この前選んだ非英語圏洋楽30選小レビュー
ニッチな需要にお応えして
皆さんは憶えているだろうか。
あの名企画、#みんなが選ぶ邦楽オールタイムベストアルバム100_In2020を。
皆さんの投票による邦楽アルバムベスト100ランキングやりたいと思います。
— 𝙹𝙼𝚇 (@JmxMbp) August 12, 2020
①邦楽アルバムを30枚選んで「順位をつけて」僕にDM下さい。DMが嫌なら@JmxMbp にリプでもOKです。僕をフォローする必要は全くありません。参加自由です。
②締め切り 8月22日午後10時まで
画像は細かいルールです【必読】 pic.twitter.com/beYqp0Ilg8
偶然みのミュージックが同時期に同様のランキングをしていたこともあり、音楽好きの間で空前のランキングブームが勃発、
それは映画好きなど他界隈にまで波及するほどであった。
それから約9か月。
新たな刺客が現れた。
#非英語圏オールタイムベストである。
皆さんの投票による『非英語圏オールタイムベストアルバム』を決めたいと思います!
— 𝑷𝒆𝒕𝒆𝒓 (@zippu21) April 18, 2021
①投票は来週から5/8(土)までです。
②細かいルールは画像に記載してます。投票開始までにルール修正する可能性があるので、ご了承下さい。
ご参加お待ちしてます! pic.twitter.com/hg8RrgOlvq
以前の洋楽オールタイムベストでは「どうせ英米だけだろ...」と無視していた人たちもこれには興味炸裂。
メタルファン・ポストロックファン・プログレファン・レゲエファンなど各界の様々な狂人が集いつつある。
ちょっと怖いものの、僕も彼らの中に飛び込んでみることにした。
しかし、ここで「シガーロスやArcaも行ける、よく考えればビョーク、マイブラ、ボブマーリー、クラフトワークも非英語圏じゃんwwwww」とかやるのはつまらなすぎる。半年ROMれ。
そのため今回は絶対に普通にやったら洋楽名盤選にはまず入らないようなアルバム*1を中心に選んだ。
そういうのの中で好きな奴を30枚ということでかなり骨が折れたものの、なんとか選べたのでご紹介します。
30.Moving Waves/Focus
まずは小手調べ。オランダのプログレ。
「ヨーデルっぽいボーカルのハードロック」 ということでインパクト抜群であり、
代表曲Hocus Pocusは度々Twitterでバズっていた気がする。
それだけではなくユーロプログレらしい叙情的な曲もたくさん入っており、単なるボーカル一発芸バンドではない。
普通のプログレ名盤選でも絶対に上の方にくるアルバムの内の一つであるのだが、
オランダが普通に入ってくるあたりプログレファンの国際力が良く分かる。
今回のランキングはプログレファンの面目躍如といった感じだろうね。
29.Days Of Hunger/Geva Alon
イスラエルのSSW。多分今回の30枚の内で一番知名度が低いかと思われる。
なんでこんなのを入れたのかと言うと、確か僕が買った一番最初の非西欧圏CDだからだ。
何かのCMにこの中の曲Sunny Dayが使われており、気になって買った。
完全に思い入れのみで入れたのだが、許して下しい。個人的名盤なんてそんなもんでしょ
この人はちょっとカントリーっぽい歌い方の人物であり、当時ウィリー・ネルソンのStardustをよく聴いていたので気に入ったのかもしれない。
そういうわけでAORファンにはもちろんおススメ。ディランやニール・ヤングとかのフォークが好きな方にもなかなかウケるんじゃなかろうか。
28.Hea Hoa Hoa Hoa Hea Hoa Hoa/Feeling B
旧東独のパンク。
音楽が自由にできない状況下で音楽をしようと思った偉人である。
詳しくは過去記事をどうぞ。
あと、ここで書いたせいではないと思うがAmazonにわずかにあった中古在庫が切れたようだ。
欲しい方はDiscogsで買おう。
27.Show Me Love/Linus’ Blanket
韓国のポスト渋谷系バンド。
Advantage Lucyのコピバンから始まっているようだが、
フリッパーズとPizzicato Fiveの合いの子みたいな最高の音楽性をしている。
こちらも詳しくは過去記事をどうぞ。
26.Sheshet/Sheshet
イスラエルのプログレ。そうプログレなのだが音楽性はかな~りソフト。
大体70年代シティポップや渋谷系と同じくらいの優しさである。
camel等カンタベリー系の優しいプログレ曲と比しても柔らかく、もはやクロスオーバージャズなんじゃね?とも思えてしまう。いやCTIでももっと尖った音しているか?
