EPOCALC's GARAGE

本州一下らない音楽レビューブログ

存在しない名盤DIG!!!!

註:存在しません。


ゆらゆら帝国 無い!!

 

そして時は2020。世は大名盤時代....

数多の「名盤ランキング」が跳梁跋扈し

そして「名盤選」が乱立、しのぎを削っていた...

 

 

...とまあ、最近のネット上の音楽界隈はずっとこんな調子である。

JMX氏のランキング以降、それから溢れてしまった名盤を拾い上げる作業がずっと続いている感じだ。

 

とはいっても、名盤のメンツが固定化されつつある昨今、

 しばらく前から俗流アンビエントのように今まで見向きもされなかった名盤を探す人々が一定数おり、

いかにして新風を名盤界に巻き起こすかというのは現代社会の命題である。

しかし、発売された音楽が有限である以上、名盤にも限界が存在し、

このままでは数十年で名盤は地球上から枯渇すると言われています。

 

 

 ここでEPOCALCからの新提案

皆が実際にあればな...という名盤を出し合ってはどうだろうか!?

 つまり「存在しない名盤」である。

存在しない名盤は音楽ファンの数だけ存在するうえ、好き勝手なことを言えるため

持続可能な名盤として注目されること間違いなしだ。

 

というわけでネット上の人間関係...ではなく存在しない名盤について調査することにした。

 

というわけで今回は、

皆の「おれのかんがえたさいきょうのめいばん」を見てみよう!という記事です。

 

実施方法

Twitterでこんな風に呼びかけてみた。

 

 

洋邦問わないどころか地球外もOK、

ただし実在してはいけないという前代未聞の名盤募集をかけた。

するとどうだろうか、意外なほど注目を集め、

結構いろいろな人のもとに届いたようだ。

ただあまりに短期間に広まったせいですでにオワコン扱いされている気がするが、まあ仕方がない。

 

その中でも僕が好きだったのもをピックアップしてご紹介したい。

 

 存在しなくても強いレジェンドたちのアルバム

やはり普通の名盤選でも強い人、常日頃から人気な人は存在しない名盤でも強い。 

その中から秀逸のなのをいくつか。

ちなみに、この手のものはほとんどが違う世界線の名盤であった。

やはり平行世界でも人気なのだろうか。

さよならアメリカ、さよならニッポン/はっぴいえんど

 

はっぴいえんどのメンバーがソロをやらなかった世界線での3rd。

各々のソロ1st+本当の3rdという構成。確かにこれは名盤。

ただ、これらから集めたとなると大分ファンキーなアルバムになる気がする。

今頃邦楽はファンク系のリズム一色になっていたかもしれない。

 

 HOME/フジファブリック

志村さんが生きていた世界線でのフジファブリックのアルバム。

確かに志村さんが東日本大震災を経験していたらどんなアルバムになっていたかかなり気になる所。 

東日本大震災のアルバムと言うとceroのMy Lost Cityなんかが思い当たるが、

シティポップだけではなく、邦ロック視点からのアルバムも欲しかったね...

なんだか想像するだけで悲しくなるからやめだやめ!

 

Metallica/Five

 

本当の5thは有名なブラック・アルバムだが、

何を思ったかそうではなくミックスをリスナー側でやれと要請する珍盤

これね、たぶん当時のグランジHR/HM勢とかから猛烈に批判されたけれど

五年後くらいに全然ジャンルの違うクラブミュージックや前衛ロックに再評価されたタイプの名盤だよね。*1

ドラムのレコードがサンプリングされまくる未来が見える。 

あとVektroidがボーカルのレコードを遅回しにしてトラックに重ねるとかしそう。

 

 

皆夢見るコラボレーション

実現は難しいけど、皆が待ち望むコラボは存在しない名盤の醍醐味だ。

実現できないんであれば妄想してまえ。音楽に限らず、全てのヲタクが通る道である。

 

 奇跡のしゃぼん玉/桑田佳祐&長渕剛 

 

 長渕剛桑田佳祐がコラボ。

この二人と言えば確執があることで有名で、もっとも有名な共演NGの一組だろう。

実際、このツイートでも挙げられている2014年の紅白のスタッフは

この二人を同時に写さないように苦心したそうだ。

 でも、妄想であればいくらでもコラボ可能。こんな危険な盤だって作れるぜ!

