EPOCALC's GARAGE

本州一下らない音楽レビューブログ

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次世代のラトルズ?The Lambって?調べてみました!!

これからはやっぱりThe Lamb!

'Bout Her - EP

'Bout Her - EP

  • the Lamb
  • ロック
  • ¥1222

 

 

The Lambって?

邦楽ロックシーンで活躍中のThe Lambさん。

知らなかった方も多いのでは❓

実はこの数日間音楽ファンの間で話題がもちきりなんです❕

今回はThe Lambがどんなバンドなのか、徹底解説しちゃいます❕

 

The Lambのプロフィール

名前:The Lamb

結成日時:不明(Twitterは2016年から)

ジャンル:和製ネオソウル

最新アルバム:'Bout Her

好きなバンド:The 1975

 

来歴や特徴は?

The Lambは謎の多いバンドですが、以前には野外フェスを主宰していたこともあるようです。

motion-gallery.net

 

そしてThe Lambさんはなんと!あのラトルズの系譜をひく上質パロディバンドなんです!


www.youtube.com

 

この曲の元ネタは皆さん分かりますよね?!?!

 

そう!The 1975のFrail State Of Mindですね❕


The 1975 - Frail State Of Mind

 

実は全ての曲がThe 1975のパロディになっているとも言われているんです!

The 1975を少しでも聴いたことのある人なら大笑いできますね😂

 

 

日本のパロディバンドと言えばかのGogglesが思いつきますが、

 21世紀以降のバンドのパロディってなかなかないんじゃないでしょうか❕❓

www.youtube.com

 

でも、シャイな性格なのか自分ではパロディバンドとは言ってないようです。

シリアスな笑いを提供したいという新世代のお笑い感覚もありますね😂👍

 

 

 

botさんが注目し大ブーム!

 このバンド、Youtubeのコメント欄は英語ばかりと

最近まで日本の音楽ファンの間で広く知られていなかったのですが

For Tracy Hydeの夏botさんが取り上げたことから一躍時の人に❕❕

 

その後音楽ファンを中心に爆笑の渦を巻き起こします❕❕ 

 

 

 

 

 

まるでジャスティン・ビーバーに取り上げられたピコ太郎のようですね❕ 

 

いかがでしたか?

新世代のパロディ・コミックバンドの前衛・The Lamb。

次の曲は何をパクるパロディするのか楽しみですね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論:

こういうまとめサイトもなくなってほしい。

 

銀界/山本邦山+菊地雅章【1971】

(定義上の)邦楽ジャズ

銀界

銀界

 

 

ジャズ、聞いてますか?

僕はそんなに聴いてません。ハイ。

なにぶん長い長い歴史があるので何から聴けばよいか分からず、

学校の近くのディスクユニオンの長いジャズの棚を行ったり来たりしては

結局買わないみたいな事態を何度となく繰り返している。

 

ただ、ジャズは商業音楽として成立しつつも前衛に行く一歩手前まで攻めるので

それなりに聞きやすいうえに前衛的で楽しい。

自由度も、ロックと同じかそれ以上に広いんじゃないかと思えてくる。

 

最近は例の80'sブームに乗っかりフュージョンも聴かれるようになったからか

あまりジャズに関係のない周りの人も結構フュージョンめいたのを聴いている。



こういうのね。この人は渡辺貞夫という日本を代表するサックス奏者。

この曲は中学の頃昼放送のOPに使ってた。

フュージョンは買い物を邪魔しないBGMとして使われることも多く、

よくある店内BGMとかもフュージョンに色濃い影響を受けている(らしい)。


ハードオフBGM 1080p 高音質

こういう歌詞がのりそうなメロディが日本のフュージョンの特徴。 

 

逆にかなり前衛的で買い物の手が止まるジャズもあり、

その中の一人として今回紹介するのは菊地雅章さんという方。

こちらも日本を代表するジャズ・ピアニストの一人だ。

 

