EPOCALC's GARAGE

本州一下らない音楽レビューブログ

ピッチフォークで0点の奴を聴いてみる。

おのれピッチフォーク!

 

ラージ ピッチフォーク 48"    Large Pitchfork 360

ラージ ピッチフォーク 48" Large Pitchfork 360

  • 発売日: 2005/08/25
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

突然だが、僕は「駄作」が結構好きである。 

打ち切り漫画、クソ映画等々、そういったもの。

下らなく突っ込みどころが豊富で、しかしそれはあくまで真面目に作られたものなのでかえって面白い。意外と好きな人も多いんじゃないだろうか。

 

しかし、音楽にはそういうものは少ない。

音楽は聴き手に依存する部分が多く、ある人には最悪でも、ある人には最高な曲だってある。どんな音楽も「駄作」と断じられない。

 

そう思っていた僕だったがある日、あるフォロワーさんが呟いていた。

 

「ピッチフォークで0点アルバム特集があれば逆に見たい」

 

 

・・・・・・。

 

その手があったか!!! 

 

 

さて、ピッチフォークとは言わずと知れた超有名音楽メディアであり、10点満点で古今東西のアルバムの評価を付けるのに快感を覚えるサディスティックな人々の集団である。

10点満点のレビューなぞめったに出るものではなく、日本の大名盤でさえ8点台に落ち着くという結構厳しい評価。

この記事を投稿する直前に10点を取ったFiona Appleは大ニュースになっていた。 

 

Fetch The Bolt Cutters

Fetch The Bolt Cutters

  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

また編集部のバンドの好みがあるらしく、同じような音楽なのに点数が全然違うことも。低い点を付けられたバンドのファンからは不当にけなされている!という声がちらほらあるほどである。

 

とはいえど、良いものには良いと正当な評価を付け、実際満点レビューは全て押しも押されぬ名盤ばかり。そういう点では信用できるメディアでもある。

でもPolysicsのベストが邦楽の中で一番高いのがいまだに何故か良く分からない。

 

 

しかしながら、光ある所に影があり、勝者の裏に敗者あり。

その中で先述した満点アルバムと同様に、あまり知られていないが0点アルバムも僅かながらにある。

 

広いこの世には同じことを考える物好きがいるようで、このブログでも度々利用している音楽バカが集まるサイト・RYMでピッチフォーク0点アルバムをまとめている人がいた。

https://rateyourmusic.com/list/yo_yo_yo/listening_reviewing_all_of_the_0_0_rated_albums_from_pitchfork_com/

 

今回はそれらからいくつか聴いてみたのでレビューしつつ紹介します。

 

Bachman‐Turner Overdrive/The Definitive Collection 【2008】

 

 Bachman‐Turner Overdriveとは、カナダのバンド。

70年代に一世を風靡したらしい。

そう、結構有名で知名度のある人でも0点になりうる。

というかこれから紹介する人の多くは有名な人。

 で、これは何かというとベスト盤らしい。

 内容的には「似た曲の寄せ集め」という感じであり*1ベストならもうちょっと飽きさせない工夫が欲しかったかも。

また、確かに今の耳で聴くと退屈かもしれないが、0点というほどまででもない気がする。

 過悪評価という日本語があるなら、そういう感じである。ピッチフォークらしい。

 

 Flaming Lips/Zaireeka【1997】

Zaireeka

Zaireeka

  • アーティスト:Flaming Lips
  • 発売日: 1997/10/28
  • メディア: CD
 

 

あの大御所・フレーミング・リップス

 これはCD四枚組のアルバムで、各ディスクに8曲ずつ入っている。

しかし、単なる32曲入りのアルバムというわけではなく、全てのディスクを同時に再生させないとちゃんとした曲にならないという驚きのシステムである。

 当時のピッチフォーク評は「CDプレーヤーもう三台買わせるのか!」と酷評だったらしい。

 もっとも、その後評価を改め「変なCDのしかけ10選」に選んだり反省文を書いたりしている。

 その性質上、サブスクにはない

DJセットでやろうにも2セット必要になるので聴きづらいことには変わりはない。

あんまり音が良くないが、Youtubeに全部合わせた音源があったよ。内容は割と「らしい」もので結構よいアルバム。これも過悪評価だろう。

www.youtube.com

 

Jet/Shine On【2006】

Shine On: Deluxe Edition

Shine On: Deluxe Edition

  • アーティスト:Jet
  • 発売日: 2016/12/09
  • メディア: CD
 

 

Jetはオーストラリアのバンド。

 結構売れており、iPodのCMにも使われていたらしいが、その曲がイギーポップの曲に似ていると指摘されているなど、

 このアルバム以前にもいろいろ問題があったそう。

で、問題のこのアルバムだが、これの批評ページには文が添えられておらず、

代わりに動画が添付されているが、その動画が酷い。

気になる方は下のリンクから飛んで見てみよう。

pitchfork.com

 

まあ、確かに新規性もなく(ビートルズの曲をそのまんま等)、歌詞もかなり平々凡々。

新規性とか前衛性を重視しがちなピッチフォークからすれば妥当かもしれない。

しかしながらレビューの仕方が酷い。なんか某地下室タイムズみを感じる。

 