ただ、ちょこちょこ挟まる変拍子やメロのモード感からプログレですと主張している気がするのも確か。
突然変異的に出てきたラウンジ・プログレである。
可愛いプログレ、というのは世界広しといえどもこのくらいであろう。
25.CQ/The Outsiders
オランダのガレージロック名盤。その手のファンにとってはなじみ深いバンドのはず。
あまりこの手のガレージ・サイケを僕は聴かないのだが、このデステイル感あふれるジャケに惹かれて買ってみたのだった。
所謂ガレージサウンドの曲もあるのだが、澄んだ空気感の曲があったり偉く前衛なモノがあったりと色彩豊か。
言うなればやや乱暴になったヴェルベッツ。
僕のようなガレージサイケにあまり馴染みの無い人にもおすすめできるアルバム。
ただちょっと長いのが難点。それさえなければもっと高位につけていたハズ。
24.Clube Da Esquina/Milton Nascimento
MPB、特にミナス派を作り上げたの名盤の一つ。
普通のロックファンでも「街角クラブ」の名でよく知っているだろう名盤だね。
ここに出てくる人たちにはA&R界隈の人が多いのでクロスオーバーのファンにもおススメ。
ただミナス派よろしくこれはブラジル音楽には珍しいフォルクローレの影響を受けている盤であるため、内省的かつ土着的な香りがする上サンバやボッサ感は少ない。
なので一般的なブラジル音楽のイメージで聴くとちょっとビックリするかもしれない。
でもやっぱりブラジル音楽に共通してある「あの空気感」はこのアルバムにも通して感じられる。夏の昼下がりに聴きたい。
名曲ぞろいのアルバムであり、後々ジョビンやヴェローゾに収録曲がカバーされることになる。
23. Sei Note in Logica (six notes)/Roberto Cacciapaglia
Sei Note in Logica (Six Notes) (Digitally Remastered at Abbey Road Studios, London 2000)
- 発売日: 2010/10/07
- メディア: MP3 ダウンロード
イタリアのミニマルミュージック。
ミニマルの傑作にライヒの「18人の音楽家~」があるが、それと比するとアタック感より音の伸びに注目しているのが特徴。
結果として欧州田舎町の空気感が不思議と醸し出され、電子音もいるのにより緩やかでオーガニックな音楽性になっている。ポストロックファンにはイチオシ!
