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本州一下らない音楽レビューブログ

In The Aeroplane Over The Sea/Neutral Milk Hotel【1998】

インディー&メロディー

In the Aeroplane Over the Sea

In the Aeroplane Over the Sea

 

 

 

今年度の初め頃、CHAIがピッチフォークで高得点をたたき出したと話題になった。

pitchfork.com

 

驚きの8.3点である。

 

参考記録として、一時期よくタワレコで見たThundercatのDrunkが8.5点

pitchfork.com 

 

今流行っているシティポップのコンピ"Pacific Breeze"が8.0点

pitchfork.com

 

細野御大のHosono Houseが7.6点である。

pitchfork.com

 

これらを見れば、8.3点がかなり高い数値であることが分かるはず。

あんまりCHAIは好きではないけど、純粋にこれはすごいと思った。

 

ちなみに邦楽最高点はなぜかPolysics。そしてなぜかベスト盤

pitchfork.com

謎9点。

 

 

 

さて。大学でGPA4.0をたたき出すイカレタ奴が稀にいるように、

ピッチフォークで10点満点をたたき出すアルバムも稀に出る。

 

満点を出したアルバムは、例を挙げると

Miles DavisのKind Of Blueに始まり

 

The BeatlesのRevolverやAbbey Road

Revolver

Revolver

 

最近だとカニエ・ウエストのMy Beautiful Dark Twisted Fantasy 

My Beautiful Dark Twisted Fantasy

My Beautiful Dark Twisted Fantasy

 

果てはCanのTago Magoまで

 

とりあえず全方位のヤバい作品が軒を連ねる。

勝てる気がしねえ」という言葉がこれ以上に似合う状況って他にあるでしょうか。

 

そのヤバい作品たちは今79作品あるそうだが、

その中でも異彩を放っているのがこのIn The Aeroplane Over The Sea。

他の名盤たちが「ある程度名の知れた人が放ったアルバム」であるのに対し、

これは「突如彗星のごとく現れた物体X」だったらしい。

 

そもそもこのNeutral Milk Hotel

Trattoriaレーベル好きならご存じであろうThe Apples In StereoやOf Montrealといった

いわゆる「ギターポップ」のアーティストが所属している

Elephant 6というインディーレーベルに所属していた。

 

 

Lysergic Bliss

Lysergic Bliss

  • provided courtesy of iTunes

 こういうの大好き。

特にThe Apples In Stereoはレーベルの稼ぎ頭という感じで当時から名の知れた存在であったが

Neutral Milk HotelはElephant 6設立当初からいたものの「知る人ぞ知る」程度で全然有名ではなかったようだ。

この2ndも最初のうちはぼちぼちの売り上げだった。が、ピッチフォークが10点満点付けたところから一気に有名に。しかし、その後すぐにリーダーが体調不良になってしまい、バンドは休止してしまった。

ちょっと悲しいバンドである。

 

そんなNeutral Milk Hotelの皆さんがこちら。

f:id:EPOCALC:20190913222602j:plain

 

ものすごく超能力者集団に見えるのは僕だけか。

ヘルメットかぶってる人絶対未来予知するだろ。

後ろの目つむってる人絶対精神操ってくるだろ。

手前の二人はサイコキネシスとかでガシガシ戦う主人公二人組か。

 

ちなみにメットかぶってる人はノコギリを弾きます。やっぱり変。

 

 

では表題曲聴いてみましょう。


Neutral Milk Hotel - In The Aeroplane Over The Sea

 

うお~。90年代一番の名曲は?と言われたら僕はこれを答えます。

G→Em→C→Dを繰り返しているだけなのにこれだけ素晴らしい歌を作れるのは神業的ですね・・・鳥肌立つほど美しい。

さっき言ったノコギリや、ヘロヘロのトランペットもサイケでよい風味を出しています。

 

このアルバムで一番の人気曲でもあり、このアルバムの主軸にもなっている曲が"Holland,1945"。フォークとオルタナの折衷といった具合でカッコいい。


Neutral Milk Hotel - Holland, 1945

これ歌詞も素晴らしいそうなんですが、日本人だとよくわからない・・・ちょっと悲しい。

でも言語表現を超えて訴えかけてくるものがこの曲にはあります。

歌詞を調べてみたところ、アンネフランクに恋したという歌とのこと。うわあ素敵。

 

 

 

このアルバム、日本での知名度はかなり低いものの、

ほかのピッチフォーク満点アルバム以上にカルト的な人気を誇るアルバムで

ピッチフォーク制作のアルバム紹介アニメまであるほど。


An Animated Look at Neutral Milk Hotel’s In the Aeroplane Over the Sea

リスニング対策にうってつけだぜ。

 

 

 

頭から終わりまでトッポのごとくメロディアスで

非常に聴きやすく、日本人の耳にもとても合うアルバムだと思います。

下手したらAbbey Roadよりもこっちのほうが聴きやすいかも。

それでいてちょっとした遊びや間があることで、メロディアス系にありがちな「胸やけ」を防いでいます。このバランスが凄い。

 

でも、結構いろんな人に勧めても、あんまりみんな聴いてくれないものの一つでもある・・・

とんでもなく良い内容なのでぜひ聴いてみてくださいネ!

 


Neutral Milk Hotel - In The Aeroplane Over The Sea (FULL ALBUM)

 

 

ⒸEPOCALC