 KISS/Music From The Elder【1981】

Music From The Elder

Music From The Elder

  • アーティスト:Kiss
  • 発売日: 1997/09/23
  • メディア: CD
 

 

なんとあのKISSも0点を取っている。

この人たち、本当に有名無名にかかわらず0点を付けているのだ。

海外の音楽家たちは明日は我が身と震えながら曲を作っているのかもしれない。

 

このアルバムはある映画のサントラだったそうだがその映画が公開中止となってしまい、メンバーが憤慨して発表したものらしい。

 

全くKISSに詳しくない僕が聴いてみたところ可もなく不可もなくなアルバムであった。が、どうやら普段のKISSとは全く毛色の違うものであったそう。ピッチフォークだけではなくQ誌でも酷評。さらに一般にも失敗作と言われていたよう。

音楽でここまでマイナス評価が一致するのは結構珍しい。

もしかしたら当時から失敗作の代名詞扱いだったのかもしれない。

 

Sonic Youth/NYC Ghosts & Flowers 【2000】 

 

NYC Ghosts & Flowers

NYC Ghosts & Flowers

  • アーティスト:Sonic Youth
  • 発売日: 2000/05/16
  • メディア: CD
 

 Sonic Youthのアルバムも入ってしまった。

このアルバムは機材盗難後に作られたという代物。

ギターが盗まれた!程度ではなく、バンド一式盗まれたらしい。

おい警備員。

その為、それ以前とは音が違ってしまっているそうな。

そこがマイナス要因かな??と思いきや

なんだかSonic Youth節が板につきすぎていてツマラナイらしい。

Sonic Youthへのこの評価はよほど衝撃的だったのか、

日本語訳まで作られている。

 聴いてみたが、普通に僕は好きだった

この批評へのファンからの評価もそんな感じのようで、「いたずらに零点を付けるのはいかがなものか」というピッチフォーク批判の対象となるレビューでもあるようだ。

コーネリアスのMellow Waveについた評みたいなものなのかもしれない。

 
 
 
有名どころだけでもこれだけの0点アルバムがあった。
どんな人に対しても即低評価をつける発言力あるメディアが存在することによって 洋楽界全体が引き締まっているのかもしれない。

あるいは、ピッチフォークの発言力のせいで本来とても良いはずの作品が不当な扱いを受けている事例なんかも数あることが分かった。というか今回紹介した作品のほとんどがそうじゃないか?

 

なんにせよ、ピッチフォークは鬼のように怖がられる存在であるのだろう。

 ピッチフォークとは悪魔の持っているような三又槍のことらしいけれどそのネーミングは結構妥当なもの。色んな意味で悪魔的である。

 

 

 

*1:同様の指摘がRate Your Musicにあり

Rain Forest/Walter Wanderley【1966】

爽やボサノヴァ

Rain Forest

Rain Forest

 

 皆さんは子供のころカーステレオで延々鳴っていた音楽を覚えているだろうか。

 だいたいそういうのは父親の趣味の曲であることが多いが、

人格形成や趣味嗜好にだいぶ強い影響を与えるだろうので

侮れないことは確かである。

友人のご家族の車に乗せてもらう機会が今まで何度か*1あり、

そのご家族の趣味の音楽がステレオから流されていたが

そこで鳴らされるものは決まって「私を構成する9枚」に入るような奴だった。

 

この前、僕の場合何聴かされていたか考えてみたが

ボサノヴァ山下達郎だった気がする。

僕はエレクトーンやクラシックピアノを嫌々やらされていたので

そこで弾いたクラシックとかがルーツかなァと思ったが

シティポップ好きであるあたり、たぶんそっちの影響が強いんだろう。

そして我が家のフォルクスワーゲン・ゴルフで最も鳴らされていただろうアルバム、

それが今回ご紹介するRain Forestである。

 

 

 ボサノヴァというと、ファミレスとかそういう場所で延々と鳴り続けているような

気取ったようで正直少しダサい音楽というイメージではないだろうか。

実際、先日友人とバーミヤンに行ったとき、

数時間ずっとボサノヴァが鳴りっぱなしだった。

(そして無駄に選曲が良い。趣味の人でもいるのかな)

 

 

でも、ボサノヴァと一口に言っても結構広い。

ボサノヴァはリズムとかコードがそれっぽかったら何しても自由みたいなところがある。

それゆえに60年代にロックと対等に渡り合える唯一の音楽ジャンルであったのかもしれない。

 

ちょっと変わったボサノヴァの例を挙げると

最初がほぼワンコード、歌詞も一単語を繰り返す"Undiu"のように

かなり攻めた前衛ボサノヴァもあれば、


João Gilberto - Undiú

 

バーデン・パウエルの様な超絶ギターテクボサノヴァまである。


Baden Powell - Manhã da Carnaval

 

特に前衛ボッサについては90年代のオルタナ渋谷系に及ぼした影響は計り知れなく、

例えばコーネリアスの多くの曲にボサノヴァのギター奏法・バチーダが使われている。


Cornelius - Ball in Kick Off

この曲では一回落ち着く箇所でバチーダ。 

こんな感じでボサノヴァは全体的に「落ち着いている」印象の曲が多い。

 