イタリアの良いところはこういう地中海付近の空気感を持った前衛音楽の快作がいくつもあるところである。どうしてだろう。
ちなみに門脇さんのニューエイジ入門のプレイリストにも入っており、なるほど環境音楽としての見方もあったのか~と勉強になった。
22.G.L.P.1002/I Marc4
ここまでで既に皆さんなんとなく分かったと思うが、僕はイタリアとブラジルの音楽が好きである。
そしてこれはボサノヴァを得意としているイタリアのジャズバンド。故に今回選ばないわけがないね。
この人たちのまず突っ込みたいところは全アルバムのジャケデザインと名前が同じである点である。
そのためこのように型番によって区別するほかないという妙な事態になっている。
さらに彼らは全アルバムにおいて高度なラウンジジャズをやっているので甲乙つけがたいのだが、僕は一番最初に聴いたこともあってこれかな。
ちなみに一般的にはG.L.P.1004が名盤とされているようだ。だからなんだよその呼び方。
21. Tropicalia/V.A.
さきほどの街角クラブと双璧をなすのがこのトロピカリア。むしろこっちのが重要かも。
カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルを中心にブラジルの若手音楽家に声をかけ、
「みんなでブラジル版サージェントペパーズを作ろう!(大意)」と言って作られたもの。
実際内容はよく、当時にしては破格の3か月で二万枚の売り上げを誇ったそうだ。
その後のブラジル音楽を作り、国外にも影響した意味でもブラジル音楽入門に最適。
またここに参加している音楽家を逐一追っても楽しめる、非常に便利な名盤である。
20.Amazing Ping Pong Show/Gym and Swim
タイのシンセポップバンドのEP。シティポップっぽい80年代の雰囲気を携えている。
タイ発の音楽というとマニアックな感じがするが、この人たちに関しては今のインディー好きなら誰でも知っているんじゃなかろうか。
たった五曲入りのEPだが、これがタイから出てきたのか!とかなり衝撃的な内容。
特にキラー・チューンSurfin' Babyのナンセンス極まりない歌詞とメロウな曲とのギャップが面白い。
また落日飛車*2とのコラボもあり、アジアのインディーズ新時代を告げた作品だと思う。
19.公衆道徳/公衆道徳
韓国の謎の音楽家。本当に謎で一切素性が割れていないらしい。
韓国の名盤、というとKim Jung Miとかのフォークが強いわけなのだが、
それらを聴いても「良良~」とは思うのだが、本格的にハマるまではいかなかった。*3
そんな中公衆道徳はオリジナリティあふれる作風でアコギを主体としながら、変拍子にノイズにと様々な要素をぶち込んだというもの。
イメージ的にはPoint期のコーネリアスがFantasmaチックなものを作ったという感じかな。ありそうでなかった音楽性である。
皆も好きそうなので意外に高位入りそうな予感がする一枚。
18.Dedalus/Dedalus
イタリアのジャズロック。
ジャズロック?えー、とか思っている方でも一回聴いてください。バチバチにカッコイイんです。
ジャズロックと言っているがほぼエレクトリックジャズ。エレピの使い方がメロウでおしゃれ。
曲途中でドラムが止まったかと思うと謎のノイズセッションが始まるなど自由奔放。
ジャズとかロックとかそういう枠組みなんざぶっ飛ばせという感じがしており非常に素敵で良良良。エレクトリック・マイルス好きには非常におススメである。
尚、フォーマル和服にレコードで顔を隠して写真を撮る僕のスタイルは、これのジャケ(顔隠し+フォーマルコート)を若干参考にしている節がある。
17.Avanti!/Giovanni Mirabassi
イタリアのピアノソロによるジャズ。
ピアノ一台から非常に美しいメロディとハーモニーが紡がれていくのだが、面白いことにこれは反戦歌や革命歌であるとのこと。
音楽というのは人間が追い詰められたときに真価を発揮するとよく言ったものだが、まさにそういう状況下で生まれた音楽の普遍的美に気づかされる一枚。
実はこれと双璧になる形で似たコンセプトのCornelius CardewのFour Principles on Irelandも入れたかったのだが、Cornelius Cardewイギリス人でした。残念。
16. Mauro Pagani/Mauro Pagani
P.F.M.のヴァイオリニストのソロ。なのでP.F.M.自体は入れてないです。
変拍子を非常にポップに聴かせる冒頭曲から引き込まれる音世界。邦題地中海の伝説は仰々しくも結構ピッタリな名前だ。
バックがAreaとPFMとCanzoniere del Lazioのコラボ、しかもある曲ではあのデメトリオ・ストラトスが登場と、イタリアンロックファン悶絶物の一枚である。
よく中古LPが安く売っているので入手しやすい点でもおススメ。是非聴いてみよう!
あとこれLight In The Atticが再発してるのね。日本の環境音楽に続き、イタリアンプログレが流行する日も近い。
15.Attahk/Magma
一応真ん中に入れといたマグマである。
実は僕はそこまでマグマのファンではなく*4、これと有名どころ二枚くらいしか聴いていない。マグマちょっと暑苦しい...
