Waterloo Road/jason crest【1969】
超カルトバンドの超有名曲
この前ふざけてThe LambというThe1975の丸パクリをしてるんじゃないか?と話題だったバンドにスポットを当ててみた。
誰でも何かしらオマージュ元的なのはあるけれど、
もうちょっとオブラートに包むのが良かったと思います。(多分)
まあでも尊敬する楽曲にオマージュをすること自体はよくある話で、
オマージュ厳禁にしたら渋谷系の息の根が止まる。
…似すぎでは?
でもこういうオマージュとかカバーとかで知る曲も多いよね。
オマージュ問題に巻き込まれないためには歌詞を変えてカバーする手をお勧めする。
たとえばSurfin’ USAはチャックベリーの歌詞変えカバー。
この手は面白くて楽なので多くのコミックバンドで使われる。
「歌詞変えてないのにカバーの方が有名」という曲もある。
例えば有名なのはTwist&Shoutとか。
この曲はビートルズのイメージが染みに染みついているが、
よく思い出せばトップノーツの曲である。
というか、ビートルズ聴きすぎてトップノーツの方に違和感を感じる体になってしまった人も多いのでは?
どうしてくれるビートルズ。
この前京都行ったとき回転寿司屋で何故かガンガンかかっていた「夏祭り」もそう。
もともとはジッタリン・ジンというイカ天バンドの曲だったが、
今はWhiteberryバージョンの方が有名。
…というか、誰だか知らんが太鼓の達人の曲だと皆思ってるでしょ?
ちょっと心が読めるんですよね、僕。もしかしてあなた辛いことある?
そしてカバーの方が有名な曲の最たるものがjason crestのWaterloo Roadだろう。
まず聴いてみてほしい。
なんだか甘いメロディ、間奏に挟まる洒落た管楽器。
そう、これはかのオー・シャンゼリゼの原曲である。
Les Champs-Élysées(オー・シャンゼリゼ)/ダニエル・ビダル(歌詞付)
そもそもjason crestってだれ?というと、イギリスのサイケバンド。
現在はサイケのコンピにたまに顔を出す謎のカルトバンド的扱いだが、
当時はデビューしたは良いものの全く鳴かず飛ばずという感じだったようだ。
これはまずいな・・・と思ったプロデューサーは外部の作曲家に依頼。
で、できたのがこの曲だったというわけ。
この曲がたまたまイギリス旅行中のフランス人歌手の耳にとまり、
作詞家にフランス語Verを依頼しできたのがオーシャンゼリゼ。らしい。
ちなみに元々ウォータールー通りだったのがシャンゼリゼになっているのはローカライズの意味だけではなく
Waterlooがイギリスにフランスが負けた地・ワーテルローと同じつづりだからそうだ。
日本人にはそういう経験が少ないからかよく分からない感覚。
「Fat Man」とかそういう感じだろうか。
そしてこれを吹き込むと大ヒット。全仏1位に輝いたそうだ。
その後の顛末は皆さんが良く知っている通り。
日本人でも空でフランス語で歌える人も珍しくないとんでもない有名曲になった。
そしてjason crestもウハウハ…ということにはならなかった。
残念ながら解散。結局アルバムも出さないままに終わってしまったらしい。
曲が評判になったのに売れずに終了なんて不運すぎる。
もっとも、先述の通りその後とあるコンピに取り上げられて局所的な人気を得、
稀に転がっているCDやレコードはかなり高価格で取引されている。
実際聴いてみるとjason crest、Waterloo Road的な曲は少ないものの実は結構良い曲が多い。例えばこれのB面もなんだか楽しい。
カルトバンドになったのもなんだか納得。
全部サブスクにあるので是非是非聴いてみよう。
ちなみに、Waterloo Roadの作曲者のやっていたのはThe Four Penniesというバンドなのだが
四畳半フォークっぽく、Waterloo Road的な明るいサイケはほとんどない。
Waterloo Road的な曲が彼らから見つかりましたらご一報を。
ちなみに作詞者のやってたバンド"The Jugular Vein"はそもそも見当たりません。
こちらもご一報を。