今月のディグ(2021/6)
今月中古屋などで見繕った作品から、特に良かったものを幾つか紹介する記事です。
Amarena / Lucio "Violino" Fabbri(見つけた場所:Book Off秋葉原店、サブスク有)
Mauro Pagani脱退後に活躍したPFMのヴァイオリニストが出したソロ唯一作。Arti e MestieriやAreaが在籍したことで有名なCrampsレコードより。
今作はそんなCrampsの諸作の中でも非常に珍しいAOR系フュージョンの作品。 プログレだと思って買ったのでちょっとビックリしてしまった。
もちろんプログレ風味の曲も入っているのだが全体的にイージーリスニングの雰囲気が漂い、特に二曲目なんかアメリカのクロスオーバー作品のよう。CrampsというよりCTIから出ている雰囲気がバシバシにする。これはこれでかなり好き。
プログレが商業化した結果AOR化したものはいくつかあるが、それのイタリアでの好例と言えるかもしれない。
イタリアンロックファンはもちろんのこと、フュージョン・クロスオーバー好きにもおススメ!
下級生O.S.T.(見つけた場所:Book Off秋葉原店)
今月のMVP。有名なそっち系の恋愛ゲーム「同級生」の派生作のサントラ。
折角秋葉原来たのだしゲームかアニメのサントラを買おう、たしか同級生のサントラがオブスキュア・シティポップとして取り上げられたはず、なら下級生の方も然りなのでは...
ということで、全くゲーム内容知らないけど買った。
音色が多少チープであることに目を瞑れば、かなり良質なポップスが繰り広げられる。特に5曲目「こんな大きな樹の下で」は涼しげなコーラスワークが絶品な名曲。これは90年代のシティポップの名曲と比べてみても遜色ないのでは?
ありもしないノスタルジーを想起させられるVaporな感覚を手軽に味わえる。そっち系のゲームのサントラで終わらすのはちょっと勿体ない気もする超好盤。島崎路子とか好きな人は是非是非。
ちなみに同級生がオブスキュア・シティポップだという情報はネット上ではどこにもなかった。どこで知ったんだろう...
Alo/Ajate(見つけた場所:bandcamp、サブスク有)
今さらbandcampに登録したのだけれど、hoodoo伏見のレコードがまだあって感動して買ってしまった。他にないかな、と思ってそのレーベルのページを徘徊していたところこんなバンドを発見。買ってしまった。
民謡や祭囃子みたいな印象を受けるが、あくまでリズム主体といった趣。アニミズム的な歌詞は完膚なきまでに意味が解体されており、最早日本語と認識するのが難しいほど。
なんだかboredomsからノイズ抜いてテンポ早くした感じの音楽である。意外とboredoms好きにオススメかもしれない。もちろん民謡クルセイダーズのファンにも◎。