菊地雅章さんといえばエレクトリック・ジャズ。

これは電子楽器を取り入れたジャズで、フュージョンの兄みたいなやつ。

かのマイルス・デイビスハービー・ハンコックなんかが得意とする。


特に初期はフリージャズっぽくて前衛的なモノが多い。

ハービー・ハンコック位になると大分穏やかになるけどね。

Rockit

Rockit

  • provided courtesy of iTunes

 

 

日本においては菊地さんのSusutoがエレクトリック・ジャズ名盤の誉れが高く

マイルスに「自分より俺の音楽を知っている」と言われたほど。

テロリロテロリロテロリロテロリロテロテロテロリーwwwww

 カッティングギターの上でぐるぐるしたキーボードが繰り返される。楽しいね。

菊地さんと言えばこういうイメージ。

 

この曲は日本のジャズのアンセムと化しているようで、

もう一人の菊地さん、菊池成孔もほぼ同じアレンジでこの曲をカバーしている。


DCPRG - Circle/Line~Hard Core Peace

 

でも、今回取り上げる銀界はこれとはベクトルが真逆。

なにせ銀界は伝統楽器・尺八を中心にしたアルバムなのだ。

なんだか古今亭志ん生が真面目に古典落語をやっているような不思議さがある。

 

一曲目から雰囲気が凄まじい。

www.youtube.com

最初は尺八が不在でジャズバンドが同じフレーズを繰り返すが、

この時点で十分「」の雰囲気が完成している。

そこに満を持して飛び込んでくる尺八もまた音が切り裂くようで凄いですネ。

この尺八はもう一人のクレジット、山本邦山さん。人間国宝である。ドヒャー

滋賀の生まれの方らしい。やはり京都に近いからか、江戸というより京の感じ。

 

 

でもこの曲は「」であり、二曲目からが本番。

www.youtube.com

 始まりは静謐そのものである。

最初は尺八のソロと思い出したように挟まるバンドの掛け合いで 

音を楽しむというよりかは、楽器と楽器の間の残響を楽しむような感じだ。

中盤は結構ジャズジャズしくなっており、

人間国宝を置いてきぼりにしてずんずん進むパートまである。

それでも決して「和」から離れない。

 

 

そしてジャケ写回収の曲「龍安寺の石庭」。


Stone Garden of Ryoan Temple

 頭の中で「龍安寺の石庭は京都東山文化の最高傑作で・・・」の様な文を任意のナレーターに読ませよう。

もう龍安寺で延々と流れているようなビデオになるよ!

以前ここの枯山水を一回見に行ったことがあるのだが、

写真で見るほど大きなものではない。

それ故に岩の大きさとか壁の傷跡とかが素朴な白石に映えていた気がした。

この曲も、飾り気のない尺八と派手な西洋楽器との対比が打ち出された曲で

なんだか似た構造を感じるぞ!

 

 

概して日本風といわれる音楽はヨナ抜きを使えど若干「中華」の気が入るものだが

このアルバムは初めから終わりまであくまで純和風、そして京風を保っているのが凄い。

似たように中華じゃない和風テイスト音楽に新月があるが、

あれは本人たちもよく分かってない手法で和のテイストを出している。



これを意図してやっちゃうのがジャズマンの凄さである。

もののブログによるとヨナ抜きの陰旋法らしいが、

それだけでここまで行けるものだろうか。凄いね。

 

そしてこのアルバムで大々的に伝統音楽を意識して曲を作った菊地さんが

あのテロリロテロリロテロリロテロリロテロリーに行くのだから面白い。

電子音楽と伝統音楽は意外と近い位置にあるよ!という話はあらゆるジャンルで聞くけれど

ジャズでの例が菊池さんなのかもしれないね。

 


山本邦山 - 銀界

 

SO WHAT!?/tofubeats feat.仮谷せいら【2013】

海月ねう~これ歌って~


02. SO WHAT!? feat.仮谷せいら/Seira Kariya (from album "tofubeats - lost decade")

 