Pがマキタスポーツなのも良い。多分レコ中たまにスージー鈴木が遊びに来ている。

 

OUR SORAMIMI/向井秀徳タモリ

 向井秀徳タモリというありそうでなかった組み合わせ。

 この二人が手を組めば、最強のコミックアルバムがいとも簡単に作られてしまう予感がする。

個人的な希望としてはタモリ3の曲のいくつかをクリアランス取って再演してほしい。

ついでに透明少女を「ボッサ風」「シャンソン」「中華風」3通りでハナモゲラしてほしい。

 

 duet / キース・ジャレット舘野泉

今回来たもので一番泣ける。

先日半身マヒで復帰が絶望的との報が界隈をざわつかせたピアニストキース・ジャレット

日本の誇る左手ピアニストの名手舘野泉氏とのコラボ。

いや、これ本当に実現してほしいね。 

舘野氏自身、半身不随になって絶望しつつも左手ピアニストとなった経歴の持ち主であるので

彼のようにキース・ジャレット氏も右手ピアニストとして活躍するきっかけになってほしい。

これ出たら絶対買う。

 

 Flippers Guitar 4/小沢健二+小山田圭吾

ロリポップソニックフリッパーズ・ギターの二人が合流。

Pointのころにかつての盟友二人、しかもミニマムミュージックということでどこかSketch Showを思い出す。

本当に発売されていたら恐らく比較されたことだろう。

このツイートへの引用RTで秀逸なものが。

 

 

実際に企画された世界からのツイート。

なるほど、毎日の環境学ってそういうアルバムだったのかあ、

と一瞬納得しかけてしまった。危ない危ない。

現実と虚構の交差をこのハッシュタグに一番望んていて、それが見事に体現されていたツイート。最高。 

存在しないライブとともに現れるライブ盤 

今回意外とライブ盤も来た。

なにせ一番最初に来たのがライブ盤。 

 それがこれ。

 Live at Tokyo Rocks 2013/Blur 

Blurの来日記念盤。

ここでOasisをカバーしたという、前項のおいしいコラボの要素も入っていて贅沢。*2

そしてライブ盤の大きな特徴はアルバムだけではなくライブまでもでっち上げられる点。 

Rocks Tokyoは2012年までなのでそもそもそんなフェスはない。

もしやっていたらsuchmosとか出てたのだろうか。気になる。

 

 Live at Moon, Literally/Frank Sinatra

 本当にFly Me to the Moonされたシナトラのライブ盤。

そしてアポロ絡みのお約束でオカルトオタクへの格好の餌になってしまったらしい。

多分、50周年盤にはシナトラが国旗の横に立って宇宙服姿で歌う特典映像が入っているのだろう。 

こういうギャグ名盤に走るのも一興。

 

解像度高いけど、全て虚構

 お待たせいたしました。今回のメインディッシュ。

全てでっち上げの噓っぱちアルバム!

 

 ミラー ミラー ミラー/北川奈津子

 え、「いる」じゃん。

 この芸名の感じと言い、時代感といい、

昭和の名曲100の片隅にいる人の隠れ名作の雰囲気をしっかりと漂わせている。

CD選書が中古1,500円くらいするけれど最近1,000円名盤で再発された感じのアルバムだ。

これ、人だけは本当なのかなと思ったけどそんなアイドルさえいなかった。全ては幻。

 

 Madam Yann’s Beat Classics Vol.1

 オザケン+Corneliusのアルバムに素晴らしい引用RTをしてた人が挙げたのがこれ。

大滝詠一ゴダイゴに続くCMソングの名盤だ。

 なるほど、テクノのハウスの語源はハウス食品だったのか...

と危ない危ない。また納得してしまった。民明書房「音楽の歴史」はsosaidkayさんが執筆すべきだろう。

ちなみに、実際これのCMの曲はテクノ風らしい。へえ。

 

Dakes/THE GYDEROLL 

 

今回のMVP。

曲込みで存在しない名盤を作っている人がおり、その人が「見つけた」名盤。 

 なんか普通にJoy Divisionと一緒に紹介されてそうな佇まいである。

この世には色んな凄い人がいるものですね....

 

 

 

 

 

今回やって意外だったのはアニメやゲームを下敷きにした盤がなかったこと。

僕のTL上の音楽好きはアイマスなどのゲーム好きな方が多く、

アイドルが作中世界で出したアルバムとか何枚か来るだろな...と思っていたらなんと0

ちょっとビックリした。そういうのは解釈違いとか起こして良くないのだろうか。

映画や小説をネタにしていたJMX氏を見習ってほしい。

 解釈違いが起こりようがないって?それは禁句。

 

 

ここで紹介できなかったものの中にも秀逸なものが結構あるので

もっと見たい方は#存在しない名盤で検索検索!

また、ある程度皆さんが呟けばまた記事にするので気が向いたら是非。

ではまた。

 

なぜ世界は存在しないのか (講談社選書メチエ)

なぜ世界は存在しないのか (講談社選書メチエ)

 

 

*1:実際、四枚同時再生で成立するアルバムをフレーミングリップスが出してた

*2:調べてみたら実際BlurがWhateverのカバーをしているらしい。ファンには有名なのか。

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