 しかしそんな中でひときわ元気爽やかなのが

オルガン奏者・ワルター・ワンダレイボサノヴァ

ブラジル、ひいてはジャズ界を代表する鍵盤奏者である。

 彼の代表作がRain Forest

 

一曲目は割と落ち着いた感じ。


Walter Wanderley - Summer Samba (So Nice)

爽やか。たおやか。

仮に物質を音楽に変換できる装置があったなら

その中にマンゴー、パパイヤ、グアバなんかと

さらにブラジル人を突っ込めば出力されてきそうな音楽である。

あとジャケのオオハシがかわいい。

前述のとおり、車の中で再三再四聴かれてきた曲で

何か鍵盤で弾くときは必ずこれを弾いてしまう。

 

次の曲もなかなか元気。


Walter Wanderley- It's Easy To Say Goodbye

最早サンバじゃないの?と思う方もいそうだが、

ボサノヴァは正式名称Samba de Bossa Novaと呼び、

サンバの一種としてできた経緯がある。

結構サンバから離れてきたボサノヴァに対し、

もうちょっと元のサンバに寄せよう!としたのがこのアルバムであるわけ。

 

 

次の曲なんてボサノヴァだと思って聴くとビックリするに違いない。


Walter Wanderley - 03 - Cried, Cried (Chorou, Chorou)

いきなりオルガン連打からのスタート。

その後も緩いメロの間を縫うように連打が挟まる。

”Cried,Cried”というタイトルだが

そんなに泣いている暇はないハイテンションさである。

 

このボサノヴァアルバムの異色なところは何も元気溌剌・ファイト一発なところだけではなく

ボサノヴァに必須とされるギターが全くいないところも注目ポインツである。

(オーケストラのイメージが強いWaveにさえギターが入っているのに、だ。)

このアルバムはギター不在でもキーボードがいればどうにでもなる、と示してしまった。

ELPが大々的にロックにギターがいなくてもキーボードでどうにかなると示す実に4年も前のこと。

ボサノヴァは見かけによらず非常に前衛的であると分かるね。

 

ちなみに、ワルター・ワンダレイも例によって例のごとく渋谷系にオマージュされており、

初期コーネリアスのB面曲のオルガンの弾き方がそれっぽい。


Rare Bossa Nova) ☺ Cornelius - Diamond Bossa

その後のコーネリアスが前衛に駆け出すきっかけの曲かもしれない。

 

非常に引き込まれるようなオルガン捌きがこのアルバムでは楽しめるが

超絶技巧を使っているわけでは決してなく、

むしろ割と単純なフレージングで成り立っている。

それなのに非常に魅力的に感じるのは

非常に緩急のとれた弾きまわし

ちょっとした小ネタ的装飾音符(楽譜上で♪/みたいになっている奴)だろう。

 

僕は一応鍵盤を弾くのだが、

全く上手ではないので技巧的部分以外で頑張らねばならない。

そう小さいころから思っていたが、

その意味でワルター・ワンダレイからの影響は計り知れない。

 やっぱりカーステレオは最強の洗脳機械である。

 


Rainforest (full album 1966)

 

*1:片手に収まる程度だけどね~~~~!!!!!

おススメ記事集

本ブログもおかげさまでそこそこ知られるようになっており、

一部の音楽ファンの間で「変な音楽ブログがある」とか

一部のオモロブロガーの間で「音楽しか扱わないオモロブログがある」とか

聞こえてきております。

 

しかしながら結構記事も多くなっており、

「どれから見ればいいの?」という人も多いでしょう。

 

ということで、このブログの人気記事をまとめたのでここから読んでみてください。

適宜追加予定です。

 

 

ナイアガラーと偽る4つの方法

epocalcgarage.hatenablog.com

ナイアガラー、すなわち大滝詠一ファンと詐称するにはどうすればいいかを書いた記事。

ナイアガラーは真面目に記事を書く傾向があるものの、

この記事ではあらゆる手段を使ってふざけまくりました。

これがこのブログの方向性を決めたといっても過言ではないです。

 

楽家のいいね欄をのぞいてみる。

epocalcgarage.hatenablog.com

内容は記事名の通り。

自分としては軽い気持ちで書いたものだったのだけれど、

それなりに知名度のあるサークルの先輩が「面白い!」と言及してくれ、

さらに同時に一般オモロブログ界隈間にも拡散されたことにより

このブログがそこそこ知られるきっかけになった記事です。

 

ダサいレコードの帯を探してみよう!

epocalcgarage.hatenablog.com

友人とディスクユニオンでレコード帯を掘った話。

調べてみると出てくる出てくる面白い帯。

音楽通の間で「レコードのこういう評価の仕方もアリ」

面白がってくれました。

 

アバ・ハイジ/浅井直樹【1988】

epocalcgarage.hatenablog.com

このブログはあくまでレビュー主体なのでレビューもどうぞ。

まずは90年代の伝説の自主制作盤のレビュー。

このアルバム、こういう在野のレビューが少なかったためか拡散し、

ご本人まで届くという奇跡が起こりました。

また、この記事内での言い回しを

かの有名ディガー柴崎裕二氏がしれっと取り上げており、

滅茶苦茶ビックリしました。

 

LONG SEASON/Fishmans【1996】

epocalcgarage.hatenablog.com

個人的に気に入っている記事がコレ。

おふざけと真面目がちょうどよい塩梅で入っていて、

非常に理想的な記事になった。

 

戦え!邦楽名盤決定戦!

epocalcgarage.hatenablog.com

 

元々とある小規模なブログ記事コンペに出していたもの。

名盤ランキングというのは主観じゃないか、名盤同士が直接戦うべき!