最近、久々にVRにハマっている。

実は僕、結構なVR古参ファンで

のらきゃっとのニコ動時代を知っているし、

今や伝説と化した月ノ美兎の初回放送も見ていた。

 

初期Vtuberは、不安定・未熟な技術面やUnity演算を逆にネタにする動画、

ロールプレイングするときに出てくる綻び、

3Dモデルであることを生かした自由奔放なパロディやギャグなど、

そのガバガバ具合・可愛いキャラに不似合いな狂気が面白くてウケていたのだが、

(それ故Live2Dによる安定配信のにじさんじは評価がそこまで高くはなかった)

現在はそのような不安定さは解消し、

Vtuberはただの実況者や解説動画と変わらなくなっているので

なんだかなあと思い、見なくなって久しい。

あの役割は今はのばまん氏が担っている気がする。

実験精神と狂気具合がまさに初期Vそのもの。

 

 

そんな僕が何故今再びハマったかというと。

いつも以上のことを特に何もしないお上さんから外出すんなと言われ、

外に一歩でも出たら"Everybody must get stoned!"と自粛警察の投石を食らい、

それを止めるキリストも復活後いつのまにか行方くらまししたので

外に出ないzoomによるコミュニケーションが増えた。

その中で何かふざけられないか、と思い立ち、

VR化してZOOM通話するという、

誰もが思いついただろうが最後の良心でやってないことをやろうとしたからだ。

で、調べていく中で最近のVtuber事情もちょっと見えてきた。

 

僕の一番好きな(だった)Vtuber海月ねう氏である。 

 

最初期はクラゲの一枚絵(しかもほぼ動かない)という中々狂った人で、

ギャグセンスも創作力も高く、心のVtuberベストテン第一位はこの人だった。

最近僕はパクチーを見て未来を思いますね。

 

今はVtuberをやめてをとはと名前を変え、

ほとんど楽家として活動しているようだ。

 (海月ねうはキャラクター名になった模様。)

このチャレンジャー精神こそ初期Vのそれ。

 

さらに調べていくとこの人、トラックメイカーシーンに最近は結構近いようで、

Neko Hackerが曲でフィーチャリングしたりしている。

 

また、昨今のトラックメイカーよろしく度々カバーを出しており、

その中にはYMOの君に胸キュソ胸キュンも含まれる。

 

いずれ名前に引っ掛けてNEU!もやってもらいたいものだが、

彼女に是非是非カバーしてほしいのがこのSo What!?だ。

 

この曲は今や名盤の誉れが高く、
中古で売っていたら4000円近くするtofubeatsLost Decadeに入っているシロモノ。

 

lost decade

lost decade

  • アーティスト:tofubeats
  • 発売日: 2013/04/24
  • メディア: CD
 

もっとも、サンクラで全部聴けるけどね!

 

 

 このアルバムにはかの有名な「水星」も入っているのだが、

コレを初めて聞いたときそれ以上に印象に残ったのがSo What!?だった。

 

So Whatといえば、皆様の頭の中にはシブくてカッコいいおじさんがトランペットを吹いている、

かの名盤のジャケットが浮かんでいるはずだ。

 


Miles Davis - So What (Official Video)

マイルスって唾抜く所作がめっちゃかっこいいよね。

それはともかく、So Whatといえば抑圧されていた黒人の叫びとも評される、

この動画のマイルスの目を見れば分かるような

美しいがなんだかおどろどろしいジャズ、というイメージのはずだ。

こういう曲好き。

 

で、それとほとんど同じ題をtofubeatsがつけた曲が
いえーい!ふーふー!

