今の人たちはコレみたいですよ。
2年前、こんな記事を目にした。
当時の10代に聞いたランキングだそうだ。へえ。
これを見て当時から古臭い曲ばかり聴いていた*1僕は
「皆聴いている音楽って何だろう」と研究していた。
まあ1位back numberはいかにも当時の流行りっぽい。
しかしよく見るとちょっと異質なものが。
そう、好き!雪!本気マジック 。なんと4位。
まずこれクリスマスソングか怪しいし、初音ミクだし*2色々?があるが
10代が言うんだから間違いない。いいね?
では今回は、山下達郎よりも10代からの人気が高いこのクリスマスソング(?)を掘り下げましょう。
まず作っているMitchie Mという人は、界隈では知らない人はいないほどの有名ボカロPで
なんてったって音楽制作のプロらしい。
なんであれプロがアマチュアの領域に手を出すと大概ヤバいことになるが、彼も例外ではなく
まるで初音ミクの中の人が普通に歌っているように調声する。
【調教すげぇ】初音ミク『FREELY TOMORROW』【公式PV】
すなわち、【調教すげえ】。
上のFreely Tomorrowの調声がニコ動で話題となり、一躍有名ボカロPになった人物だ。
曲調は80年代くらいのアイドル曲に90年代フィルターを通した感じ。
シティポップ・ニューミュージックといった趣で聴きやすい。
で、問題の好き!雪!本気マジックだが、これは元々札幌雪まつりの曲らしく
まさにイベント・ソングと言った感じで楽しげ。これが流れた札幌はさぞ幸せムードが溢れていただろう。
かといって完全に商業用と割り切っている音楽でもなく
シンセサイザーのSE的な使い方がなかなか斬新、かつ可愛らしい雰囲気を下支えするもので
その他ちょこちょこ挟まる小ネタもとても参考になる。
一切クリスマスに言及してないのにクリスマス・ソングに挙げられるのも、
そもそも非日常用BGMという側面があるからなのかもしれないネ。
個人的な話としては、この曲は僕のボカロ嫌い脱却の第一歩であったので非常に思い入れがある。
たまたま見たMMDの動画でのBGMで知った口だ。
やはりボカロを聴くときに障壁になるのは「電子音じみた声」であり
それを全く感じさせないMitchie Mはボカロ嫌い克服にうってつけだと思う。
あとこの曲はアレンジやメロなど全体的に若干大滝詠一風であるので気に入ったんだと思う。
歌詞についても意味があるんだかないんだか分からない感じが良い。こういう計算された適当さはなかなか出せない。
さて、この曲の一番の聴きどころだが、それは二番のAメロ部
アイスも魔法も
この部分だと思う。ここ調声ヤバくないすか。
もっと具体的に言うと「ス」の後の「も」。
「ス」と言った後に一瞬どもってから「も」と歌っているのだ
実際音読してみると分かるが、「ス」から「も」と発音するには
他の音節間に比べちょっと時間がかかることが分かる。
しかし、これを機械に再現させようとするのは至難の業。なんせパラメーターで設定しないといけないから。
こんな細かいところ普通の人であれば見落とすか気づいても難しすぎてやらないが、
プロは違う。こういうディテールから声の人間臭さが生まれることをよく知っているのだ。
ところでいつもこの曲を聴くときに気になっているのだが、最初のノイズは何?
CD版だとないのだろうか。気になる。