という思想の元生まれた謎記事。

専門性が災いしてかコンペには全く引っかからなかったものの

後々音楽好きの間で話題になり、人気記事になりました。ありがとうございます。

JMX氏主宰の名企画#みんなが選ぶ邦楽オールタイムベストアルバム100_In2020と(やや一方的に)コラボした続編もご一緒にどうぞ。

 

 

 

君は天然色/大滝詠一【1981】

二度と作れない名曲。

 

A LONG VACATION 30th Edition

A LONG VACATION 30th Edition

  • アーティスト:大滝詠一
  • 発売日: 2011/03/21
  • メディア: CD
 

 

 

最近かくしごとというアニメが人気のよう。

 僕は最近まで知らなかったものの、

かの有名な「さよなら絶望先生」の方の作品だそうである。

 

そして、アニメのEDには大滝詠一君は天然色という曲が使われている。

www.youtube.com

このアニメを見た人の中には、テレビで聴いたことはあったけれど

君は天然色という曲名を知らなかったという人も多いのでは?

そんなあなたのために、大滝詠一ファンの管理人が

この曲を最大限に楽しむ方法をお教えいたします。

 

 

この曲は大滝詠一作曲・松本隆作詞の曲で、

日本の名盤選には絶対に顔を出すアルバム「A Long Vacation出だしの一曲目。

君は天然色

君は天然色

  • 大滝 詠一
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 その名盤たるや、音楽雑誌が取り上げると、

読者が「もうロンバケは十分だよ!!」と苦情を呈するほど

今までに途切れることなく評価され続けたものである。

 

 

こういう名盤の名曲には裏話がつきものであるが、

この曲にはなかなか物悲しい、有名な逸話がある。

 

松本隆氏は今でも作詞家として有名だが、

病弱な妹さんがいたことは一般にはあまり知られていない。

松本隆の妹思いはかなりのもので、

病気がちの妹さんが小学生の時、一緒にランドセルを背負って通学していた

という逸話もあるほどである。

しかし妹さんは常にいつ亡くなるか分からないほどで、

そのため松本隆の詞には生死の間の世界の様なほの暗さがあると言われる。

80年代に入り松本隆も有名な作詞家として地位を築いたころ、

妹さんが突然亡くなってしまう。

当時、「はっぴいえんど」でバンド仲間だった大滝詠一から作詞の依頼が来ていたものの、

ショックで精神的に参ってしまい、作詞を降りることにした。

しかし、大滝詠一は「いいよ、待つよ。」と落ち着くまで待ち、

結果生まれたのがこの君は天然色であった。

古代中国なら孔子の教えに入りそうな話である。

 

 

この妹の溺愛っぷりがかくしごと」の娘を溺愛する父親に重なる部分がある気がする。

なんかそうすると結構このアニメにぴたりとあてはまるような歌詞である。

君は天然色の歌詞、

唇つんととがらせて

何かたくらむ表情は

別れの気配を

ポケットに隠していたから

 

君は天然色

というのは前述の逸話から考えれば明らかに死の暗喩だが、

かくしごと」の父親目線では、娘が自立してしまう一抹の寂しさを掬い取ったようにも取れるね。

逆に娘目線であると考えた場合、このアニメ鬱展開になるかもしれない予感もする。

最初、アニメに使われると聞いたとき

「レトロでもないアニメに本当に合うのかなあ・・・?」

と思っていたが、杞憂だったようだ。

 

さて、楽曲面では大滝詠一らしく引用が使われている。言っちゃえばパクリ。

しかし引用というのは必ずしも思考放棄したパクリではない。

実際に見てみると、君は天然色にはイントロだけで2つの曲の要素が入っていると言われる。

まず、イントロの大枠と言われているのはハニーカムズというビートルズと同年代のバンドの曲のイントロ。

Colour Slide

Colour Slide

  • ザ・ハニーカムズ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

さらに、庵野監督の大学生時代の作品、DAICONのBGMでも有名な

ELOのメンバーが組んでいた70年代のバンド、ウィザードの曲の一部をプラスしてイントロができている。

See My Baby Jive (2006 Remastered Version)

See My Baby Jive (2006 Remastered Version)

  • ウィザード
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

さらにさらに曲全体の重厚なオケの感じはウォールオブサウンドというビートルズ以前の技法に基づいている。

Be My Baby

Be My Baby

  • provided courtesy of iTunes

この技法はかなり費用が掛かかり、スタジオの構造を熟知しないとできないため、

現在では完全な再現は不可能と言われている。 

 

他にもこの曲には多くの引用があると言われ、その数は20以上とも。

このパッチワークのような全く異なる出自の音楽を違和感なく同時に内在させる技

ただの引用とは言い難い大滝詠一の魅力なのだ。

 

 

この手の引用を使う曲作りは90年代に渋谷系というジャンルに受け継がれ、

そこではさらにPVやCDジャケットのデザイン面でも引用を頻繁にした。

 