これなのである。そーわそわそーなのである。

90年代風の、ちょっと浮かれてちょっとダサい、

そしてとてもポップな恋愛ソングにつけているのだ。

こういう曲も好き。

 

このタイトルにこの曲は非常に衝撃的だった。

「厳翔」という名の店でかわいいパフェが出てきたような感じ。

 そして何よりSo Whatをもじった「そーわそわそー」である。

もうこのフレーズが頭の中ぐるぐるである。

 

道行く日本人全員マイルスのように命懸けの目をしていないかと。

音楽くらい少しぐらい浮かれてはどうなのでしょうかと。

tofubeats様はそう仰せなのでしょう。はい。

 

 

この浮かれ具合と言い、かわいらしさといい、

海月ねう氏にぴったりだなあと思っていたんですが、いかがでしょう。

 もう1ファンとして是非歌ってほしいですけどね。

あれか。UTAU作って歌わせるか。

 

bowlroll.net

とか思ってたら本人がUTAU作ってた。行動力の化身。

 

 

 

soundcloud.com

 

大滝詠一はいかにして『電波化』したか

元祖電波シンガー、大滝詠一さんです!

 

「電波と光」のことが一冊でまるごとわかる
 

 

先日、君は天然色の記事を書いた。

 

epocalcgarage.hatenablog.com

 

これはアニメ「かくしごと」で使われると聞いた際、

アニメファン向けに布教しようと思って書いた記事で、

僕の貧弱なアニメ知識を最大限に生かして書いたものだ。

 

目論見通りアニメファン間でそこそこ拡散されており、

こう想像通りに事が運ぶとニヤニヤしてしまう。

 

その中でも、ちょっとびっくりしたのがかの電波ソングbot氏が取り上げてくださったことである。

ブログ記事にもまとめてくれている。

 

前から大好きな海月ねう氏などと一緒に僕が紹介されていて笑ってしまう。

ありがたいかぎりである。

あと、個人的に電波通信ときくと某コンピアルバムを思い出す。

diskunion.net

 

 

ということで、君は天然色の記事では軽く触れたくらいだったが、今回は

いかにして大滝詠一的価値観が電波ソングに入り込んでいるか

を詳しく見ていきたいと思う。

こんなタイトルだけれど、僕の現時点での日本サブカルポピュラー音楽史観のまとめ記事でもあるよん。

例の如く音楽特に知らない人も読めるくらいの記事になってます。

 

ノヴェルティソング

 

さて、大滝詠一は一般に広く知られている曲として、

君は天然色幸せな結末、提供曲だと風立ちぬ夢で逢えたらなどが挙げられよう。


大滝詠一 夢で逢えたら

 

これらの曲は自身が「メロディタイプ」と呼んでいた楽曲群である。

すなわち歌に比重を置いた作品であり、

この手の音楽は山下達郎なんかに同時代的影響を与えることになる。


Sugar Babe - Down Town

というかナイアガラレーベルを設立したときに、

山下達郎にメロディタイプを発表してもらい

自分はもう一つのタイプ、「ノヴェルティタイプ」の曲を作る予定だったらしい。

 

 

このノヴェルティタイプこそ今回のキーワードである。

ノヴェルティタイプとは、歌よりもアレンジ面に重きを置いたもの

所謂コミックソングの類である。

大滝はアレンジ重視のコミックソングを好んで作曲しており、

 特に70年代のほとんどの曲がそれに該当する。

ハンド・クラッピング・ルンバ

ハンド・クラッピング・ルンバ

  • 大滝 詠一
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 さてさてここで電波ソングの定義を調べると、Wiki先生曰く

「過度に誇張された声色」

「意味不明、支離滅裂だが印象的な歌詞」

「一般常識からの乖離」

「奇異ではあるが耳に残る効果音や合いの手、掛け声」

「一度聞いたらなかなか頭から離れない」

 

ここでもう一度上の曲を聴いてほしい。

無理して絞り出したような歌声、言葉遊びによるシュールな歌詞、アフロビートを取り入れた妙なリズムなど、

このほとんどの要素が既にノヴェルティソングに見て取れるのだ。

別にこの曲ではなくても、Niagara MoonやLet's Ondo Againから引っ張ってくれば

いくらでもこのような曲が発掘できる。

 

 

このようなノヴェルティのルーツはオールディーズソングに求められる。


MR. BASS MAN ~ Johnny Cymbal (1963)