ただこのアルバムは結構好き。暑苦しさが他アルバムより抑え目で叙情的な側面があり、比較的標準のユーロプログレに近いかな。
それ故に本当のファンは好きそうじゃないけど、Magma入門には僕はコレをお勧めする。
14.Etazhi/Molachat Doma
みんな大好きMolchat Doma。
ちょくちょく他アーティストのリミックスなんかでも顔を出すようになってきている。
80年代リヴァイバルの波にのってどこまでも飛躍してほしいものである。
詳しくは過去記事をどうぞ。
13.Carlos Aguirre Grupo(Rojo)/Carlos Aguirre Grupo
アルゼンチン現代フォルクローレの名盤。
これは最近記事にした。
ジャケの組み立て方をわりとマジで教えてほしい。
12. Segundo/Juana Molina
アルゼンチン音響派を定義する一枚。
フォルクローレをベースに据えているため電子音楽じみているのに柔らかで優しい雰囲気が特徴的で、アルゼンチンの郊外にいる気分。一日中聴ける内容。
その意味で、先ほど挙げたRoberto Cacciapagliaと実は似ているのかもしれない。
日本においても山本精一氏が積極的にかかわるなど、後期渋谷系~ポスト渋谷系文脈で重要になってくる。そもそも音響派という言葉も渋谷系文脈らしい。
11.Palepoli/Osanna
イタリアのお囃子プログレと言えばこの盤である 。
ためてためてためてハッちゃけるまでの間が絶妙で、この間がなければこれほど魅力的になってはいなかったかもしれない。
この享楽的なんだか禁欲的なんだか分からない感じがとても地中海らしくて好感がもてる。
当時は「イタリアのクリムゾン」という文句で売り出されたらしい。ちょっと語弊しかないな...
10.Oasis/Il Guardiano Del Faro
イタリアのアンビエント名盤。 イタリアンプログレを漁っていた時期にたまたま見つけた。
アンビエントと言ってもイーノのような静謐なミニマルではなく、Plantasiaに近いシンセポップ。
そしてPlantasiaは結構元気があるがこちらはメロウで穏やか。このジャケのような星が輝く夜に聴きたい音楽性である。
僕にオアシス良いよねと言ったらこっちが出てくるので注意しよう。
ちなみに最近知らないところで再発されていた模様。誰か教えてよ!!
9.Chico Buarque de Hollanda/Chico Buarque
ボサノヴァとMPBの中間地点みたいな名盤。
この人自身はジョビンと共作するなど思いっきりボサノヴァ文脈の人なのだが、
マーチングのリズムを取り入れたり、そもそも妙にリヴァーヴが深かったりと普通のボッサと比すると一風変わったアルバムになっている。
またアルバムのどの曲もかなりレベルが高く、純粋にポップスアルバムとして完成度が高いので万人にお勧め。ここから一曲、菊地成孔のcalendulaでカバーされたりしているね。
ちなみに、皆さん気づいたと思うが一時期Twitterでよく見た依存症後で元気になる人の画像はこのジャケである。
最近フェイスブックの国際模型グループで流布していた画像を日本語化。なんか色々改変に使えそう。 pic.twitter.com/gsffVbRpV1
— ブラスコウ/秋友克也 (@sjxqr393) March 9, 2015
8.Walter Wanderley/Rain Forest
最高のボサノヴァどころか最高のオルガンジャズと言っても良いかもしれない一枚。
ボサノヴァが都会的傾向を示しはじめていたころに、それを崩さず土着のサンバに近づこうとした作品である。
装飾音符を多用したオルガン捌きと涼し気な音作りは後続の音楽でよく参照されることになる。
個人的に思い入れが強く、高位に選ばせてもらった。
7.Araca Azul/Caetano Veloso
カエターノ・ヴェローゾが何を思ったか作った実験ポップスアルバム。
それまでメロディアスなブラジリアン・ロックのイメージがあった彼が、亡命先のイギリスのプログレバンド達に影響されたのかかなり前衛的になっている。
ヴェローゾについては見た感じ1stのDomingoを入れている人が多かったが、あれはまだ純粋なボサノヴァをやっていた時期だったのでヴェローゾ本領発揮ではない気がする。それに加えて、これはトロピカリアの実験精神を具現化した作品ということで僕はこっちかな。