ちなみに、この渋谷系は後々秋葉系アニメ文化と融合し

アキシブ系」というジャンルを生み出すことになる。


【4K 60fps】化物語 OP 4 - 「恋愛サーキュレーション」【waifu2x】

みんな大好きなこの曲も大滝詠一グランド・チルドレン

神前暁氏は代表的なアキシブ系作曲家だし、花澤香菜氏は良くアキシブ系を歌う。

 

つまり、大滝詠一がアニソンとして扱われるのは

ある意味「元祖アキシブ系」として妥当なのかもしれない。

 

ちなみに、たまに電波ソング的なアニソンがあるが、

あれは後期の前衛的な渋谷系が行くところまで行ったものが多く、

系譜的にはYMO大滝詠一のハーフ


月詠OP ネコミミモード

 

これなんか完全に嶺川貴子の曲に似たようなのある。


Takako Minekawa - Milk Rock (Cornelius Remix)

 

このようにアニソンにおける大滝詠一は意外と重要で、

今回使われたのもかなり意義のあることだと思う。

 

 

日本国内ではこれほどまでに重要視されているこの曲だが、

実は海外ではそこまでではないのが現状である。

ここ数年は70~80年代の日本の曲が世界的なトレンド

この前イギリスに留学した友人からは、

周りのイギリス人がはっぴいえんど聴いてたという驚くべき報告を受けた。

しかしながら大滝詠一はそのトレンドど真ん中の人物なのにも関わらず

全くと言っていいほど取り上げられる機会が少ない。

今回、このアニメを導火線として海外の音楽オタクにも大滝詠一が聴かれるようになるのを願うばかりである。

 


TVアニメ『かくしごと』本PV

 

 

戦え!邦楽名盤決定戦!

戦え名盤ども。

 

日本のロック名盤ベスト100 (講談社現代新書)

日本のロック名盤ベスト100 (講談社現代新書)

  • 作者:川崎 大助
  • 発売日: 2015/08/20
  • メディア: 新書
 

 

 

こんにちは。

コロナヴァイラスを起因とする外出自粛により

何とかして暇をつぶそうとしているEPOCALCという人です。

 

 

このブログ、面白系ブログと一緒に紹介されることが多いのですが

一応音楽ブログという体でやらせてもらっています。 やー。

こういう個人運営の音楽ブログでは「私的名盤ランキング」とかいう

偏見に満ち満ちた誰得企画をすることが多い。

こういう企画、90年代の元・オリーブ女子的な人は絶対渋谷系を高位にあげ、

00年代の元・ギター少年は絶対オルタナを高位にあげる。

フリッパーズとかバンプとかならまだいいが、

Venus PeterとかYen Town Bandとか挙げられると、さすがにちょっと違うよ!という気しかしない。 名バンドだけどさ・・・

Every Planets Son

Every Planets Son

  • provided courtesy of iTunes
Sunday Park

Sunday Park

  • provided courtesy of iTunes

 

 

そんな音楽ブログ界の中で、ひときわ公正なジャッジをしていたのが

僕が長いこと贔屓にしており、このブログにも多大なる影響を与えている脱R論というブログ。

drr.hateblo.jp

この記事内では5つの異なる有名なランキングを数値化し、

それによって順位付けして新しく作った、

もはや管理人さんの意思がほとんど入っていないランキングを作っている。

 

実際作られたランキングは、「まあ、そうだよね~」みたいな真っ当なもので

「究極の邦楽名盤ランキング」の名にたがわないものになっている。

 

しかし!僕には不満点がある。

大滝詠一のA Long Vacation(通称ロンバケ)の順位が低すぎることだ。

上の記事のネタバレになってしまうが、なんと20枚中19位。

f:id:EPOCALC:20200307172811j:plain

僕の人生のテーマ・アルバムが19/20とは・・・

葬式でかけてほしいアルバムが19/20とは・・・

 

 

~このまま放置した場合の未来予想図~

 

参列者A「葬式で19位の奴流すんだwwww」

参列者B「どうせならもっと高順位の流せよwwww」

 

 

 

こ ん な 世 の 中 じ ゃ P O I S O N!

 

 

 

 

 僕は思う。

名盤ランキングは果たして本当に「ランキング」なのか?

 

この世の中のランキングというのは、

ほとんど選手同士が競った結果をもとに出す。

例えば野球やサッカーなら、勝敗によってチームに「勝ち点」というのを与えて

シーズン終わりまでの合計得点で決めるわけだ。

つまり、公正なジャッジを決めるには実際に戦ってみるのが一番。

同じ音楽ランキングでもオリコンとかビルボードとかは売り上げ枚数やラジオでの放送回数等で「競って」いるので、この論理がいまだにまかり通っていないのは名盤ランキングくらいに違いない。

 

 

というわけで今回は「名盤同士を戦わせて最強の名盤を決める」という企画です。

よろしくお願いします。

 

 

 

対戦方法

 今回の勝負はバーコードバトラーを使って行います。

バーコードバトラーII 時空を越えた戦士達

バーコードバトラーII 時空を越えた戦士達

  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 これは商品のバーコードを使って対戦するという電子ゲーム。

 そして今の時代、実機がなくても下のサイトからただで遊べる

http://barcodebattler.net/BarcodeBattler2Simulator.html

 

さらに、CDのJANコードも下のサイトからすぐに調べられる。

cd-dvd.tsuhankensaku.com

今回はこれらを使って勝負する。

え?音楽なんだからモンスターファームで行うべきだって?