上に挙げたMr.Bass Man大滝詠一所有のジュークボックスに収められていたと言われる曲。

ジョニー・シンバルというロック歌手の曲だが、

彼が若者役になり、また"Mr.Bass Man"という役を演じるロニー・ブライトと会話するように進む歌は

現在のキャラソンに通じる部分もあるかもしれないね。

 

 

 

さて、電波ソングを語る上で外せないのがYMOの「君に、胸キュン。である。


君に胸キュン

 

これはニコニコ大百科でも電波ソングの祖のように記述されており、

度々現在のアニメシーンでも取り上げられる曲である。

 


【ED】 まりあ†ほりっく エンディング 君に、胸キュン。

 

先日も、先述した海月ねう氏(現・をとは氏)が参加したカバーが作られていて

個人的にオオッとなったばかりである。

 


【 cover 】君に、胸キュン。- YMO / をとは × somunia × ヨシナ

 

さてさてこの曲はYMOテクノ歌謡曲期を代表する曲だが

大滝詠一に近い人物*1コミックソングに近しいことを一線でしたという点において

ナイアガラ―的に非常に重要である。

なぜならば彼らの中には共通理解として

大滝はコミックソング好き」というのはよく知られており、

一線でコミックソングを作るときに彼を意識しないわけないからである。

 

事実この曲の作詞は大滝とのペアで活躍していた松本隆であったり

大滝詠一のよく作った音頭のごとく、祭囃子のリズムが全体に取り入れられたりと

丁寧にひも解くと大滝詠一を意識したと思わしき箇所が数多く存在する。

また、そもそもこの曲で取り上げられているリゾート志向というのも

山下達郎大滝詠一をはじめとした大滝人脈から始まっていったものである。

 

 

逆に大滝詠一はどうなのよ、というとメロディタイプ曲に紛れてニューウェーブめいたノヴェルティも残す。

ROCK'N' ROLL 退屈男

ROCK'N' ROLL 退屈男

  • 大滝 詠一
  • J-Pop
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 無意味さや不思議な合いの手などの電波的な要素がさらに洗練され、

女性歌手に歌わせれば完全に電波ソングになる曲である。

 

また名盤A LONG VACATIONもメロディ一辺倒ではなく、

特にA面においてメロディタイプでありつつもノヴェルティの技法を使うという試みをしており、

そこらへんは後述する渋谷系への影響も強いだろう。

 


TVアニメ『かくしごと』ノンテロップED映像

例えば「君は天然色」であればポリリズムを大々的に用いていたり、

当時としてはプログレニューウェーブなんかの専売特許であっただろう

楽器の定位の移動をシレっとやっている。

 

 

つまるところ、80年代はメロディタイプ楽曲が注目されたのはもちろんのこと、

ナイアガラ流ノヴェルティも無意識的に周知されていったことになる。

 

 

ポスト大滝;渋谷系のノヴェルティ化

 

次に、渋谷系を考えてみよう。

渋谷系はどのシーンから出てきたかを考えると、実は細野周辺だったりする。

惑星

惑星

  • provided courtesy of iTunes

 Pizzicato Five渋谷系の祖なんて言われるが、

細野晴臣Non Standardレーベル出身。

後々渋谷系扱いされるsalon musicなんかも

ポストYMOと称されるテクノ御三家と一緒に出てきた人だ。

しかし音楽性は細野晴臣よりも山下達郎大滝詠一に近い。

 

渋谷系の大きな特徴として挙げられるのが「引用」である。

要は古い曲を下敷きにして新しい曲を作るというわけ。

例えば上の「惑星」という曲は少し詳しい人ならマーヴィン・ゲイのWhat's Going Onが元ネタだというのにすぐに気づくだろう。

What's Going On

What's Going On

  • provided courtesy of iTunes

 細野晴臣等のYMO人脈はここまで徹底的に引用をやらないし、

P-MODEL等のテクノ御三家は初期こそ洋楽のパロディが多かれど、

基本的にオリジナルの世界観を構築するのがモットーだ。

そんな中Pizzicato Fiveは頻繁に引用したので

仏作って魂入れず」という揶揄をされた、なんて話もある。

しかしこれは同様に引用を頻繁にしたナイアガラに倣ったもの

大滝詠一の引用例を見てみよう。次の二曲を聴き比べてみてほしい。


大瀧 詠一 空飛ぶくじら


The Beatles (Paul McCartney) - Your Mother Should Know (Music Video)

