今月のディグ(2021/4)
月一回、僕がレコ屋・CD屋・中古屋などで適当に見繕ったものの中で数作、サクッと紹介するコーナーです。
Travelogue/コーコーヤ(見つけた場所:大洋レコード)
まずはこちら。
ショーロというブラジル音楽があるのだが、それに基づいて独自の音楽をやっている日本人インストグループ。
ブラジル音楽はラウンジ的な解釈をされることが多いが、ショーロはそんなブラジル音楽中でも最初っからラウンジ音楽として作られた筋金入りのラウンジ。
お洒落なお店の店内音楽やWiiの待機画面BGMみたいな曲が沢山詰まっている。
また日本の人と言うこともあって、ブラジル感だけではなくしっかりJ-POP感も感じられる。
この優しい雰囲気は僕のHNの間接的な由来であるEPO氏もお気に入りのようだ。
コーコーヤ、見かけたらぜひ買ってみよう。
Cruise Control/Leon Lowman(見つけた場所:Amazon)
ディガー・門脇氏のニューエイジ・リヴァイヴァル入門のプレイリストにこの人の曲が入っており、
是非CDほしい!となったところこのアルバムのみAmazonで新品が格安であったので買ってみた。
ちなみにそのプレイリストにも入っている名盤・Liquid Daimondは下のような感じである。
上の動画で分かるようにLiquid Diamondは80年代感が溢れでているのだが、
今作は時代柄90年代の打ち込み音楽の香りがバチクソにする音楽になっている。
例えるなら4割増しでかっこよくしたスーパーのBGM。
流石にLiquid Daimondほどの勢いはなく、アルバム内の曲でも当たり外れが激しいがVapowaveを予感させる音づくりも随所にみられる。
少数存在すると言われる手振れジャケコレクターも必見。
Vaperror/Saccharine Synergy(見つけた場所:高田馬場DU)
そしてド直球にVaporwave。
高田馬場のユニオンにはVaporwaveミニコーナーがあるのだが、カセットばかりだったそこに置いてあった唯一のCDだったので買ってみた。
Saccharine Synergyはかのtelepathテレパシー能力者の変名であるようなのだが、
そちらが直球にVaporwaveなのに比べると、こちらはBlank Banshee的なVaportrapに近い作風。愉快でトロピカルなインスト・テクノポップが楽しめる。
さっきのコーコーヤがWiiのBGMならこちらは音色や底抜けの明るさが64のBGMっぽい。
パソコン音楽クラブのPARK CITYがお好きな方は是非。
去年出たLP在庫は流石にもう切れてしまったようだが、CDは最近発売されたばかりらしくまだ在庫がある模様。お早めにどうぞ。
Midnight Dive/深町純(見つけた場所:ココナッツディスク池袋)
深町純の名前だけをみてなんとなく買ってみたらニューエイジだった。
深町純は個人的にはアレンジャーやフュージョン音楽家のイメージだったので良い意味で期待を裏切られた。
やはり深町純、音作りもさることながらミニマルな演奏も正確で非常に心地よい。
...なんて思っていたら例の環境音楽のコンピに深町純がいた。そうなんですね...
Vol. 1-Spirit on Two Strings/Jie-Bing Chen(見つけた場所:Amazon)
適当にAmazonを徘徊していたところ、妙に安かった新品があったので何も知らずに買ったCD。
残念ながら今は順当な値段設定のものしかないらしい。
調べてみるとアメリカ在住の中国人二胡奏者の方らしく、このCDにも二胡の好演奏が沢山詰まっている。*1
曲目も二胡や中国音楽のスタンダードらしく、その入門にも良いかもしれない。
ちなみにVol.1があれば2もあるわけで。いずれ手に入れたいものである。
仮病な僕ら/汐千博(ストリーミングのみ)
この4月に発表されたインディ・フォーク。
70年代の関西フォーク・URCの雰囲気を携えた美メロ曲が2つ、カバー曲1つが入っている。そしてそれに隠された暗い歌詞。
特にM2などURCの未発表音源です買いませんか詐欺に使えるほど。
騙された側はそれのシングルを3万くらいで買い取ってしまうことだろう。
そういう懐古的な感じに終始するのではなく、一曲目は打ち込みフォークで折坂悠太の平成みを感じる。
「溶けだしたガラス箱」好きや五つの赤い風船「巫OLK脱出計画」ファンは必聴。
ところで、実はこの方、直接の面識はほぼないものの何を隠そう先輩である。
ただそれを抜きにしても良かったので紹介させていただいた。いえーい、見てる??