 

 

 

ルールは簡単。

これを使ってCDのバーコード(JANコード)を読み取り、

トーナメント方式で順次対戦させていく。

 

バーコードバトラーでは下一桁が0-4でないとキャラにならないので*1

そうではなかった場合は初回盤等仕様違いから下一桁が0-4のものを、

それでも出ない場合は同じアーティストの他の名盤を使う。

そのため、明らかな名盤なのに外された人々がいるが、所詮リングにも上がれない奴らだと思おう。

 

そして優勝した奴が勝ち。なんて単純明快なの!!

そう、力こそすべてなのだ。

コロッセオに来たローマ人貴族のつもりで楽しもう。

一応この記事内ではベスト4まで出します。 

 

今回、恐らく一番公平な脱R論ランキングで選ばれた20枚を基本としたものの他に、

そのランキングに考慮されていない2007年以降の名盤、なんでこれが入っていないか納得いかない名盤

計10枚独断と偏見で選ばせてもらった。

このくらいは僕の意思入れさせてくだされ。

 

 これら計30枚を機械でシャッフルさせ、トーナメントは下のように作った。

 

f:id:EPOCALC:20200406195359p:plain





名盤コロシアム開幕

第一回戦

開幕はサクセションVSはっぴいえんどという、初っ端から日本語ロックの大名盤対決である。

 

楽しい夕に+4

楽しい夕に+4

 

 

風街ろまん

風街ろまん

  • 発売日: 2011/11/09
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

 風街ろまんを読み込むと・・・。

f:id:EPOCALC:20200403003138j:plain

戦士らしい。 

強さ的には割と標準的なご様子。

邦楽の標準であるはっぴいえんどをよく表している。

 

対するサクセション。

f:id:EPOCALC:20200403003641j:plain



こちらも戦士。

HPがはっぴいえんどより大分低いものの

攻撃力・守備力ともに高い。各所で暴れ散らかしたキヨシローらしい。

はっぴいえんどが一歩出遅れてる感があるが、さあ、どうなるか。

いざ勝負・・・!

 

先攻はっぴいえんど

はっぴいえんど、ダメージ6500!

サクセション、会心の一撃!ダメージ15600!

Winner:サクセション 

 

会心の一撃はっぴいえんどをワンパンでオーバーキル。

ハードロックで日本のビートルズを叩きのめした。

開幕早々のジャイアントキリング。波乱の予感。

 

 

第二回戦

次はスーパーカー VS INU

 

Futurama

Futurama

  • 発売日: 2014/04/01
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
メシ喰うな

メシ喰うな

  • アーティスト:INU
  • 発売日: 1998/08/26
  • メディア: CD
 

 

 あんまり見たことのない組み合わせだが、ファン層的にはかぶってそう。

まずはスーパーカーを召還すると・・・

f:id:EPOCALC:20200403004542j:plain

意外とバランスタイプ。

これは結構普通に強キャラっぽそうだぞ。

 

INUの方はというと。

f:id:EPOCALC:20200403004734j:plain

かなりピーキーな性能。

攻撃力全振りという感じだ。さすが関西ノーウェーブ。パンクの精神。

 

 

というわけで開戦。

 

 

先攻スーパーカー

スーパーカー、ダメージ2800!

INU、ダメージ7200!

スーパーカー、ダメージ6600!

INU、ダメージ7200!

スーパーカー会心の一撃

Winner:スーパーカー 

 

実直にスーパーカーINUをねじ伏せて勝利。

総ダメージ的にはINUの方が多かったので

INUは短期決戦型なのかも。パンクの精神。

 

こういうノリで続けていく。

 

第四回戦

第四回戦で、今回初の魔法使い登場。

f:id:EPOCALC:20200308183227j:plain

その名もFantasma

Fantasma

Fantasma

  • アーティスト:Cornelius
  • 発売日: 2010/11/03
  • メディア: CD
 

 コーネリアス曰く「ファンタジアの影響がある」らしいので、魔法使いのイメージにはピッタリ。

ちなみに対するは奇しくも似た時代の名盤・サニーデイ・サービス「東京」。

 

東京 (Remastered)

東京 (Remastered)

  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

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HPが高いものの、他が心もとない・・・

 

いざ勝負。

先攻コーネリアス
コーネリアス会心の一撃!ダメージ11000!

サニーデイ・サービス、ダメージ100!

 

コーネリアスからボコられても全く攻撃が通らないサニーデイ

なんかいたたまれなくなる。

 

コーネリアス会心の一撃ダメージ11000!

サニーデイ・サービス、ダメージ200!

コーネリアス、ダメージ4400!

サニーデイ・サービス、ダメージ100!

コーネリアス、ダメージ5500!

サニーデイ・サービス、ダメージ200!

コーネリアス会心の一撃サニーデイ・サービスにダメージ10000!

サニーデイ・サービス、ダメージ200!

