とりあえず聴いとけ
おしらせ。Tagに歴史的名盤を追加しました。音楽初心者はここで取り上げられているものから聴いてみよう!
というわけでこの前LP買ったLovelessです。よろしくお願いします。
あとこれはたまたま売っていた、どうせみんな好きなやつ pic.twitter.com/7sz1VGguMk
— EPOCALC (@insomniaEPOCALC) August 3, 2021
シューゲイザー、なるジャンルがある。ギターのフィードバックノイズの上でサイケな美メロをへなへな歌っている音楽である。
オリジネーターはこの方。なんか適当にやったらできたらしい。
シューゲイザーはその取っ付きやすさと前衛性から今でも非常に人気で、各界に数多の現役靴見人(くつみんちゅ)が存在しているのは音楽ファンだったら有名だろう。
例えば初期スピッツはシューゲイザーであったし、今でも各方面に影響力のあるスーパーカーもシューゲイザーのバンド。インディーズでもFor Tracy Hydeが幅を利かせている。知り合い筋からの夏bot氏の評判悪いけど...
が、シューゲイザーというと陰の中の陽な人が好んでいるきらいがあり、60'sや70'sのプログレ好きが集う弊サークル内ではポストロックと併せて「チャラい」と言われ、軽蔑敬遠するイメージがある。君もかい?奇遇だね。
しかしながら、90年代の「60'sリヴァイヴァル」*1において60年代のサイケロックに対応するものがシューゲイザーとする説もあるらしい。つまるところ、プログレとは兄弟とは言わずともいとこくらいの関係ではあるようだ。仲良くしよう。*2
Lovelessはその中でも代表的な名盤と言われているシロモノで、これ以外シューゲイザーと認めないおじさんが存在するほど。
近所の前衛大好きStore15NovによるとPetsoundsやIn A silent way、Innervisionsと比肩する金字塔とのですよ。苦手な人も聴いてみよう。
良いアルバムは一曲目聴けば大体わかるんですよ。
ノイズと美メロ。正しいシューゲイザー。
これ初めて聴いたときなぜこのメロディにこの編曲にしたんだよとツッコみたくなったが、それがシューゲイザーの良いところ。
インディーロックにプログレでもあまり扱わない超前衛音楽を持ち込み、しかもノイズとアンビエント/イージーリスニングという一見相反するような2ジャンルを一緒くたしたという点でかなり大事なのである。
ブライアン・イーノがほめたのも彼の「ノイズはアンビエント説」を形にしたからであるだろうし、非常階段やBoredomsなどの所謂ノイジシャンの方々が渋谷系界隈から高い評価を受けたこともこのアルバムに理由を求めることができるね。
そしてノイズバンドにはかなり好き勝手やる人もいるのだが、My Bloody Valentineのは非常に上質なノイズ。
トップノートはイギリスの鉱山。工事現場。台風の中のトタン。荒野に響き渡るような地鳴りのような焦燥感。
少し楽しむと、森林に吹く風の清涼感。嫌味は全く感じず、そしてバランスの取れた重量感。余韻は長く続く。
彼らはこの音を作るために予算を使いすぎて会社一個つぶしているそうだが、それも頷けるね。
他の曲も大体こんな感じだが、ノイズのみならずソングライティングも良い~
元々ゴスとかサイケとかをやっていたバンドであり、*3色々あってこの作風に行きついたようだ。
それ故サイケポップスのような、甘いメロもできるというわけである。
このアルバムの偉大なところは音楽におけるプロダクションの重要性に気づかせたところ。なんでもエンジニアも一人を除いてほぼ意見を聞かず、フロントマンのケヴィンによるワンマンでレコーディングされたらしい。
しかしそれ故に完璧に制御された音楽が現出したというわけ。この前の時代だとフィル・スペクターとかが近いのかな。演奏するだけではなく、その後どのように処理するか等も制御してしまえ!というのが本質である(多分)。
ポストロックみたいな音響派やアンビエント一派が生まれるのもこのアルバムがなくては語れない。そういう意味でも金字塔である。
あ、このアルバムはその性質上CDよりも明らかにYoutubeやサブスクの音質が悪いので注意。・
その完璧性ゆえ、できる限り高音質で聴きたいアルバムである。