 

この二曲もまた似ていると感じるはず。

これが渋谷系がナイアガラ的と評される所以である。

 

その後出てきたもう一つのパイオニアFlipper’s Guitarも同様の揶揄を受ける。

Young, Alive, in Love / 恋とマシンガン (Remastered 2006)

Young, Alive, in Love / 恋とマシンガン (Remastered 2006)

  • FLIPPER'S GUITAR
  • J-Pop
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 彼らもまたそのまま引用しまくるのである。

上の曲のイントロと下の曲の35秒くらいからと比べてほしい。

www.youtube.com

 

まんまである。やはりこれも揶揄の対象となった。

 

 

この「引用しまくる」という無個性な渋谷系がオリジナリティを獲得したのは

ヒップホップを取り入れサンプリングを大々的に用い始めてからだと言われる。

 

Groove Tube -グルーヴ・チューブ-

Groove Tube -グルーヴ・チューブ-

  • FLIPPER'S GUITAR
  • ロック
  • ¥255
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 このように当時最先端の洋楽をサンプリングしまくり、もはや別物の異形へと昇華してしまったのだ。

ここに大滝のさらにその先が見えてきた。

 

 

Flipper’s Guitar小山田圭吾ことコーネリアスの主宰したtrattoriaレーベルを見るとその進化の過程が良く分かる。

初期から中期にかけては引用が見られる、明るい歌ものポップスと言った風の曲が多い。

 

最近復活している小沢健二もそういう感じである。

ラブリー

ラブリー

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しかし、コーネリアスFantasmaを発表した後になると

渋谷系前衛的、先鋭的な性格が強くなり、

一般的な歌ものとは呼べない曲が多くなってくる。

また引用に関しても前衛音楽など、以前よりも増してマニアックなものが増えた。

NEW MUSIC MACHINE

NEW MUSIC MACHINE

  • provided courtesy of iTunes

また、ブレイクビーツ、Future Bass等々の技法も大々的に取り入れ始めた。

同時期の電子音楽技法を好んで用いるのは細野的であり、

ここに大滝細野の再融合の試みが見て取れる。

 

まあ、つまるところ主に歌メロ型ポップスであった渋谷系

アレンジ面に重きを置き、一見珍妙な曲を作りはじめたのだ。

これを大滝詠一流に言えば

メロディタイプからノヴェルティタイプへと移行した

と言い表せられるだろう。

再びトップミュージシャンがノヴェルティソングを作り始めた瞬間である。

そしてこれが昨今の電波ソングの雛形である。

 

実は渋谷系の影響は海外にも波及しており、

多くの海外のクラブで頻繁に紹介され、

また漫画やアニメと一緒に受容されたと言われる。

先ほど紹介させていただいた電波ソングbot氏の記事で

ネコミミモードって海外の制作者の曲だけど渋谷系?」

と指摘されていたが、

実は作曲者のディミトリ氏は非常に渋谷系との相互影響が強く、

いわゆるカーディガンズのように国内で渋谷系リスナーに受容され、

本人も渋谷系アーティストを意識している。

また、彼の影響によりフレンチテクノはその後も後期渋谷系の影響下にあるとも言われ、

Daft Punkにその類似性を指摘する声もある。

Digital Love

Digital Love

  • provided courtesy of iTunes

 

 

ちなみに現在流行中のシティポップだが、

あれはFuture FunkというVaporwaveとフレンチテクノの合いの子が頻繁にサンプリングしたことに端を発し、

さらにさらにVaporwaveも後期渋谷系の影響があると言われる。

すなわち、元を遡りまくれば大滝詠一がいなければ今のシティポップブームはまずない

 