コーネリアス会心の一撃サニーデイ・サービスにダメージ10000!

Winner:コーネリアス 

 

全攻撃中67%が会心の一撃というコーネリアスの一方的なボコり方により、攻撃力がさほど高くないサニーデイ・サービスは撃沈。

コーネリアスは結構優勝候補かもしれない。

 

第六回戦

ここでは細野晴臣VS星野源という師弟対決が実現。

 

はらいそ

はらいそ

  • 発売日: 2014/11/05
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
YELLOW DANCER (通常盤)

YELLOW DANCER (通常盤)

  • アーティスト:星野 源
  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: CD
 

 

まずは細野晴臣

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強い。強すぎる。

さっきコーネリアスが優勝候補だなあ~とか言ってたやつはアホとしか言いようがない。

 

さて星野源は大丈夫か・・・

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あ(察し)

 

 


先攻細野晴臣

細野、会心の一撃!ダメージ14000!

星野、ダメージ3800!

細野、会心の一撃

Winner:細野晴臣

 

師匠を超える弟子なんていない。

 

 

第十一回戦

変なパラメーターが続出したのはフィッシュマンズVS小沢健二の戦い。

 

空中キャンプ

空中キャンプ

 
犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む

  • アーティスト:小沢健二
  • 発売日: 1993/09/29
  • メディア: CD
 

 

まずは空中キャンプを機械に通す。

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弱え~~~
全体的に低いパラメーター。

いいのかフィッシュマンズ

 

そしてオザケン

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こっちもこっちで弱え~

君たち邦楽でも一流の人たちでしょ....... 

 

 

先攻フィッシュマンズ

フィッシュマンズ、ダメージ1000!

オザケン、ミス!

フィッシュマンズ、ミス!

オザケン、ミス!

 

ミス三連続。

先日日本プロサッカーあったというPK連続失敗を思い出す。



 

 

やる気を出せやる気を。


フィッシュマンズ、ダメージ400!

オザケン、ダメージ11400

Winner:オザケン 

 

 

この戦いは突如高火力でフィッシュマンズを焼き魚にしたオザケンが制した。

 最初からそれをやっとくれ。

 

第十四回戦

最終試合は氷の世界VSジャックスの世界の世界対決。

 

氷の世界

氷の世界

  • アーティスト:井上陽水
  • 発売日: 2006/10/04
  • メディア: CD
 
ジャックスの世界

ジャックスの世界

  • アーティスト:ジャックス
  • 発売日: 2018/06/13
  • メディア: CD
 

 

 

井上陽水はどういう感じかな。

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HP!HPがない!
呑気に風アザミとか言っている場合ではない。

 

 

対する日本語ロックの先駆・ジャックス。

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強いぞこいつ。

ここにきて初の攻撃力五桁。

これは、井上陽水・・・

 

先攻ジャックス

ジャックス、会心の一撃!ダメージ19400!

Winner:ジャックス 

 

井上陽水、何も行動せず退場。

 

 

 

一巡やると、下の様な結果になった。

 

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この時点でYMOはっぴいえんどシュガーベイブがやられるという番狂わせ。

普通の名盤選ならあり得ない事態になっている。

 

 

二巡目からはシード枠で我らが大滝詠一ロンバケが登場。

A LONG VACATION 30th Edition

A LONG VACATION 30th Edition

  • アーティスト:大滝詠一
  • 発売日: 2011/03/21
  • メディア: CD
 

このトーナメントは無作為に決めたのだが、企画の趣旨をPCが汲んでシードにしてくれたらしい。

 

そんなロンバケに対するはBoredomsVision Creation Newsun

VISION CREATION NEWSUN

VISION CREATION NEWSUN

  • アーティスト:BOREDOMS
  • 発売日: 1999/12/10
  • メディア: CD
 

 Boredoms、日本での知名度が低いものの海外出たら大滝詠一よりもはるかに有名。

現代音楽関係の海外書籍に名前が大々的に上がっていてびっくりした。

 

ではいざ対決。いけいけ大滝。

ロンバケの強さは。

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守備力が心もとないが

HPは最低限確保してあり、攻撃力もまずまず。

 

Boredomsは。

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攻撃力以外パラメーターが全部こっちの方が上。

勝てるかこれ。

 

先攻Boredoms

Boredoms、ダメージ4300!

大滝、会心の一撃!ダメージ13600!

Boredoms、ダメージ5300!

大滝、ダメージ9800!

Boredoms会心の一撃!ダメージ10300!

Winner:Boredoms 

 

与えたダメージは大滝詠一の方が上だったものの、

HPの差で負けてしまった・・・

この時点でこの記事の趣旨の半分が消し飛んだが、続けます。

 

とりあえず二巡目、三巡目もやるとこうなった。

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ベスト4はブルーハーツ佐野元春ボアダムス、ジャックスと、40歳半ばのめんどくさい音楽オタクのCD棚にいそうな人たちが残った。

そしてはっぴいえんど関連が不在というなかなかの事態。

 