実は結構最近初めて聴いたものだがこういう理由でこの順位。
詳しくは過去記事をどうぞ。
6. Concerto Grosso n.1/New Trolls
これは凄い。「ロックとクラシックの融合」という命題への完璧な一解答を示した一枚。
クラシック・映画音楽ともに活発だったイタリアだったからこそなしえた盤であるような気がしてならない。
こちらも過去記事をどうぞ。
5.Viva/La Düsseldorf
NEU!は多分みんな入れるのでこっちを入れた。La Düsseldorfも大好きだしね。
これのA面ももちろん頭のネジがぶっ飛んだような良い曲がたくさん入っているのだが、
白眉はB面、No Future連呼するパンクへ打ち出した、ある種の狂気を孕んだ未来への賛歌Cha Cha2000であろう。
これも過去記事があった。
ここら辺になると大体過去記事ありますね。
4.Acabou Chorare/Novos Baianos
トロピカリアと街角クラブというブラジリアンポップス二大巨頭が早い段階で出たので、MPB最高位なににしたんだ??と思った方がいたかもしれない。圧倒的これである。
元々比較的普通のサイケをやってたグループ。日本においては「ブラジルのシュガーベイブ」なんて言われたりするらしい。
が、メンバーがジョアン・ジルベルトに会ってからバンド全体がボサノヴァ狂と化し、ボッサ色の強いサイケで彩られた今作を発表した。
そのユニークさ、前衛精神、ポップスネス、どれをとってもMPB随一の名盤と言ってよいだろう。
3.Tilt /Arti e Mestieri
イタリアンプログレ最高峰。異論は認める。
当ブログではすでに何度も使ったフレーズだが、斜に構えたメロディアスなジャズ隊にバカスカ叩くドラマー、という唯一無二な構成のバンド。
今作のA面はプログレらしく組曲になっているのだが緩急の付け方が素晴らしく良く、まったく飽きずに聴ける。そしてジャケがマグリットみたいで良い。
ちなみにこれは1stなのだが、2ndも物凄くお勧めできるアルバムになっているのでそちらも是非。
2.Joao Gilberto/Joao Gilberto
満を持してジルベルト大先生。
これは本当に偉大な盤であり、既にMPBに押され気味な時代のボサノヴァ最後の輝きという感じがする。
手数の少ないリズムに弾き語りギターという最小の編成なのだが、パンの妙か全く寂しい感じがしない。
そして各曲もなかなか前衛的。特に僕の大好きなのはUndiu。
短いフレーズを何度も何度も繰り返し、ミニマルの先駆けのようにも感じられる。
実際Technovaやネコミミモードに代表されるミニマルボッサの影響元はここだろう。
その他収録曲も粒ぞろい。自信をもってお勧めできる名盤である。
問題はサブスクに来ていないこと。なぜだ~!!
1.Wave/Antonio Carlos Jobim
有名だけれど、ワールドミュージック、ひいては世界の音楽を語る上で絶対に外せないと思うので一位です。おめでとうございます。
このアルバムの影響範囲は絶大であり、ジャズやポップスは勿論のこと、
そもそも西欧以外の音楽に注目しようという流れに勢いがつきはじめたのはこれ(とGetz/Gilberto)のヒットであったに違いなく、
その上ラウンジ音楽という意味で後のアンビエントにさえ接続できる。
音だけ聴いたロックファンから軟弱というレッテルを貼られているが、
ここまで意欲的に音作り・曲作りし、各方面に影響したロックアルバムなぞそうそうお目に掛かれないと思う。それこそビートルズ等数えるくらいではないかな。
僕が思うに、ビートルズがいなかったらジョビンが世界のポップスの祖になっていた可能性は十二分にあると思う。
その場合、仮にジョビンが自力でコンセプトアルバムの概念までたどり着けていたらどんなに面白いものになっていたか、すごく気になる所。
以上三十枚であった。
前回の洋楽名盤は好きな英米盤は大体入れ切った感があったのだが、今回は入れられなかったものも多く*5なんだかんだで英米よりユーロやブラジル等の方が好きなんだなあと思ってしまった。
このような企画は今までほとんどなかったのでどういう結果になるのか非常に楽しみなところ。
わくわくしながら待ちましょう。
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