。

これも記事に譲ります。

 

epocalcgarage.hatenablog.com

 

 

3位 lust-rei harakami

lust ラスト (UHQ-CD仕様)

lust ラスト (UHQ-CD仕様)

 

 みんな挙げてるシリーズ其の三。

あまり最近のを聴いてこなかったので大学入ってから先輩に教わったものだが、

大学に入ってから聴いたものの中で今のところ一番良いアルバム。

ダブミニマムといういかにも前衛な要素をここまでポップに、そして美しく仕上げられるのは流石。

そして大概音楽というのは晴れか雨かを想起させるものが多いのだが、

これに限ってはジャケ写のような真っ白な曇天模様が良く似合う。

ちょっと鬱屈としているからかな?

あ、この人せいでSC88Proはこういう儚げな曲に似合うと思っている方も多いかもしれないが、

本来はスーパーのBGMとかに使われているようなものだということをお忘れなく。 

 

2位 LONG SEASON-fishmans

LONG SEASON

LONG SEASON

 

 一枚にめっちゃ長い曲一曲だけ入っている狂気のアルバム。

fishmans空中キャンプ宇宙日本世田谷を選んでいる人が多いが、僕は絶対にコレ。

これは本当にサウンドスケープが素晴らしく、

一体どうやって出しているんだ?というサウンド

フィールドレコーディングのような要素まで込められており、

一曲とはいえお腹いっぱいになることができる。何より美しいしネ。

これも記事があるのでそちらも見てくれよな!

epocalcgarage.hatenablog.com

 

1位 A LONG VACATION-大滝詠一

A LONG VACATION

A LONG VACATION

  • アーティスト:大滝詠一
  • 発売日: 1991/03/21
  • メディア: CD
 

 まず文句。これを挙げている人が少なすぎる。

結構みなYMOとか敢えて外している傾向にあるが、

外されたYMOよりさらに輪をかけて少ない印象だったぞ!

恐らく、これを単なる耳に良いポップス曲集と思っている人が多いからだと思うが、

そんなのとは一線を画している超前衛アルバムなのを多くの人は分かっていないらしい。

ヤマタツ職人なら大滝詠一研究者であるからね。

 

 

JMX氏が仰るに、100選を集計したら各アルバムのレビューを一位に選んだ人に依頼するらしい。

いくら少ないとはいえ、ロンバケは多分入るだろうので

もしレビューを書くことになったらよろしくお願いします。

 

JMX Shooting Arcade

JMX Shooting Arcade

  • 発売日: 2016/11/18
  • メディア: アプリ
 

*1:厳密には数年前に2ndが出た

*2:僕の言う「最近」は2000年以降を指す

*3:サチモス以降の売れ線バンドは音楽的にも意欲的でとても良い。

Since I Left You/The Avalanches【2000】

一枚で3500曲分の力

Since I Left You [輸入盤CD]  (XLCD138)

Since I Left You [輸入盤CD] (XLCD138)

 

 

会話の中で

「何々ってアルバムいいよ!!」

という話をすると、人間はすぐにスマホでサブスクを開く。

これは21世紀以降の人類を判別する、時間旅行時のテクニックに使えそうだが、

 最近の皆さんはサブスクに頼り切りの生活を送っているものと思われる。

 

しかしながら、僕はあまりサブスクを信用していないので

「え、これないのか!」となるシーンがままある。

 

例えばP-Modelの1stとか。

IN A MODEL ROOM

IN A MODEL ROOM

  • アーティスト:P-MODEL
  • 発売日: 2017/06/25
  • メディア: CD
 

 

平沢進とか山下達郎とかはいかにもこだわりがありそうなので

アーテイスト自身がサブスクを拒否しているのかもしれない。

よく考えればついこの間まではっぴいえんどもサザンもなかったので

 やっとそれなりに揃ってきた感もあるよね。

 

あとは古くてニッチな盤も少ないかもしれない。

アシッドフォークの名盤溶けだしたガラス箱はなかったりする。

 調べてみると、これの前身団体五つの赤い風船も全部揃っていない。

ちょっとマイナーになっただけでなくなってしまうのがサブスクの弱いところかもしれないね。

洋楽でも芸術本でも度々取り上げられるTrout Mask Replicaはなく、

有志が作っている、Apple Musicに辛うじてある曲*1だけを集めたプレイリストしかない。

 

