Show Me Love/Linus' Blanket【2011】
K-POP(アイドルではない)
先日―といっても6か月前だけれど、
高校時代の友人に会った。
東京・大阪をはじめ、都会の人には分からないだろうが、
僕の地元の様な中途半端な田舎には
「コアな音楽情報を入手できる手軽な場所」的なものはほとんどない*1中、
彼女は珍しく平沢進やミドリカワ書房、倉橋ヨエコを愛聴する所謂サブカル系で
80'sシティポップ派だった僕と気が合ったので仲良くしていた。*2
久々に会ったその友人に「最近何聴いてるの~」と言ったところ
まさかの「K-POP」という返事が返ってきた。
その時は下の記事で読んだYubinやWonder Girlsの曲が好きと言ってごまかしたが、
さて、問題はこれからである。
彼女の様な尖った人物もK-POPを聴くようになったということは
これから道ですれ違う女性陣は必ずK-POPを聴いていると思ったほうが良いだろう。
実際僕の旧友の女性は、その友人含め、絶対K-POP聴いている。*3
サークルの方々の様な、長谷川白紙だのカーネーションだの羅針盤だのを聴いている人は夢か幻に違いない。
そう思い、皆とそれなりに話題をすり合わせるべく僕は韓国のインディーズを調査した。
現在の韓国インディーズでも、上の記事にある通りシティポップが人気で
筆頭に上がるのは日本でもおなじみNight Tempo。
Future Funkの代表的人物。
Twitterでたまにバズっているイメージがある。
この前渋谷に来たらしいが、帰省中だったので行けなかった。無念。
他にもBronzeなんかもよく目にする気がするね。
ちゃんと王道シティポップなのにK-POP臭い。
この曲やイタリアのロックとか聴いていると
たとえ異国の音楽ジャンルでも
作曲者の国の音楽の要素が色濃く出るんだなあと思う。
日本の隣の国である韓国はこんな感じで日本の音楽の影響受けまくりであり
シティポップ以前からそんな感じだったらしい。
Night Tempo以前に韓国のインディーポップ界を代表する存在だったのが
このLinus' Blanket。
Linus' Blanketは元々日本の渋谷系ネオアコバンド・advantage Lucyのコピバンだったらしく
そのせいか、Linus' Blanket自体も非常に渋谷系のかほりが強い。
と言うか、五人の初期メンバーのうち二人だけ残ってバンドを続けているあたり
フリッパーズギターと同じ軌跡をたどっている。
その1stがこのShow Me Love。
日本だったら確実にネオシブと言われるであろうアルバムでございます。
一曲目は1分くらいのインストでスタート。
その名の通りのラグタイム曲。
こういう小品があるのも90'sっぽいネ。
二曲目から本番。タイトル曲。
Aztec Camera的なクリーントーン主体のネオアコで
加えて非英語圏の人が英語を歌っているからか
フリッパーズの1st感がヤバい。
二人組であるので恐らく自由に後ろを編成しているのだろう、
バック隊がとても充実しているね。
仮にFriends Againと恋とマシンガンの間に
さらにもう一枚シングルがあったらこんな感じかもしれない。
基本的にこういう曲が多いのだが、
このバンドはどこまでも渋谷系くさく、ボサノヴァみたいなのもある。
思いっきりバチーダしているアコギ。ボサノヴァだな~
後、ボーカルのEQを変えてラジオや電話から流れているようにするのも
「あっこの問題、渋谷系でやったところだ!」
という某B社のゼミのような気分になる。
さらにトラットリア風味があるこんな曲まである。
サンプリングしたギターを切り刻み
定位を左右に振りまくる、という
まるでコーネリアスな一曲。
トラットリアのコンピに紛れ込ませても
知らなきゃ絶対バレない気がする。
このアルバムではこの曲が一番好きかな。
さて、このバンドは韓国インディーズではトップクラスにいたバンドらしいが
Apple Musicで落として気に入った曲をプレイリストに放り込み、
繰り返し聴いていたところ、
良く再生される曲につく☆のマークが僕が聴いた曲へと移っており、
このことから察するに、僕くらいしか聴く人がいないようである。
皆さん聞いてあげてください。自信をもってお勧めできるアルバムですんで・・・
라이너스의 담요 (Linus' Blanket) - Show Me Love MV
PVもPizzicato Fiveみたいだぁ