EPOCALC's GARAGE

本州一下らない音楽レビューブログ

世界中の『ボサモドキ』紹介

みんな大好きボッサ・ノヴァ

 

 

ボサノヴァと言えばブラジルのシャレオツ音楽で、

カフェでコーヒー飲む間に七曲は流れているだろうほど日本人の日常にあふれたものであるが、

意外なことにボサノヴァはブラジルではあんまり聴かれていないらしい。

news.yahoo.co.jp

 

そもそもボサノヴァが対外的に知られるようになったのは本国での流行後のことであり、

Waveの時点でブラジルでは既に時代遅れになっていたことにも注意しよう。

Wave

Wave

 

 

 ボサノヴァ後のブラジルの音楽はMPBとジャンル分けされ、

ボサノヴァそのものが再びブラジル音楽界を席巻することはなかった。

 

 

しかし、日本含め諸外国へのボサノヴァの影響は強く、

有名どころではThe Avalanches「Since I Left You」Beckの「Odelay」で多数のボサノヴァがサンプリングされている。

Since I Left You

Since I Left You

  • アーティスト:Avalanches
  • 発売日: 2004/07/13
  • メディア: CD
 
Where It's At

Where It's At

  • provided courtesy of iTunes

 

そしてもちろん、ボサノヴァを模した曲、すなわちボサモドキも世界各国にみられるのである。

ボサモドキ収集家の僕が各国から集めたベスト・ボサモドキをご紹介いたします。

 

 

Watch What Happens/Wes Montgomeryアメリカ)


Wes Montgomery / Watch What Happens

まずは有名どころ。クロスオーバー・ジャズの名盤"A Day In The Life"より。

この曲はフランスの作曲家Michel Legrandの曲で、もともとはシャンソン風のジャズボーカルのスタンダード。

で、こちらはErrol Garnerがボサノヴァ風にピアノカバーしたことを踏まえてのカバーと思われる。

Errol Garnerよりボサノヴァ感が前面に押し出され、ボサモドキと言ってよいほどボサノヴァに乗っ取られている。

ボサノヴァの恐ろしさとは、あらゆるものをボサノヴァに変質させる点である。

どんな音楽もこれからは逃れられない。

 

Light My Fire/Tamba 4(ブラジル)

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Tamba 4はブラジルのバンドなので厳密にはボサモドキというより本物のボッサなのだが、

原曲がThe DoorsLight My Fireであるので、前との続きで「カバー曲ボサモドキ」として取り上げる。

こんなにオシャレになってしまって。

オタクな旧友と久しぶりに再会したらサーファーになってしまったみたいなカバーである。

 

Rio Dream/Fruitcake(オランダ)


FRUITCAKE – 06 Rio Dream ( Audio bitrate 320 )

70年代フュージョンの典型例として最良なのがFruitcake。

そしてフュージョンがやるようなボサモドキの雛形みたいな曲もある。

典型的と言っても、突然サンバ風になるあたりに彼らの技術力と構成力の高さが見て取れる。

シンセの音といいスーパーの店内BGMみたいな曲だが、実際昨今のBGMがFruitcakeに影響された部分も大きいとか。

 

Afternoon Hills/Best Music(日本)

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 そしてスーパーのBGMと言えばこのユニットでしょう。

 スーパーの中で流れている曲をパロディするというコンセプトで結成され、

いまでは早すぎたVaporwaveと評されることも多いBest Music。

 その中でも上の動画で5:06から始まる曲、なかなか良いボサモドキである。

というか、スーパーで流れているようなフュージョンもどきなので正確にはボサモドキモドキというべき。

デフォルメしすぎてもはやボサノヴァイデアがほとんど残っていない。

だが、これこそが純然たるボサモドキである。

 

Keyboard/I Marc 4(イタリア)


Keyboard

イタリアはジャズが盛んな国であるが、もちろんボサモドキもやる。

特にI Marc 4のボサモドキ類は演奏力の高さも相まってかなりレベルの高いものが多い。そのうちの一曲。

リズム隊がしっかりしており、本場のボサノヴァ顔負け。

またKeyboardと名がついているだけあって、揺蕩うようなシンセサイザの音が印象的。

ユニークな本格ボサノヴァを志向してる。イタリアすごいな...

 

Center Of Gravity/Yo La Tengoアメリカ)


Yo La Tengo - Center of Gravity

ここからはフュージョン以外のボサモドキを見てみる。

ご存知Yo La Tengoの一曲。オルタナ好きの友人が教えてくれた。

前後が普通にオルタナなのでこれが来た時笑ってしまった。

なんだか妙にオシャレであり、ラウンジ音楽への皮肉のようにも思えてしまう。

ボサノヴァ自体を皮肉れるのがボサモドキの良いところである。

 

Labor In Vain/Linus Blancket(韓国)


Linus' Blanket - Labor In Vain

韓国のネオ渋谷系のバンド。

渋谷系はよくボサモドキを作っていたのでそれに倣ったのだろう。

女性なだけあってアストラッド・ジルベルトみたいな感じ。

あとどこかシャンソンの雰囲気も受ける。

フリッパーズの1stに入っていそうな空気がバリバリする。

 

Samba Beregel Smol/Sheshet(イスラエル

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最後はこちら。イスラエルプログレバンドによるボサモドキ。

よく知られたボサノヴァナンバーの引用と思わしき個所も結構多く、

なんだか渋谷系を聴いているような気分になってくる。

なぜプログレバンドにこんな曲があるのかは謎。

 NHKラジオの「プログレ三昧」でかけたところ、あっという間にAmazonで品切れになってしまったそうな。

 

 

 

現在ボサモドキをどしどし受付中です。

ここに入っていなかった!という曲も#ボサモドキでもつけて投稿してください。

情報お待ちしております。

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