 

そして後期渋谷系関連で象徴的なのが次の動画。


Different Colors - FPM×村上隆

 後期渋谷系の中心人物・FPMと現代美術家村上隆のコラボ動画である。

村上隆と言えばいわゆるアニメ絵を「スーパーフラット」という芸術に昇華したことで知られるが、

逆に小難しい前衛音楽が後期渋谷系を通じてアニメに利用されるという

真逆の流れがちょうど重なっている時の作品、という感じだ。

 

 

渋谷系からアキシブ系へ、その電波ソング

さて秋葉系と結びついた渋谷系、いわゆる「アキシブ系」だが、

これを語る上で外せないと思うのがみんな大好き塊魂である。

みんな大好き塊魂

みんな大好き塊魂

  • 発売日: 2005/07/07
  • メディア: Video Game
 

 このゲームサントラ、実は渋谷系ネオ渋谷系のメンツで統一されており、

カヒミカリィや野宮真紀、キリンジなんかがいる。

非常にオタク的な「ゲーム」という存在に全く別角度のサブカル渋谷系」で殴り込んだ良作だ。

 

この前後から渋谷系やそれに影響を受けたアーティストがアイドルやアニメに提供を始めた。

やはりその先駆けはネコミミモードらしい。


Neko Mimi Mode Full Version

さて、電波ソングの定義を見返そう。

「過度に誇張された声色」

「意味不明、支離滅裂だが印象的な歌詞」

「一般常識からの乖離」

「奇異ではあるが耳に残る効果音や合いの手、掛け声」

「一度聞いたらなかなか頭から離れない」

ノヴェルティソングは元がコミックソングなので、

これらの要素が多分に含まれていることはすでにみた通り。

ただいままで「歌声」の部分は大滝詠一のだみ声だったり嶺川貴子のウィスパーボイスであったりしたのだが

それが「アニメ声」になったアキシブ系では萌えソングの要素が加わり

その電波化にさらに拍車がかかったようだ。

 

こうして電波ソング的アニソンが完成したように思う。

もちろん、この前にも宍戸留美などの電波ソング的な歌手はいたのだが

「技法」として再現性が高いレベルまで持ってくるには

渋谷系と秋葉系の融合が不可欠だったように感じる。

 

この手の音楽は同様の性格を持つボカロ楽曲にももちろん転用される。 

ボカロにままある引用の手法は確実に渋谷系由来であろう。

また、前衛的な手法を用いているボカロ楽曲は

リスナーに取っつきやすくするためかノヴェルティの性格を持っていることが多い。

逃避ケア (feat. 灯油)

逃避ケア (feat. 灯油)

  • lumo
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

ちなみにアキシブ系の方も元は大滝詠一であることをよく理解しているらしく

例えばAKB48の「11月のアンクレット」は幸せな結末とほとんど同じイントロだったりする。

www.youtube.com

 

 

 

 

ノヴェルティソングは彼の音楽人生中でもイロモノとして捉えられることが多いが、

電波ソング」として今でもエッセンスが受け継がれているのである。

 

 

 

 

 

 

Neko Mimi Mode

Neko Mimi Mode

  • 発売日: 2017/01/16
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

追記

この記事に関して、電波ソングbot氏から反応をいただきました!

sakana38.hatenablog.com

あー・・・

色々至らない点がいくつもありましたね・・・

さすが電波ソングbot様です・・・

 この記事を読んで僕なりに考え直してみました。

是非お読みください。

 

note.com

 

 

 

 

 

 

参考文献

ケルトvol.17「大滝詠一が大好き!」

大瀧詠一Writing & Talking 

Cornelius's Fantasma (33 1/3 Japan)

Wikipedia渋谷系」「アキシブ系」「萌えソング」

YouTube 下動画

www.youtube.com

 

 

 

 

 

 

*1:細野と坂本が初めてまともに対面したのは大滝詠一のアルバムセッションである