準決勝一回目

ブルーハーツVS.佐野元春

ちなみにブルーハーツは有名な青いアルバムではなく、

海外で発売した赤いベストの方。

青盤はバーコード番号が不適当だった。

でも、青盤の多くの曲が入っているから許してくだされ。

80年代末期のバンドブームが生んだ最大の功績のひとつだね。

いまでも音楽ファンではない人も愛聴する、日本を代表するロックバンドですな。

普通の名盤選でもベスト4にブルーハーツのアルバムが入ることが多いが、この形式でもまさかの入選ブルーハーツすげえ。

 

佐野元春のVisitorsはラップのアルバム。

VISITORS

VISITORS

  • アーティスト:佐野元春
  • 発売日: 2013/02/20
  • メディア: CD
 

1984にラップを中心にやった異形の名盤。当時のリスナーは困惑し、賛否両論が入り乱れていたらしい。

賛否両論という言葉を使うときって否が多い気がするけど。 

一応80年代のラップとしてYMOスネークマンショー、このアルバムの直後にヒットした「おら東京さいくだ」などがあるけれど、それらとは明らかに質の違うラップである。

 

 

ではそれぞれの強さを見てみよう。

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左がブルーハーツで右が佐野元春

佐野元春のHPがちょっと心もとない。

ブルーハーツの安定したHPに佐野元春はどう戦うのか。

 

先攻ブルーハーツ

ブルーハーツ、ダメージ5500!

佐野、会心の一撃!ダメージ14400!

ブルーハーツ、ダメージ4900!

佐野、ミス!

ブルーハーツ、ダメージ6900!

Winner:ブルーハーツ

 

先攻をとれなかった上にミスした佐野元春に対し、確実に殴るブルーハーツが勝利。

さすがパンク。

 

準決勝二回目

さっきも登場した二組、BoredomsVS.ジャックス

 

 

VISION CREATION NEWSUN

VISION CREATION NEWSUN

  • アーティスト:BOREDOMS
  • 発売日: 1999/12/10
  • メディア: CD
 

 Boredomsはノイズバンド。一応渋谷系らしい。

先述の通り海外からの評価が高く、英語版Wikiの方が日本語版より詳しい。

あとはニルヴァーナの全米ツアーの前座をやってたりする。

ノイズとは言っても、メロもあったり呪文のようなボーカルが面白いので割と普通に聴ける。だからこそ名盤選に良く上がるのかも。

このアルバムとSuper areがおススメ。

 

 

ジャックスの世界

ジャックスの世界

  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 ジャックスは日本語ロックの先駆けともいえる人物。

まだ日本がグループサウンズ一色だったころに欧米と同水準のロックをやろうとした人たち。

当時は全くの無名だったものの、後続のロックバンドたちがこの人に影響を受けていると発言したため再評価された。

詩が大変綺麗。自分達でもそのことを分かっているのか、ただ朗読するだけの曲がある。

 

さて、この尖った人たちのどちらに軍配が上がるのか。

 

先攻Boredoms

Boredoms、ダメージ100!

ジャックス、ミス!

Boredoms、ミス!

ジャックス、ミス!

 

三回連続ミス。

さっき見た気がするぞ・・・

なんかデジャブ?

 

Boredoms、ダメージ200!

ジャックス、ミス!

Boredoms、ダメージ100!

ジャックス、ミス!

 

この通りその後もミスとヘロヘロパンチの応酬が続いたので11ターン省略。

 

 

Boredoms、ダメージ200!

ジャックス、ダメージ8400!

Winner:ジャックス

 

この泥沼試合を制したのはジャックス。おめでとうございます。

 

 

勝戦

決勝はジャックスVS.ブルーハーツ

日本語ロックの雄の対決である。

 

先攻ブルーハーツ

ブルーハーツ、ダメージ5000!

ジャックス、ダメージ8000!

ブルーハーツ、ダメージ8800!

ジャックス、ダメージ11800!

ブルーハーツ会心の一撃!ダメージ10000!

ジャックス、ダメージ10900!

 

最終回らしい高ダメージの応酬である。

なんか涙が出てくる。(気がする。)

 

ブルーハーツ、ダメージ7400!

ジャックス、ダメージ19600!

Winner:ジャックス

 

おお!ついに決まりました!

 

本大会での名盤第一位は・・・ 

ジャックスの世界

ジャックスの世界

  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 ジャックスの世界です!

 

おめでとうございます!

 

めっちゃ原理主義者っぽい第一位ですね。

若い芽を潰すタイプのオジサンみたいでヤダ。

 

でも実を言うと、僕はこっちより2ndの方好きなんですけどね・・・

ジャックスの奇蹟

ジャックスの奇蹟

  • アーティスト:ジャックス
  • 発売日: 2018/06/13
  • メディア: CD
 

 

また三位決定戦をした結果、この記事でのベスト4の順位は

 

一位:ジャックスの世界

二位:ミート・ザ・ブルーハーツ

三位:Visitors

四位:Vision Craetion Newsun

 

となりました。

この決め方すれば色々入り乱れるかなあと思ったけれど

めっちゃアーティスティックで賛否両論呼ぶ奴に偏った。何故だ。

 

でもこの記事で取り上げたものは全部名盤なので、知らないものがあったら是非手に取ってみてください。

この30枚はすべて人生のテーマソングになりえるものばかりですよ!

 


Jacks - Vacant World [ジャックス - からっぽの世界]

*1:それ以外だと回復アイテム扱いになる

ⒸEPOCALC