 

さて、面倒なアーティストが嫌がっているものや妙にマイナーなものを除けば

残りの配信されていない重要な盤は大体サンプリング関係の問題があるのだろう。

 

例えば、フリッパーズ・ギター自体はサブスク解禁しているのだが、

ヘッド博士の世界塔は何サンプリングしたか忘れたとのことによりクリアランスが下りず、配信されていない。


The Quizmaster 奈落のクイズマスター / FLIPPER'S GUITAR【Official Music Video】

 

とはいってもこのアルバム自体サンプリングの基準が今と違ってゆるゆるだったからできたわけでもあるから

仕方がないと言えば仕方がない。

同様にCornelius2ndもない。


Cornelius - 69/96 (Full Album)

 個人的にはバランスの良い名盤と思うので

Corneliusを初めて聴く人にはこれを勧めたいのだが、

サブスクにないので勧めづらくなっている節がある。

 

 

もちろん洋楽にも同じ理由で配信されないものがあり、それがThe AvalanchesSince I Left You

オーストラリアの6人組バンドなのだが、全員DJするという謎の集団。

前身バンドはノイズ系のパンクバンドだったらしいのだが

日本人のメンバーが不法滞在で強制送還されたようでそれが解散し、

かねてから買いだめていたレコードを使って曲作りをすることを思いついたそうだ。

それで作られたのがSince I Left You。

総サンプリング数は3500ともいわれる。

 

このアルバムの白眉はなんといっても一曲目のタイトル曲でしょう。

 



洒落たアコギからやってくる、古臭いコーラス、イージーリスニング的なストリングス、

早回して甲高くなったボーカル、サンバ風のオルガンなどなど

これでもかというほどのサンプリングの嵐。

というかこのアルバム全トラックサンプリングであり、

ただでさえ雑多になりがちなサンプリングのごちゃごちゃ感が最大限まで引き出されている。

もちろん、これの元ネタも一つ一つ同定することができ、

分かりやすいやつだけで下の曲が使われている。

 

最初のアコギ(0:15~)

 

コーラス

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ストリングス

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ボーカル

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オルガン(0:25~)

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これらにさらに映画からのサンプルボコーダードラムなどあらゆる音がサンプリングされている。

これで分かるように、全く出自の異なる曲を巧みにつなぎ合わせて曲を作っており

この手腕は流石としか言いようがない。

また、この手の曲はカットアップ気味なものになりやすいのに

全くそうではなくメロウな曲になっているのも注目ポイント。

 

アニメやコメデイなどのセリフネタが多めのFrontier Psychiatristも人気。

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You are a crazy coconut!とかどこで見つけてきたねんみたいな声ネタまであり、

彼らのディグ力の凄まじさがよく分かる。

個人的にはこのシュールなPVも好きで

あらゆる立場のキャラクターがめくるめく出てくるこのPVは

かなりうまい具合にこのアルバムを表している気がする。

 

これらの曲のようなノリでアルバムの頭から終わりまで駆け抜けるという

かなり濃密なアルバムになっている。

サブスクにないのも納得。これだけあれば配信は許可してない人もいるだろう。

 

 

The Avalanchesはこのアルバムで華やかなデビューを飾り、

このアルバム自体もサンプリングアルバム最大の名盤と謳われることになるのだが、

許可を取るのに時間がかかることに加えて、昨今は許可しない人も増えたので

制作に時間がかかり、2ndはなんと1stの16年後に出た。

 

Wildflower

Wildflower

  • アーティスト:The Avalanches
  • 発売日: 2016/07/08
  • メディア: CD
 

 

しかし1stの時点でレジェンドとなっていたようなので

アルバムたった一枚で頂点に駆け上がったという他に例のない人たちでもある。

 

 

ちなみにこんなメロウな盤を作っておきながら、ライブパフォーマンスは相当激しいらしく、

メンバーが脳震盪を起こした回があるそうだ。

それはそれで見たくもあるな。

 


The Avalanches - Since I Left You (1hr)

*1:ベストに入っていたりする